1. 現金出納帳のボリュームダウンで経理を効率的に!目指せキャッシュレス化
現金出納帳のボリュームダウンで経理を効率的に!目指せキャッシュレス化

現金出納帳のボリュームダウンで経理を効率的に!目指せキャッシュレス化

経理 更新日:
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クラウド会計の普及により、インターネットバンキングやクレジットカードといったオンライン上にデータが記録される取引は、会計ソフトと簡単に連動でき、経理処理を自動化することができるようになりました。会計仕訳は自動化が一般的なものになりつつありますが、まだまだ自動化がすすまない部分もあります。それが現金取引です。

目次

この記事では、現金を極力使わずキャッシュレス化を進める社内経費精算フローの構築を、3つのステップに沿って紹介します。現金出納帳作成にかかる作業工数を削減し、空いたリソースをコア業務に集中させましょう。

STEP1 小口現金の廃止

経理処理を効率化するのに一番理想的なのは極力現金を使用しないこと、つまり現金出納帳のボリュームを抑えることです。現金を使用するとどうしても無駄な工数が発生してしまいます。領収書から一つ一つ会計ソフトに入力することはかなり効率が悪いと言えます。

まず初めに行うことは、なんといっても小口現金を廃止することです。社内に金庫を置くことで、現物管理も必要になり、セキュリティ上も常に不安がつきまといます。小口現金を廃止すれば、セキュリティ上の問題はなくなります。また、毎日の帳簿と現金残の突合作業もなくなります。釣銭を考慮した金種の用意も不要となり、経理担当者の業務を削減することができます。

まずは、過去の現金入出記録から、社内でどのような現金取引が発生しているのか洗い出しましょう。 多いのは、切手や印紙など郵便関係の経費、国、地方自治体に対する証明書等の交付手数料、また立替経費などではないでしょうか。

料金後納サービスを利用する

切手の購入に関しては、郵便局の料金後納サービスを利用しましょう。料金後納サービスは、郵送にかかる切手代を一カ月まとめて、翌月に一括払いできるサービスです。切って購入にかかる小口現金での都度対応を行う必要がなくなり、経理業務の手間を省けます。料金後納サービスは、最寄りの郵便局で簡単に手続きできます。

参考:料金後納について

クラウド電子契約システムを利用する

収入印紙に関しては、利用場面は契約書、見積書、領収書への配布がメインではないでしょうか。印紙税は、紙で作成された課税文書を印刷・交付したときにかかる税金のため、電子契約システムを導入することで、収入印紙が不要になり経費削減につながります。近年は、IT化の発達と法整備により、電子契約システムが普及し始めています。代表的な電子契約システムは、弁護士ドットコム運営の電子契約サービス「クラウドサイン」です。クラウドサインは電子契約サービスにおいて累計登録者数がナンバーワンで、非常に多くのユーザーが利用しています。

参考:クラウドサイン

e-tax、eltaxを利用する

また、経理部においては納税証明書などの税金関係の証明書が必要になり、納付時に現金対応を求められることがあります。その場合も、国税庁や地方自治体が運営する、無料のオンラインサービスe-tax、eLtaxを使えば、ネットバンクと連携して交付手数料の納付が可能です。直接、税務署や役所に行く手間も省けます。

参考:e-tax

参考:eLTAX

登記ねっとを利用する

登記簿謄本や、印鑑証明書が必要になった場合、法務局へ行って発行すると、現金での手数料の支払いが必要となります。その場合も無料の「登記ねっと」を使えば、現金対応が不要となります。登記ねっとは、正式名称は「登記・供託オンライン申請システム」といいます。このシステムを通して登記等に関連する手続きを行うことができ、法務局へ行く手間も省けます。

参考: 登記・供託オンライン申請システム

以上、ここまでが、社内対応で頻出の現金支払いに関する廃止方法の説明でした。ここまでの説明で、「そうは言っても、小口現金を廃止すると、従業員が立て替えて対応しないといけない場面が増えそうだ」とお考えの方もいるでしょう。小口現金の廃止により、しわ寄せが従業員にいってしまっては本末転倒です。業務効率化を推進する際は、社内全体がその恩恵を受けるよう設計する必要があります。

STEP2  法人カードの導入

小口現金の廃止後は、従業員の立替経費の精算方法を見直しましょう。仮払を廃止し、立替経費を月1回、給与振込にて精算する、というやり方を行っている会社もありますが、これだと従業員側の立替負担を増やすことになります。そこでおすすめするのが法人カードの導入です。

法人カードを導入するメリットは、従業員にとっては立替負担を減らせること経理担当社にとっては、だれがいつどこで支払いをしたか、どんな内容の経費か、経理担当者がカード明細を見てすぐに把握できることです。カード明細に不適切な内容の経費が含まれる場合、その分を給与天引き等により取り下げる事も可能です。また、カードと会計システムを連携することで、経理データの自動取込が可能となります。

導入にあたり、まずは仮払の対象従業員や、立替経費の多い従業員を洗い出しましょう。人数が多ければ多いほど、法人カードの発行枚数が必要になるため、追加カードの発行上限数を考慮する必要があります。

また、立替経費がどんな用途で発生しているのかを把握することも重要になってきます。交通費精算がメインなのか、日常的に高速道路などの有料道路を使っているのか、会議費や接待費など飲食代が多いのか、自社の経費の発生状況に合ったカードを選択する必要があります。

法人カードは、たくさんの種類が世に出回っており、どれを選べばいいのか、自社に合うカードを選択するのにかなりの労力を要します。そこで、代表的な法人カードを三つ紹介します。

コストパフォーマンスに優れた「JCB一般法人カード」

JCB一般法人カードは追加カードの発行枚数に上限がないため、大勢の従業員に配るのにもっともおすすめの法人カードです。ただし、一般ランクの法人カードなので、利用限度額の上限をよく確認しての使用が必要です。各従業員が利用できる金額に上限を設けるなど、社内ルールの整備が必要になりますが、従業員側の経費削減意識を高めることにもつながりそうです。

参考:JCB一般法人カード

交通費精算が多いなら「ビュー法人カード」

ビュー法人カードはクレジット決済によるSuicaへのチャージができる唯一の法人カードになります。従業員の出張や電車移動が多い会社では、交通費精算業務も煩雑になります。ビュー法人カードにより、カードから直接Suicaへのチャージができれば、精算業務の効率化に大いに役立ちます。もちろん経理処理もSuicaの利用明細をクラウド会計と連動させることで自動取り込みが可能となります。(別途システム導入が必要)

参考:ビュー法人カード

電子マネー利用なら「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」

最近は、政府の後押しでキャッシュレス化が進んでいることから、電子マネー機能を付帯している法人カードも、数は少ないですが存在します。電子マネー機能付きの法人カードを導入すれば、決済をよりスピーディに済ますことが可能になります。 

また、電子マネーを利用すると、ポイント還元など、現金使用にはない経済的メリットがあります。発行しているカード会社は限られていますが、その中でも、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、3種類の電子マネーが活用できる貴重な法人カードです。法人カードの中でも唯一「iD」「QUICPay」「Apple Pay」と3種類の電子マネーが利用できるカードです。カード紐づけ型ですので、法人カードの請求と同じように請求されます。法人口座から引き落としが行われるので、精算の手間がなく、経費処理の際も、利用明細を確認すればどこで利用したのかが分かり便利です。クラウド型の会計ソフトと紐づけすれば、帳簿に自動で反映されるので、少額の精算・経費処理の手間を抑えることができます。

参考:セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

以上、代表的な三つの法人カードをご紹介しました。自社の用途に合った最適な法人カードを選択したいですね。ただ、法人カードは、うまく運用ルールを決めておかないと不正利用につながりやすいというデメリットもはらんでいます。電子マネーは、手軽に精算できる反面、悪意なく、プライベートな支出と混同してしまう事も充分に考えられます。

手軽に決済ができる仕組みを取り入れる際には、運用ルールを決めることが重要です。ただし、運用ルールが複雑になればなるほどチェックする方も大変になるので、併せて経費精算システムを導入することをおすすめします。法人カードと経費精算システムを併せて活用することで、業務効率化と、経費削減効果を実現できます。

STEP3 経費精算システムの導入

立替経費精算を行う際、経費精算の申請書類に金額を手入力し、領収書を一枚一枚糊付けする作業は、従業員にとってかなりの負担です。経費使用のルールが細かく設定されていると、書類を目視でチェックする経理担当者にとっても負担も大きくなってしまいます。また、社内での承認フローが多いと、申請者、経理担当者、承認者、どの立場にとってもコミュニケーションコストがかかり負担となってしまいます。

そこでおすすめするのが、経費精算システムを取り入れる方法です。経費精算システムを導入することで様々なメリットが得られます。

従業員の業務効率化

経費精算システムには、交通系ICカードを読み込んで入力するサービスがあります。交通移動の多い従業員にとって一つ一つ入力する手間が省けます。また、スマートフォンでの経費入力が可能となるため、移動時間などの隙間時間を利用して作業することもできます。領収書(レシート)をスマートフォンのカメラで撮影するだけで金額などのデータを読み取り、経費精算申請フォームへの入力を簡略化できます。電子帳簿保存法に対応した経費精算システムであれば、領収書(レシート)をスマートフォンで撮影するだけで電子化することができるので、別途、原本を糊付けして提出する作業も不要となります。

経理担当者の業務効率化

経費精算システムに、従業員の定期区間情報を事前登録しておくことで、従業員が申請した交通費から、定期区間の重複があれば自動控除をしてくれるので、チェックの手間が大幅に削減されます。 

また、経費精算システムの多くはWeb、スマートフォン上での申請・承認ができることに加え、社内規定との自動照合機能により、規定違反などを速やかに発見できます。例えば、会社定休日に発生している経費や、利用上限額を超過した交際接待費、事前申告なしの経費支出を抽出したりなど、経理担当者のチェックにかかる時間を削減します。

会計ソフトと連携しているシステムを利用することで、自動で仕訳されるので、勘定科目を決める必要もなく手入力作業からも解放されます。振込データを自動作成し、インターネットバンキングに取り込むことも可能です。

承認者の業務効率化

経費精算システムを取り入れる前までは、申請がもれている従業員への督促や、申請内容に誤りがあって差し戻しとなった場合の連絡、再度申請しなおしてもらうために上長印が必要になったりと、社内で無駄なコミュニケーションコストが発生していました。経費精算システムを使えば、Web上で簡単に差し戻すことができ、従業員のスマートフォンに通知が届くので、すぐに修正対応してもらうことが可能です。また、出張等で忙しい上長も、スマートフォン上での承認が可能です。圧倒的にコミュニケーションコストの削減が図れます。経費精算システムにデータが蓄積すればするほど、未来の経費支出額を予測できる分析機能にすぐれたシステムも存在します。

経費精算システムの導入により、従業員、経理担当者、会社全体にとって大きなメリットをもたらすことができます。

ここまで、経費精算システム導入のメリットをお伝えしてきましたが、もちろんデメリットもあります。それは、自社に合う経費精算システム選びの難しさです。

今、世の中では、沢山のITシステムが開発され、新しい製品がどんどん生み出されています。その中から、自社に最適なシステムを選択するためには、既存の会計システムとの相性、別の業務ソフトとの連携というシステムの全体設計から業務フローの最適化を考えて選んでいく必要があります。また、システムを導入して終わりではなく、導入後もPDCAサイクルを回し、改善を計っていくことが必要です。

導入に向けての労力はかかりますが、自社にあったシステムを選択でき、効果的な業務フローを構築できれば、業務効率は間違いなく飛躍的に上がります。

まとめ

以上、現金出納帳作成の手間を削減するためのキャッシュレス化の推進方法として

小口現金の廃止
法人カードの導入
経費精算システムの導入

の3つのSTEPをお伝えしました。

政府のDX推進により、キャッシュレス化の流れがますます加速していくことが予想されています。今後は、給料もキャッシュレス化へ移行することが考えられます。各従業員の銀行口座振り込みの際にかかる振込手数料を削減でき、キャッシュレスポイントもたまるという経済的利益を考えると、将来的には電子マネーで給与を支払う流れになっていくのではないでしょうか。

まずははじめの一歩として、現金出納帳のボリュームを抑えていくという身近なところから、積極的にキャッシュレス化の仕組みを構築していきましょう。

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この記事の監修者

辻田 和弘のプロフィール画像

株式会社Enigol

辻田 和弘

東京大学経済学部を卒業後、丸紅株式会社に入社し経理部にて事業投資案件の会計面での検討、支援を行う。また子会社の内部統制の構築、IFRS導入プロジェクト、全社連結会計システム導入プロジェクトに従事。現在は株式会社Enigolを創業し、Remoba経理全体の監修を行い、スタートアップから中小企業および大企業の経理業務の最適化オペレーションの構築を担う。

資格
公認会計士
税理士
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