経理はこのように様々な仕事をしていますが、日次・月次・年次によって行う仕事内容が変わってきます。業務を日次・月次・年次別に見てみましょう。
日次の業務
会社には日々お金の動きがあります。その毎日動くお金の管理を日次で処理していきます。日次の業務には何があるのでしょうか。
領収書の整理・入力
会社では毎日、交通費や交際費、通信費、新聞図書費など様々な経費が発生します。この経費が発生する際には領収書を発行します。この領収書を整理し、管理する仕事です。ファイルやノートにわかりやすくまとめて保管しておくと、入力の際に便利です。
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出納帳への記録
日々の入出金を出納帳に記録することも経理の仕事です。いつ、どこから、なんのために出入りしたお金なのかを可視化することで、お金の流れを把握しやすくなります。出納帳は現金出納帳と預金出納帳の二つに分けられます。現金出納帳は現金の出入りを「日付」「勘定科目」「摘要」「収入・支出金額」「差引残高」ごとに記録します。また、会社は現金だけでなく、銀行口座を使うことも多いです。その際には現金の時と同じように預金出納帳に記録をします。
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経費の処理
交通費や出張費、交際費などの支出は社員が先に立替える場合が多いです。その建て替えたお金は、社員が領収書を会社に提出し、その後社員に会社から支払われます。この提出された領収書に不備がなく、適切なものかをチェックします。正しく処理されれば、社員に支払いをします。また、提出された領収書をまとめ、管理します。
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月次の業務
月次の業務には日々のお金の流れをいったんまとめ、年次での最終的な決算をスムーズに行えるようにする役割があります。
給与計算
従業員に支払う給与を計算し、支払う仕事です。従業員それぞれの給与額に応じて、給与明細を作り、銀行口座に支払うまでを行います。給与計算は勤務時間や住民税、所得税、社会保険料などを考慮した上で行われます。計算ミスに注意しなければいけません。
売掛金処理
普通、取引における代金の支払いはその場での現金払いではなく、期日を定めて、あとでまとめて支払う方法が一般的です。商品を売った場合、あとから払われるお金を売掛金と言います。簡単に言うと、債権のことです。この売掛金は月ごとに回収することが多いです。取引内容を請求書にまとめ、取引先に支払いを請求します。入金が確認できたら、得意先元帳帳などに記録します。
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買掛金処理
上記の売掛金の逆で、商品を買った場合にあとで払うお金を買掛金といい、その処理をします。取引先から請求書が届いたら、振替伝票を作成し、買掛金の支払いをします。支払いが完了したら、仕入先元帳に記録をします。
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試算表の作成
年次の業務として、年度末に一年の決算をします。これをスムーズに行うためには、月ごとにまとめておくことが必要です。そこで、月ごとの試算表を作成します。月ごとの試算表を作成するメリットとして、その時点での経営状態が明らかになり、よりタイムリーな情報がわかることが挙げられます。また、月次の売掛金の未回収や原因不明のお金の存在に早く気づくことができます。
年次の業務
年次決算
一年に一度決算を行い、その決算書を作成します。月次決算とは違い、年次決算は全ての株式会社が義務付けられています。経理の仕事のなかででいちばん重要な仕事と言っても過言ではありません。一年間の帳簿等を確認して決算書を作成します。決算書が作成されると、取締役会や会計監査による確認を経て、株主総会で報告されます。
税務申告
年次決算の後に、支払うべき税金を計算し、税務申告をします。申告する税には法人税、法人住民税、法人事業税、消費税などがあります。
賞与の支払い
賞与とはいわゆるボーナスのことです。毎月の給与とは別に年に何回か賞与が支払われます。これは従業員の実績や会社の業績に応じて決まります。一般的には夏と冬に二回支払われます。