労務顧問の費用・見積もり相場を徹底解説|選び方と導入メリット紹介

労務顧問の費用・見積もり相場を徹底解説|選び方と導入メリット紹介

労務更新日:2026-03-18

「そろそろ専門家に任せたい。でも、いくらかかるか見当もつかない」。労務顧問の導入を検討しながら、最初の一歩を踏み出せていない経営者は意外と多いです。見積もり相場はサービス内容によって幅広く、比較が難しいのが理由のひとつ。この記事では、サービス種別ごとの費用相場から、見積もりの確認ポイント、費用対効果の考え方まで、導入前に知っておくべき情報を整理します。

労務顧問とは何か

「労務顧問をお願いしたい」と問い合わせると、会社によって返ってくるサービス内容がまるで違う、そういった経験をした経営者は少なくありません。それもそのはず、「労務顧問」という言葉は、様々な企業や社労士が提供しており、業務範囲やメニューも様々で、一般的には以下のような形態があります。

形態

月額目安

概要

社労士顧問(相談型)

1〜3万円

社会保険労務士が電話・メールで相談に対応。手続き代行は別途契約になるケースが多い

社労士顧問(手続き込み)

3〜8万円

入退社手続き・社会保険・労働保険の申請まで一括で対応。世間一般の「顧問契約」はこの形が多い

労務アウトソーシング(BPO)

5〜20万円〜

給与計算・勤怠管理・規程整備など実務ごとチームに委託。社内に担当者がいなくても回る体制をつくれる

「相談だけ欲しい」のか「実務ごと丸ごと外部化したい」のかで、最適な形態もかかるコストも全然変わります。見積もりを取る前に、まずこの区別をつけておくことが遠回りをしないコツです。

なぜ今、労務顧問が必要なのか

① 顧問がいれば施行前に一報が来る。いなければ施行後に気づく

2023〜2025年にかけて、中小企業に直撃する労務関連の法改正が続いています。育児介護休業法の改正(2025年4月施行)による育休取得促進義務の拡大、同一労働同一賃金の本格適用、物流・建設・医療を直撃した「2024年問題(時間外労働の上限規制)」などの対応を怠れば行政指導や損害賠償に直結します。顧問がいれば「来月から変わりますよ」と先手で動けますが、いなければ「実は去年から違反してました」という事態になりかねません。

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② 採用トラブルの「火種」は入社前から始まっている

採用難が続く中、内定取り消し・試用期間中の解雇・ハラスメント対応など、雇用管理をめぐるトラブル相談が増えています。就業規則の記載ミスや雇用契約書の曖昧な表現が、入社時点ですでに火種になっているケースがあります。後から気づいても、すでに弁護士費用が発生する段階まで進んでいることも少なくありません。

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③ 経営者が労務に費やす時間は、意外と「顧問料」より高くつく

月に社会保険の手続き・給与計算の確認・従業員からの質問対応をこなすと、10〜15時間はかかります。時間単価5,000円で計算すれば月5〜7.5万円分。「安い顧問料でやっと損益トントン」と思いきや、その時間を本業に使えばリターンははるかに大きい、という計算が成り立ちます。

④ 「なんとなく回っている」が一番危ない

給与計算ミスや労働保険の申告漏れは、熟練の総務担当者でも起こります。特に従業員数が増え始めた成長期は、以前のやり方が通用しなくなるタイミング。問題が起きてから気づくより、日常的に専門家が関与している状態の方が、発見と修正のコストは圧倒的に小さいです。

労務顧問の費用・見積もり相場

労務顧問の費用や見積もり相場は下記のとおりです。

料金体系の種類と月額目安

タイプ

月額目安

特徴

社労士顧問(相談のみ)

1〜3万円

手続き代行は別途。相談頻度に上限が設けられていることも多い

手続き込み顧問(社労士)

3〜8万円

従業員数・手続き件数で変動。入退社・社会保険申請が含まれるのが一般的

労務アウトソーシング(BPO)

5〜20万円〜

給与計算・勤怠・規程整備など実務ごと委託。業務量に応じた変動制の場合も

表で見ると「相談のみ」が安く見えますが、手続きが発生するたびに都度費用がかかる契約も多く、年間トータルでは「手続き込み顧問」の方が安くなるケースもあります。月額だけで比較すると後悔しやすいので注意が必要です。

見積もりを左右する主な要因

従業員数・拠点数

手続きの件数が増えれば工数も増えます。単純な比例計算ではなく、50名を超えたあたりから料金が段階的に上がる設定にしているサービスが多いです。複数拠点があれば、所在地ごとの申請対応が加算されるケースもあります。

対応業務の範囲

相談対応のみか、給与計算・社会保険申請・就業規則整備・労働保険の年度更新まで含むかで、価格は2〜3倍変わることもあります。さらに、勤怠管理の運用サポートや勤怠データの集計・チェックまで含める場合は、追加で月2〜5万円程度の加算になるケースが多いです。勤怠管理は給与計算の前工程にあたるため、両方をまとめて委託すると連携がスムーズになる反面、対応工数が増える分だけコストも上がります。最初から必要な範囲を確認して見積もることをおすすめします。

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有資格者(社労士)が直接担当するか

窓口はスタッフで、実際の判断は社労士、という体制のサービスも少なくありません。判断が求められる場面で誰が責任を持つかは、価格以上に確認すべき点です。

対応速度・レスポンスのスピード感

当日中に返答が来るかどうかは、実際に使ってみると大きく感じる差です。「3営業日以内に回答します」では困る場面があります。プレミアムプランで対応速度が上がる設定のサービスも多く、その分の料金を払う価値があるかどうかは会社の状況次第です。

相場より高くなるケース

  • 外国人雇用・在留資格申請の対応が必要な場合
  • M&A・事業承継時の労務デューデリジェンスや労務整理
  • 複数拠点・グループ会社の一括管理
  • ハラスメント調査・個別労働紛争への対応支援

相場より安くなるケース

  • 従業員数10名以下のスタートアップ向けパッケージ
  • 相談のみ・特定業務に限定したスポット契約
  • freee・マネーフォワードなど、すでにクラウド労務ツールが整備されていて作業工数が少ない場合

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労務顧問の見積もりで確認すべき項目

見積書を受け取ったとき、月額料金だけを見て判断するのは危険です。後からの追加費用が積み重なって総コストが跳ね上がることもあります。以下の項目を必ず確認してください。

月額料金に含まれる業務の範囲

見積書に記載された月額が、どの業務をカバーしているかを具体的に確認します。

業務

含まれるケース

注意点

労務相談

ほぼ全プラン

月の相談回数・方法(電話・メール・チャット)に上限があることも

入退社手続き・社保申請

手続き込みプラン以上

件数が多い月は追加費用になる設定も

給与計算

BPO・上位プランが多い

従業員数で単価変動することが多い

勤怠管理

BPOの一部プラン

ツール連携の有無で工数・料金が変わる

就業規則整備

別料金が多い

新規作成・改定は都度見積もりになるケースが大半

相談回数・対応方法の上限

「相談し放題」と書いてあっても、実質的に月○回まで、メールのみ、といった制限が設けられているケースがあります。急ぎの手続きが発生したときに電話で相談できるかどうかは、契約前に必ず確認しましょう。

初期費用・導入費用の有無

月額料金とは別に、現状整理費・設定費・引き継ぎ費用が発生するサービスがあります。特に既存の事務所から乗り換える場合、過去データの移行費用がかかることもあるため、トータルの初年度コストで比較することが重要です。

契約期間と解約条件

最低契約期間(6ヶ月・1年など)や解約通知の期限(翌月末・2ヶ月前など)はサービスによって異なります。短期解約の条件と違約金の有無を事前に確認しておきましょう。

労務顧問の見積もりで追加費用になりやすい業務

月額顧問料に含まれる業務の範囲は限定的であることが多く、以下の業務は別途費用が発生するケースが少なくありません。これらの取り扱いを事前に確認しておくと、後からの想定外出費を防げます。

スポットで発生しやすい手続き

  • 年度更新(労働保険)・算定基礎届。毎年発生するが、月額に含まれないプランも多い
  • 36協定の届出。更新のたびに費用が発生するケースあり
  • 育休・産休の申請対応。発生頻度は低いが手続きが複雑で工数がかかる
  • 賞与計算。給与計算と別料金になっていることがある
  • 年末調整。対応範囲と費用を要確認

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内容によって割増になりやすいケース

  • 就業規則の新規作成・大幅改定。スポット対応で10〜30万円程度が相場
  • 助成金申請の代行。成功報酬型や別途見積もりが一般的
  • 労務トラブル・個別紛争の対応支援。弁護士費用とは別に労務側の費用が発生する場合も
  • 外国人雇用・在留資格申請。手続きが複雑なため専門対応費がかかる
  • M&A・事業承継時の労務デューデリジェンス。通常業務の範囲外として別途見積もりになる

費用対効果の考え方

「月5万円って高くない?」という感覚を持つ方も多いかと思います。ただ、比較する対象を変えると印象が変わります。

未払い残業の請求が来たら、どうなるか

残業代の請求は、労基法改正により最大3年分の遡及が可能になりました。仮に従業員5名から月2万円ずつ請求された場合、それだけで360万円。弁護士費用と社内対応コストを加えれば500万円を超えることもあります。就業規則や36協定の整備が不十分だったことが原因なら、顧問が関与していれば防げた可能性が高い案件です。月5万円の顧問料が「高い」かどうかは、この数字と比べればわかります。

経営者の時間は会社の中で最も高い

月10〜15時間を労務対応に使っているなら、それは経営者が最も苦手とする領域に、最も高い時間単価のリソースを投入している状態です。顧問に任せて空いた時間で1件の営業商談が決まれば、それだけで顧問料の元が取れることも少なくありません。

「何も起きていない」は「何も準備していない」と同義ではない

行政指導・是正勧告を受けた後の対応は、内容によっては対外的な信頼にも関わります。コンプライアンスへの意識が高まっている今、採用候補者や取引先が労務管理の状況を気にするケースも増えています。顧問料は保険料と考えると、費用の位置づけが見えてきます。

労務顧問と労務アウトソーシングの選び方

社労士顧問 vs 労務BPO:どちらが自社に合うか

向いているケース

社労士顧問

社内に労務・総務担当者が安定していて、日常の作業は回っているが、法改正の相談や手続きのサポートが欲しい会社。または従業員数が少なく、月次の処理件数も限られているケース

労務BPO

給与計算・勤怠管理を含む実務ごと外部化したい会社。専任担当者を採用・育成するコストをかけられない成長期のスタートアップや、労務部門を組織として持たない中小企業〜中堅企業

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選定チェックポイント5つ

  1. 顧問料に何が含まれているかが明文化されているか 「相談し放題」と書いてあるのに、実際には月3回まで、という契約は珍しくありません。含まれる業務・対応回数・追加費用の条件が契約書に明示されているかを必ず確認しましょう。
  2. 担当者は社労士資格を持っているか 窓口スタッフと実際に判断を行う担当者が異なる場合、回答が届くまでのタイムラグと、責任の所在の曖昧さが発生します。
  3. 自社で使っているクラウドツールに対応しているか freee・マネーフォワード給与・SmartHRなど、すでに導入しているツールがある場合、連携実績があるかどうかで引き継ぎコストが大きく変わります。
  4. スポット対応や業務追加の柔軟性があるか 育休手続きや年度更新など、年に数回しか発生しない業務のために高い固定顧問料を払い続けるのは非効率です。
  5. 自社の業種・規模の対応実績があるか IT・製造・医療・飲食では、労務管理の課題もよく使う手続きも違います。「うちの業界に詳しい人がいるか」は、面談時に直接確認してみましょう。

「安いから」で選んだ結果、起きること

月額1万円台のプランは魅力的ですが、「緊急の手続きが発生したが3日返事が来なかった」「担当者が変わるたびに情報の引き継ぎができていない」というケースは実際にあります。結果として、追加費用を払って別の事務所に依頼し直すことになれば、安さの意味がありません。価格は比較材料のひとつですが、対応速度・担当者の質・継続性を含めて総合的に判断することをおすすめします。

Remoba労務について

「社内に労務担当者を置くほどではないが、丸ごと任せられる外部の専門チームが欲しい」。そのニーズに応えるのが、Remoba労務です。

社労士監修のもと、BPO体制で労務実務を担当します。相談窓口だけではなく、給与計算・社会保険手続き・就業規則整備・勤怠管理まで、実務を動かすチームとして機能します。

対応業務の例

  • 入退社手続き・社会保険申請
  • 給与計算・賞与計算
  • 勤怠管理の運用サポート
  • 就業規則・各種規程の整備
  • 法改正対応

freee・マネーフォワード・SmartHRなどクラウド労務ツールにも対応しているため、既存の仕組みをそのままに、実務だけを外部化することができます。

まずは現状の課題と従業員数をお伝えいただければ、最適なプランとお見積もりをご案内します。

よくある質問

Q. 労務顧問の見積もり相場はいくらですか?

サービスの種類によって異なります。社労士への相談が中心の場合は月1〜3万円程度、手続き代行まで含む場合は月3〜8万円程度、給与計算・勤怠管理まで含む労務BPOは月5〜20万円以上が目安です。従業員数や対応業務の範囲によって変動するため、必ず複数社から見積もりを取って比較することをおすすめします。

Q. 労務顧問の月額料金には何が含まれますか?

サービスによって大きく異なります。「相談対応のみ」「手続き代行まで含む」「給与計算・勤怠管理まで含む」の3パターンが主流です。見積もりを受け取ったら、月額に含まれる業務の具体的な範囲・相談回数の上限・追加費用の条件を必ず書面で確認しましょう。

Q. 見積もりで追加費用になりやすい業務はどれですか?

年度更新・算定基礎届・36協定の届出・就業規則の新規作成や改定・助成金申請・年末調整などは、月額料金に含まれないケースが多いです。育休・産休申請や労務トラブル対応も、発生した場合は別途費用になることがあります。

Q. 社労士顧問と労務BPOはどちらが安いですか?

月額料金だけ見ると社労士顧問の方が安くなりますが、給与計算や勤怠管理を別途外部に依頼している場合はトータルコストが逆転することがあります。自社が何を外部化したいかを整理したうえで、業務範囲ごとの総コストで比較するのが正確です。

Q. 見積もりを依頼するときに準備しておく情報はありますか?

①従業員数(正社員・パート・アルバイト別)、②拠点数、③現在使用している給与・勤怠ツール、④依頼したい業務の範囲(相談のみ・手続き込み・給与計算なども含むか)、⑤現在困っている課題。この5点を事前に整理しておくと、より精度の高い見積もりが得られます。

まとめ

  • 労務顧問の費用は、相談のみで月1〜3万円、手続き込み顧問で3〜8万円、BPOは5〜20万円以上が目安。月額だけでなく、何が含まれるかを確認することが肝心
  • 未払い残業1件の解決コストは数百万円になることもある。顧問料はコストではなく、リスクへの備えとして見るのが正しい
  • 安さだけで選ぶと、緊急時に繋がらない・担当者の質がばらつくといった問題が起きやすい

「うちにはまだ早い」と思っている会社ほど、後から「もっと早く入れておけばよかった」という話をよく聞きます。まずは見積もりだけでも取ってみることから始めてみてください。

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この記事の監修者

辻田和弘のプロフィール画像

株式会社Enigol

辻田和弘

東京大学経済学部を卒業後、丸紅株式会社に入社し経理部にて事業投資案件の会計面での検討、支援を行う。また子会社の内部統制の構築、IFRS導入プロジェクト、全社連結会計システム導入プロジェクトに従事。現在は株式会社Enigolを創業し、Remoba経理全体の監修を行い、スタートアップから中小企業および大企業の経理業務の最適化オペレーションの構築を担う。

資格
公認会計士
税理士

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