レセプト業務は難しい?大変な理由と対策を紹介

レセプト業務は難しい?大変な理由と対策を紹介

医療事務更新日:2025-04-23

レセプト業務は難しい仕事であるというイメージがあります。レセプト業務は業務量が多く、専門性が要求されるため、大変さを感じる場面は多いです。レセプト業務が大変なために医療事務の離職率が高くなりやすい点は注意しなければいけません。本記事ではレセプト業務が難しい理由や対策について紹介します。

レセプト業務とは

そもそもレセプト業務とは何なのか、基本的な点について解説します。

診療報酬を請求するのに必要な明細書がレセプト

レセプトとは医療機関が保険者に診療報酬を請求するために提出する明細書です。保険診療を受ける際には、患者は医療費の一部のみを支払い、残りを保険者が支払います。医療機関は保険者から診療報酬を請求するためにレセプトを作成しなければいけません。
レセプトには診療報酬を計算するのに必要な情報が記載されています。入院や外来、調剤の各項目についての情報が記載されており、レセプトを確認すれば診療を受けた月や内容などの確認が可能です。レセプトに記載された内容は細かく審査されて、問題がなければ保険者から診療報酬が支払われます。
医療機関がレセプトを作成して提出するまでの一連の業務は、レセプト業務と呼ばれます。

レセプト業務の流れ

レセプト業務の主な流れは以下の通りです。
※詳細はこちら:レセプトとは?やり方や必要なスキル、注意点まで詳しく解説!
※レセプトの提出には「紙での請求」と「オンライン請求(電子レセプト)」の2種類があります。本記事では一般的な流れを紹介していますが、提出方法や差し戻し対応の詳細は請求方法により異なります。

  1. 診療情報をレセコンに入力する
  2. レセプトを作成する
  3. レセプトをチェックする
  4. レセプトを修正する
  5. 審査支払機関にレセプトを提出する

まず、レセプトを計算するベースとなる診療情報をレセコンに入力します。レセコンはレセプトを計算するための専用のコンピュータのことです。レセコンに入力した情報に基づいて1ヶ月分のレセプトを作成します。通常はレセコンが自動でレセプトを作成するため、それほど手間はかかりません。
作成されたレセプトは細かくチェックを行い、ミスがあれば修正する必要があります。場合によっては、医師に確認を取ってもらい、必要に応じて修正作業の依頼をしなければいけません。
レセプトのチェックを終えた後は審査支払機関へ提出し、レセプトの審査が行われます。審査の結果としてレセプトが差し戻されることはよくあり、その場合は精査した上で修正して再提出です。

レセプト業務は難しい?大変とされている理由

レセプト業務が難しいのにはさまざまな理由があります。レセプト業務が大変とされている理由について詳しく見ていきましょう。

業務量が多い

レセプト業務は業務量が多いため負担が大きい点が難しいとされています。
レセプトは1ヶ月毎にまとめて作成するケースが多いです。小さい規模のクリニックであっても、1ヶ月分のレセプトは膨大な量になります。保険診療を受けた患者の数だけレセプトを作成するのは大変な作業です。それぞれのレセプトについてチェックを行い、誤りや不備があれば修正をします。
また、医療事務はレセプト業務以外にもさまざまな仕事をしなければいけません。他の業務と並行してレセプト業務に取り組むことになるため、業務量が増えやすいです。

計算が難しい

レセプト作成業務では診療報酬の計算が難しい点が大変とされています。
診療の内容に応じて診療報酬点数が決められており、点数に基づいて診療報酬を算出しなければいけません。各診療行為の点数については定期的に見直しが行われるため、最新の制度の把握が必要です。
実際の業務ではレセコンに診療内容を入力すれば自動的に診療報酬は計算されます。ただし、自動計算された結果に誤りが含まれるケースがあるため、目視による確認も必要です。
レセプトをチェックする際には診療報酬の計算の仕方について基本的な点の理解が求められます。診療報酬の計算は煩雑になりやすいため、レセプト業務は難しい作業です。

ミスをした場合の影響が大きい

レセプト作成の業務はミスをした場合の影響が大きいため大変とされています。レセプトにミスがあると差し戻しされ、診療報酬を再請求しなければいけません。レセプトが受理されるまで診療報酬の受け取りが遅延するため、医療機関の経営に大きな影響を及ぼします。
レセプトの作成は医療機関にとって重要な業務であり、ミスが許されない仕事です。そのため、レセプトを担当する医療事務の負担は大きくなります。常にプレッシャーを感じながらレセプト作成に向き合うことを強いられるため、難しい仕事です。

専門的な知識が要求される


レセプトの作成は専門的な知識が要求される点で難しい仕事とされています。
レセプトの作成のためには診療報酬の制度について仕組みを理解していることが重要です。さらに病気や薬剤などの医療用語の知識も要求されます。さまざまな専門知識を持っていないと、正確なレセプトを作成するのは難しいです。
また、診療報酬に関する制度は定期的に改定されるため、常に最新の情報に精通することが求められます。知識のアップデートを定期的に行うことが必要であり、常に勉強をする姿勢が要求される仕事です。

レセプトの審査に通るのが大変

レセプトの審査は厳しくなっており、レセプトの担当者の責任は大きいです。レセプトの審査は全国統一ルールが設けられており、コンピュータやAIによるチェックが行われています。審査の精度が高まっていてミスや不備を指摘されるケースが増えているため、医療機関はレセプトの対策が必要になっているのが現状です。
厳しい審査に通るためのレセプト作成が要求されるため、レセプト業務の担当者の負担は大きくなっています。少しのミスや不備を見逃さずに見つけてしっかりと修正しなければならず、レセプトの作成は大変な業務といえるでしょう。

レセプト業務のよくある課題

レセプト業務について多くの医療機関が抱えている課題を以下にまとめました。

  • ヒューマンエラーへの対処
  • 人件費の増加
  • スタッフの教育
  • 労働環境

レセプト業務についてどのような課題が発生しやすいのか紹介します。

ヒューマンエラーへの対処

レセプト業務を進める上でヒューマンエラーへの対処は多くの医療機関にとって課題となっています。
レセプトの作成やチェックの際に人為的なミスが起きるケースは少なくありません。また、レセプトのベースとなる電子カルテの記録にそもそもミスが含まれているケースもあります。ヒューマンエラーが増えればレセプトが審査に通らなくなるため、医療機関の経営にとって大きなリスクとなるでしょう。
ヒューマンエラーを防止するための対策としてはマニュアルの作成や業務フローの見直し、教育・研修の実施などがあります。また、レセコンなどシステムの不具合によりレセプトのミスが生じるケースもあるため注意が必要です。

人件費の増加

レセプト業務に対応するために多くの人員が必要になるため、人件費が増加しやすいです。レセプトは単に作成するだけではなく、チェックや修正、返戻されたレセプトへの対応などの業務も発生します。レセプト業務の質を維持することは医療機関の収入に直結するため、人件費がかさみやすいです。
また、医療事務は離職率が高いため、定着率を高めるための施策にもコストがかかります。スタッフが離職する場合は、人員を補充するための採用コストも見込まなければいけません。
レセプト業務は医療機関を経営していく上で常に発生するため、人件費の削減は難しい課題になります。

スタッフの教育

レセプト業務を担当するスタッフの教育や育成が課題になる場合があります。医療事務の業務の質を維持できないとレセプトが査定・返戻されるケースが増えて医療機関にとって大きなリスクになるからです。
レセプト業務は専門性の高い仕事のため、スタッフのスキルを伸ばすための工夫が必要になります。多岐にわたる症例についてレセプト業務の進め方を理解する必要があり、短期間で必要なスキルを習得するのは難しいです。計画性を持ってスタッフの育成を進めることが重要になります。

労働環境

レセプト業務は大変な仕事のため、医療事務の労働環境が悪化しやすい点は大きな課題になります。労働環境の悪化が続くと離職者が増えるため、レセプト業務に割ける人員が不足するのが問題です。レセプト業務の質を維持できなくなれば、レセプトの査定・返戻が増えて、医療機関の収入減につながります。
医療事務の労働環境を改善するには、残業時間の削減や待遇の改善などが重要です。福利厚生を充実させる、特別休暇を増やすといった対策も効果があります。スタッフのモチベーションを向上させるための効果的な施策を実施できれば、離職率を下げられるでしょう。

難しいレセプト業務の対策

医療機関にとって対処が難しいレセプト業務について、どのような対策があるのか紹介します。

レセプト業務を効率化できるシステムの導入

レセプト業務を自動化できるシステムを導入すれば、業務効率化を実現できます。多くの医療機関で導入されているレセコンを活用すれば、診療報酬の算出やレセプトの作成などの自動化が可能です。
また、レセプトのチェック業務の効率化のために活用できるレセプトチェックソフトがあります。レセプトチェックソフトには病名や算定漏れなどを確認できる機能があり、レセプトを自動でチェックできるため便利です。
レセプト業務の効率化に活用できるシステムはたくさんあります。機能や操作性、コスト、サポート性などを考慮した上で最適なシステムを選びましょう。

マニュアルを整備する

レセプトの作成やチェックなどの業務についてマニュアルを整備しておくと業務効率化や業務の質の向上に寄与します。
マニュアルを整備しておくことでレセプト業務の品質が均一化されるのがメリットです。業務が属人化するのを避けられ、離職するスタッフがいたとしても影響を最小限に抑えられます。担当者が変わったとしても、マニュアルがあれば引き継ぎはスムーズになります。
ただし、マニュアルの内容は定期的に見直しをしておくことが大事です。診療報酬に関連する制度は定期的に法改正が行われます。また、業務で利用するシステムが変わるケースもあるため、必要に応じてマニュアルの内容を更新しましょう。

即戦力となる経験者を採用する

レセプト業務の品質に問題を抱えているならば、即戦力となる経験者を採用するという選択肢があります。レセプト業務について豊富な経験のある人材を採用すれば、業務品質や業務効率の向上を図れるのがメリットです。また、レセプト業務に対応できる人材を一から育成する手間やコストを削減できます。
ただし、医療事務は全国的に人手不足が続いているのが現状です。レセプト業務の経験がある人材は多くの医療機関で募集されていて競合と取り合う状態になるため、応募が集まらない可能性があります。採用競合よりも好条件を提示する必要があり、採用コストの負担が大きくなる点には注意が必要です。

外部業者にレセプト業務を外注する

レセプト業務の経験者を採用するのが難しい場合には、外部業者にレセプト業務を外注するという選択肢があります。医療事務のアウトソーシングサービスを利用すれば、レセプト業務を代行してもらうことが可能です。
レセプト業務を外注すると業務の品質が向上し、レセプトの返戻を減らせます。業務効率化を実現できて、医療スタッフの負担が軽減されるでしょう。医療スタッフはコア業務に専念できるようになり、医療サービスの質が向上します。レセプト業務を外注できれば、採用コストや人件費、教育コストなどの削減も可能です。
ただし、レセプト業務を完全に外注すると院内にノウハウが蓄積されなくなります外注先の都合でレセプト業務が滞るリスクがある点にも注意が必要です。

まとめ


レセプト業務は医療の知識や法制度の理解など専門性の高さが求められるため難しい仕事です。レセプト業務はミスをすると医療機関の経営に影響するため、大きな責任が求められる点も大変とされています。
レセプト業務はスタッフの教育や人件費、ヒューマンエラーの発生など課題が生じやすいです。マニュアルの整備や経験者の採用、外注の利用などによって、レセプト業務に関する問題を解決できます。レセプト業務の外注を考えているならば、Remoba医療事務がおすすめです。
レセプト業務が高い精度で行われるようになれば、医療機関の収入は安定して、社会的な信頼も増します。本記事を参考にして大変なレセプト業務の問題を解決しましょう。

この記事の監修者

柳沢智紀のプロフィール画像

株式会社Enigol

柳沢智紀

株式会社リクルートホールディングスでWEBマーケティング業務および事業開発を経験し、アメリカの決済会社であるPayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。対話型マーケティングによる顧客育成から売上げアップを実現するsikiapiを開発。

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