時期 | 業務 |
4月~5月 | 決算処理 |
6月 | 株主総会 |
7月 | 各種保険手続き、賞与支払 |
12月~1月 | 年末調整、賞与支払 |
3月 | 棚卸し |
経理の仕事をやってみたい人や経理課に配属された人にとって、経理業務がどのくらい忙しいものなのかは気になりますよね。常に仕事に追われることになるのか、残業ばかりで全然休めないのかなど、知りたいことがたくさんあるのではないでしょうか。そこでこの記事では経理の繁忙期はいつなのか、どのような仕事内容になるのかを解説します。
経理の仕事をやってみたい人や経理課に配属された人にとって、経理業務がどのくらい忙しいものなのかは気になりますよね。常に仕事に追われることになるのか、残業ばかりで全然休めないのかなど、知りたいことがたくさんあるのではないでしょうか。そこでこの記事では経理の繁忙期はいつなのか、どのような仕事内容になるのかを解説します。
経理業務の繁忙期は3~6月及び12月~1月とされています。理由は3月を決算期と定めている企業が多いためです。決算の準備が始まる3月、実際に決算業務を進める4~5月、決算報告のため株主総会が開催される6月は仕事量が増えて忙しくなります。また所得税などの税金額を調整・確定する年末調整及びその後の処理を行う12月~1月も書類作成・提出といった業務が多くなります。
経理は業務内容によって日次、月次、年次といった3つの業務に分けられます。日次業務とは領収書の整理・入力、帳簿への記録、経費精算など日々ルーティーンのように行われる業務のことです。月次業務とは給与計算、買掛金・売掛金処理、請求書作成など毎月行わなければいけない業務を指します。年次業務は先述したとおり決算処理や年末調整など、一年間のうち決まった時期に発生する業務です。これら3つの業務を並行して行う時期がやって来ると、経理業務は非常に多忙になるといえるのです。
年次業務は決算処理と年末調整の他にもいくつかあります。経理業務の一年間を3月決算会社を例に簡易的に示すと以下のようになります。
時期 | 業務 |
4月~5月 | 決算処理 |
6月 | 株主総会 |
7月 | 各種保険手続き、賞与支払 |
12月~1月 | 年末調整、賞与支払 |
3月 | 棚卸し |
以上のことから分かるように、決算処理や年末調整が行われない7月~11月、年末調整後の1月~2月は比較的業務が落ち着く傾向にあるようです。
なお決算処理については会社の規模によって月次決算、中間決算、四半期決算を行う場合があります。
月次決算…月末を決算期末と定めて1ヶ月間の収入・支出を計算し、利益または損失を算出します。日次業務に加えて決算処理を行わなければいけないので忙しくなりますが、毎月正確な数字を算出することによって、年に一回必ず行われる本決算時にかかる負担を軽減する狙いがあります。
中間決算…6ヶ月に一回決算処理を行います。事業開始から6ヶ月を迎える企業は法人税の中間申告を求められます。中間申告には前年度の決算時に納付した金額を基礎として納付額を計算する予定申告と、6ヶ月を1事業年度とみなして仮の決算を行い、所得金額と納付額を算出する仮決算による申告の2つがあります。どちらの方法で法人税を納付するのかを決めるため、中間決算では納付額や今後の資金繰りに問題がないかを確認する必要があります。
四半期決算…3ヶ月に一回決算処理を行います。事業年度から3ヶ月の期間を第1四半期、次の3ヶ月間を第2四半期、その次の3ヶ月間を第3四半期、本決算時の3ヶ月間を第4四半期といいます。四半期決算においては決算書を45日以内に公表しなければいけないという取り決めがあります。3月決算の企業の場合、4~6月は本決算処理に株主総会の準備、さらに7~8月は第1四半期決算がありますので、4~8月の経理業務は多忙を極めるといえるでしょう。
また決算処理には単独決算と連結決算という2つの決算方法があります。
単独決算…1つの企業によってのみ行われる決算のことです。通常、決算という場合はこの単独決算を指します。子会社を持つ企業が単独決算を行ってしまうと、正しい数字が算出されなくなるため、次に述べる連結決算が望ましいとされています。
連結決算…親会社を中心として子会社や関連会社などグループ全体の業績もまとめて行う決算のことです。連結決算は子会社や関連会社から財務諸表などが提出されるのを待ち、それから集計作業に入るので大変手間と時間がかかります。しかしグループ全体の業績を明確にすることで今後の経営方針を決めやすくなるので、非常にメリットの多い決算方法だといえるでしょう。
決算とは企業の一年間における経営活動の収入と支出を計算、算出した利益または損失を決算書とよばれる書類にまとめることをいいます。しかし、なぜ損益を確定させる必要があるのでしょうか。決算処理を行う目的は以下の3つだといわれています。
続いては決算の流れについて解説していきます。決算処理は以下のとおりに行われます。
1. 決算書作成に必要な書類を揃える
2. 残高を確定する
3. 決算書を作成する
4. 申告書を作成する
5. 株主総会が開催される
6. 申告書を提出する
ここからはそれぞれの項目について説明します。
決算書を作成するためには、企業の資金の流れを示す資料が必要になります。決算書作成のための書類は以下のとおりです。
>>帳票とは。書類の電子化を活用し、経理業務の属人化を排除しよう!
>>総勘定元帳とは?重要性と実務上の取り扱いについて徹底解説します!
決算書作成に必要な書類を用意したら、次は決算残高を確定するための業務に移ります。必要な業務は主に2つあります。
>>棚卸しについての疑問を徹底解説!意味は?目的は?やり方は?
>>減価償却は何故必要か?減価償却の基本と会計処理をわかりやすく解説
必要な書類を用意し、期末残高を確定したらいよいよ決算書の作成に入ります。決算書は正式には「財務諸表」といい複数の書類で構成されますが、その中でも貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つを「財務三表」と呼びます。
>>貸借対照表の見方・書き方をチェック!損益計算書との違いは?
>>損益計算書(PL)とは?見方や書き方、役割をていねいに解説
>>キャッシュフロー計算書の読み方は?基本構造をわかりやすく解説
決算書が完成したら、次は法人税納付のための申告書を作成します。申告書にもいくつか種類がありますが、主なものは以下のとおりです。
法人税の申告及び納付は決算日から2ヶ月以内と定められているので、3月決算の場合は5月末までに書類を作成するといった流れになります。
株主への業績報告は決算日から3ヶ月以内と決められており、3月決算の場合は6月末までに株主総会を開かなければなりません。そのための準備も確定申告と同様5月末までに行われます。株主総会開催に関する書類も以下のようにいくつかあります。
株主総会では計算書類(決算書)の書類を提出し、承認を受けて一連の流れが終了します。
最後は法人税の申告と納付です。確定申告は5月末までと定められていますが、一方で申告に必要な決算書は株主総会で承認を受けたものでなければならないと決められています。
しかし株主総会の開催は6月に行われることがほとんどのため、これでは決算日から2ヶ月以内の5月末までに確定申告ができません。このような場合には、法人税の申告期限の延長が認められています。そのため株主総会が終了する6月末までの延長が可能となり、期限の延長をしているか否かで申告のスケジュールが異なります。
次は年末調整について解説していきます。年末調整とは、企業が従業員の給与から源泉徴収した所得税と、本来支払うべき所得税の金額を比較して過不足を調整する業務のことです。本来であれば所得税は一年間の所得額に応じて課税されますが、所得額が変動する可能性を考慮して毎月の給与からは概算で計算された金額が差し引かれています。一年の終わりには収入が確定し正確な所得税額を求められるので、仮に差し引かれていた税金と比較します。払い過ぎていた場合には還付金が発生し、不足していた場合にはさらに納税しなければなりません。正確な納税額を算出し、仮に計算された所得税と実際に支払うべき所得税との差異をなくすために必要なのが年末調整です。では、年末調整はどのように進められるのでしょうか。年末調整の流れは以下のとおりです。
1. 控除書類を集める
2. 源泉徴収票を作成する
3. 税務署に提出する書類を作成する
所得税は年末に確定した所得額全てに課税されるのではなく、所得額から一定の金額を差し引いて計算されます。この「一定の金額を差し引く」ことを「控除」といい、まずは従業員から控除に関わる資料を集めて課税される所得金額を確定する必要があります。控除に関わる書類には以下のものがあります。
上記の書類を全従業員分集めて管理しなければいけないので、企業の規模によって年末調整は非常に時間と手間のかかる作業になるといえるでしょう。
控除書類を集めたら次に必要になるのが本来の税金額の計算と、源泉徴収票の作成です。所得税額の差異により還付金が生じた場合には従業員へ支給するよう手配します。源泉徴収票は従業員への交付、税務署への提出、市区町村へ提出する給与支払報告書としての3つを作成する必要があります。
最後に税務署などへ提出するために以下の4つの書類を作成します。
所得税の計算、必要書類の交付・提出を終えると年末調整業務も完了です。全ての年次業務が遂行されたことになります。
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ここまで経理の繁忙期について説明してきました。いつ、どの程度忙しくなるのかイメージしやすくなったのではないでしょうか。経理業務は月次業務と年次業務を並行して行わなければならず、定期的に繁忙期が訪れます。主な年次業務は3月~6月にかけて行われる決算処理と、12月~1月にかけて行われる年末調整でしたね。多忙になる時期を把握し、スケジュールに合わせてスムーズに仕事をこなしましょう。人手が足りない、必要な作業が多いなどの要因で業務に支障が出る場合には、経理代行サービスの利用や経理業務のアウトソーシング化などを検討してみてください。