1. 買掛金って何?どれぐらい大事?どう管理すれば良い?
買掛金って何?どれぐらい大事?どう管理すれば良い?

買掛金という言葉を聞いたことがあるでしょうか。こちらは勘定科目(日々の取引を帳簿に記入する時に使われる科目)の一種であり、会計・経理において非常に重要な意味をもつものです。この記事では、買掛金という科目の意味やそれの持っている重要性、さらには管理の難しさや、似た用語との意味の違いについて紹介します。

目次

買掛金とは

買掛金とはどういったものを指すのでしょうか。

買掛金の意味

買掛金(かいかけきん)とは、一言でいえば「代金の支払い義務」のことです。商品、原材料などの買入(仕入)や、サービスの受注、外注加工の依頼などによって生じた買入代金のうち、まだ支払いがおこなわれていない部分の金額を指します。なお、固定資産の購入や建設費用については、買掛金には含まれません。買掛金とは、あくまでも「通常の営業活動」において発生した買入代金の、未払部分のことをいうものです。そして、通常は一ヶ月に一度程度、取り決めされた日に代金の支払いを行います。支払いが完了した時点で、買掛金の消込仕訳をおこなう必要があります。

買掛金はお金を支払う義務であり、負債です。そのため、貸借対照表の貸方側、負債の部に記載されます。先述した通り、基本的には一か月スパンというように、1年以内に支払いの行われる「流動資産」であるため、負債の部の上部に記載されています。なお、「負債」という言葉に悪いイメージがあるかもしれませんが、決してマイナスなものとは限りません。買掛金としておけば、現金が実際に出ていくまで一定の猶予があります。そのため、買掛金の期間(スパン)が長いほど資金繰りは改善するといえます。

買掛金の仕訳例

買掛金の仕訳例は、以下の通りです。

(1)商品を15,000円分仕入れ、代金は掛けとした。

 借方科目   金額   貸方科目   金額 
  仕入   15,000   買掛金   15,000

先述した通り、買掛金は負債であるため、貸方側に記載します。相手勘定は主に「仕入」となります。

2)(1)で発生した買掛金15,000円を現金で支払った。

 借方科目   金額   貸方科目   金額 
  買掛金   15,000   現金   15,000

買掛金を消し込む際は、計上したときとは反対に借方側に記載します。

買掛金の重要性

買掛金は、経理において非常に重要な意味を持っています。何よりもまず、「営業取引」という、企業において最も重要な意味を持つ取引に関する未払金額を指すものです。メインの事業に関連する買入代金のため、取引件数が多く、金額も大きくなることが多いです。そのため、企業が営業活動を行うにあたって重要な科目だと言えます。

信用失墜に繋がってしまう

また、営業取引ということで、取引先が多大になることも多いです。そのため適切な管理を行わないと計上漏れや支払い漏れを起こすことにも繋がります。これらが発生してしまうと、企業の信用失墜に繋がり、その後の営業活動に良くない影響を与えてしまうことになります。

監査時の重要性

そして、監査において最も重視される点は、「全ての仕入れ先との取引が適切に処理されているか」という部分です。なぜなら買掛金に計上漏れがあると、その分仕入代金(経費)が小さくなり、利益の水増しに繋がるからです。意図的なものであってもそうでなくても、利益の水増しというのは絶対におこなってはいけない行為です。監査で利益の水増しを指摘されてしまうというのは、企業の今後の活動に悪い意味で大きく影響してしまうことなので、絶対に起こしてはいけません。

このように、買掛金は非常に重要な意味を持つ科目であり、その管理には細心の注意を払う必要があります。

買掛金管理の難しさ

先述したように、買掛金は経理において非常に重要な意味を持ち、細心の注意を払う必要がありますが、その管理は非常に難しいものです。

買掛金の管理には通常「買掛金元帳(仕入先元帳)」と呼ばれる、買掛金の発生や支払いについて記録していくための台帳をつけることが必要になります。これは、取引先ごとに買掛金の発生や支払いを記録していく台帳のことをいい、日商簿記検定3級レベルの知識があれば作成できるものです。

取引先から営業取引に関する請求書が届いた時点で、帳簿に仕訳を計上するとともに、買掛金元帳への記入を行います。これだけであれば大して難しくないように思えるかもしれません。ですが、取引先や取引量が多く、さらに金額が大きいとそれだけでミスのしやすさに繋がります。また、請求書が到達した時点ですぐに反映させないと、漏れや計上忘れをしてしまう恐れもあります。

また、取引先ごとに元帳を分けるのはもちろん、同じ取引先であっても商品の種類や違えばそれがわかるように記入をする必要があります。

さらに、仕入返品や値引きといった、イレギュラーな事態も漏らさず記録する必要があります。通常取引ではあまり発生しない事態が起こると、それだけでミスの確率が上がるため、普段以上に細やかな注意を払う必要があります。

このように、買掛金元帳は、記入に必要な知識事態はあまり難しいものではないのですが、その作成や管理には細心の注意を払い、慎重におこなう必要があるものです。

売掛金・未払金との違い

続いて、買掛金と混同しがちな「売掛金」と「未払金」について説明します。

売掛金とは

まず「売掛金(うりかけきん)」とは、買掛金の逆で、「代金の受け取り権利」のことを言います。商品やサービスの提供など、通常の営業取引によって生じた売上代金のうち、まだ支払いを受けていない金額のことを指します。

同じような言葉で「未収金」という言葉もありますが、こちらは営業取引以外によって生じた代金のうち支払いを受けていないものを指します。営業取引であるか否かが、使い分けのポイントであるといえます。

売掛金の発生は、売上商品を納めた時やサービスの提供が完了した時におこなわれます。買掛金とは逆で、請求書を取引先に送る必要があります。

また、売掛金も買掛金と同様に金額や取引先、取引数自体が多くなりがちであり、さらに監査上重要な役割を持ちます。売掛金の場合、発生していない取引を計上するという「架空計上」をおこない、利益を水増しするという手段が取られることがあり、監査においてはそれらが発生していないかを厳密にチェックされます。買掛金のような漏れと違い、こちらは意図的に計上されることがほとんどなため、ミスというよりは悪意をもった計上であることが多いですが、注意が必要なことには代わりありません。

そして、買掛金同様に、取引先ごとの売掛金の発生や残高を管理するための「売掛金元帳」の作成・管理が必要となります。こちらも取引数や金額が大きくミスが起こりやすいため、管理には細心の注意が必要であると言えます。売掛金はお金を受け取る権利であり、資産です。そのため資産の部に記載することになります。通常は1年以内に支払いがおこなわれる流動資産であるため、資産の部上部に記載されます。売掛金は買掛金とは逆で、代金回収期間(スパン)が短いほど、資金繰りが改善します。

売掛金の仕訳例

売掛金の仕訳例は、以下の通りです。

(1)サービスを提供し、15,000円を売り上げ、代金は掛けとした。

 借方科目   金額   貸方科目   金額 
  売掛金   15,000   売上   15,000

先述した通り、売掛金は資産なので借方側に記載します。相手勘定は通常「売上」となります。

(2)(1)で発生した売掛金15,000円を、現金で受け取った。

 借方科目   金額   貸方科目   金額 
  現金   15,000   売掛金   15,000

売掛金の消込時には、計上時とは逆で貸方側に記載します。

未払金とは

一方で「未払金」とは、営業取引以外で生じた代金のうち、まだ未払いであるものを指します。先程取り上げた「未収金」の反対の意味を持つ科目です。

買掛金との違いは、営業取引であるか否かである、といえるでしょう。例えば、従業員の給与や、備品・消耗品の購入、固定資産の購入、税理士や弁護士への報酬の未払い金額等が挙げられます。買掛金や売掛金と違って特別な元帳で管理する必要まではありませんが、計上漏れやミスを起こしてはいけないことは言うまでもありません。また、様々な支払いがこちらの科目に振り分けられるため、仕訳や消込、管理の際に注意する必要があります。

こちらも通常は1年以内に支払いがおこなわれるものであるため、負債の部のうち、流動負債の部に記載されます。

未払金の仕訳例

未払金の仕訳例は、以下の通りです。

(1)従業員のノートパソコンを90,000円で購入し、代金は後日支払うこととなった。

 借方科目   金額   貸方科目   金額 
備品・消耗品費   90,000   未払金   90,000

先述した通り未払金は負債であるため、発生時には貸方側に記載します。相手勘定は支払い内容によって様々ですが、今回の場合は、ノートパソコンは消耗品として計上されるため、「備品・消耗品費」の科目を使っています。

(2)(1)で発生したノートパソコンの購入代金を現金で支払った。

 借方科目   金額   貸方科目   金額 
  未払金   90,000   現金   90,000

消込時には発生時とは逆で、借方側に記載します。

このように、買掛金は売掛金や未払金のように類似する意味の科目が多く、処理が煩雑になりがちですが、これらをしっかりと使い分ける必要があるといえるでしょう。

まとめ

買掛金は、仕入れや外注加工の依頼といった営業取引によって生じた代金のうち、まだ支払っていないもの、つまりは代金を支払う義務を指します。商品やサービスを提供したことによって生じる代金受け取り権利である「売掛金」や、営業取引以外によって生じる「未払金」とは明確に区別する必要があります。

買掛金は会社の経理において非常に重要な役割をもつものであり、正確な管理が必要となります。しかし、その管理はとても煩雑なもの。日々の記録が非常に重要で、ミスは許されません。そのため自社で買掛金のすべてを管理しようとすると、それだけでだいぶ労力が割かれてしまうことになります。

ですが、経理代行サービスであるRemobaに買掛金管理を任せれば、正確で適切な買掛金管理が可能ですし、その分の労力を他に費やすことが可能になります。煩雑で大変で、しかしとても重要な意味をもつ買掛金の管理、Remoba経理にまかせてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

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株式会社Enigol

辻田 和弘

東京大学経済学部を卒業後、丸紅株式会社に入社し経理部にて事業投資案件の会計面での検討、支援を行う。また子会社の内部統制の構築、IFRS導入プロジェクト、全社連結会計システム導入プロジェクトに従事。現在は株式会社Enigolを創業し、Remoba経理全体の監修を行い、スタートアップから中小企業および大企業の経理業務の最適化オペレーションの構築を担う。

資格
公認会計士
税理士
Remoba経理トップ

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