買掛金とは?売掛金・未払金との違いと仕訳例・管理方法をわかりやすく解説

買掛金とは?売掛金・未払金との違いと仕訳例・管理方法をわかりやすく解説

経理更新日:2026-05-20

買掛金とは、仕入れや外注加工など通常の営業取引で発生した代金のうち、まだ支払いが済んでいない金額を指す負債科目です。似た言葉に「売掛金」「未払金」がありますが、それぞれ意味が異なります。 この記事では、買掛金の意味・仕訳例・管理方法から、売掛金・未払金との違いまでをわかりやすく解説します。

買掛金とは

買掛金(かいかけきん)とは、商品・原材料の仕入れや外注加工の依頼など、通常の営業活動によって生じた買入代金のうち、まだ支払いが行われていない金額のことです。

なお、固定資産の購入や建設費用は買掛金には含まれません。あくまでも通常の営業活動において発生した未払代金が対象です。

買掛金はお金を支払う義務であるため、負債に分類されます。通常は 1 か月に 1 度など取り決められた日に支払いを行い、支払い完了後に消込仕訳を行います。

貸借対照表上では負債の部、かつ 1 年以内に支払いが行われる流動負債として記載されます。「負債」という言葉にマイナスのイメージを持つ方もいますが、買掛金の支払いサイクル(スパン)が長いほど手元資金に猶予ができるため、資金繰りの改善につながるという側面もあります。

関連記事:貸借対照表の見方・書き方をチェック!損益計算書との違いは?

買掛金の仕訳例

買掛金の基本的な仕訳例は以下の通りです。

関連記事:【経理の必須知識】簿記の要「仕訳」と「勘定科目」をマスターしよう!

(1)商品を 15,000 円分仕入れ、代金は掛けとした。

借方科目

金額

貸方科目

金額

仕入

15,000

買掛金

15,000

買掛金は負債であるため、発生時には貸方側に記載します。相手勘定は主に「仕入」となります。

(2)(1)で発生した買掛金 15,000 円を現金で支払った。

借方科目

金額

貸方科目

金額

買掛金

15,000

現金

15,000

消込時には発生時と逆に借方側へ記載します。これにより買掛金残高がゼロになります。

買掛金の重要性

買掛金は経理において非常に重要な科目です。メインの事業に直結する仕入・外注代金を管理するものであり、取引件数が多く金額も大きくなりやすいという特性があります。

信用失墜につながるリスク

買掛金は取引先ごとに発生するため、管理が不十分だと計上漏れや支払い漏れが起こります。取引先への支払いが遅延・漏れた場合、企業の信用失墜につながり、その後の営業活動にも悪影響を与えます。

資金繰りの観点からも、買掛金の残高を正確に把握していないと、いつどれだけの支払いが発生するかが見えなくなります。売上があっても手元現金が不足する「黒字倒産」を防ぐためにも、買掛金の正確な管理は欠かせません。

関連記事:黒字倒産とは?なぜ起こるのか、実例をもとに解説 キャッシュフローを理解しよう

監査時の重要性

監査において最も重視される点は、「すべての仕入先との取引が適切に処理されているか」です。買掛金に計上漏れがあると、その分の仕入代金(費用)が小さくなり、利益の水増しにつながります。意図的かどうかにかかわらず、利益の水増しは絶対に行ってはいけない行為です。監査で指摘されれば、企業の信頼性に深刻なダメージを与えます。

買掛金の管理方法

買掛金元帳とは

買掛金の管理には、**買掛金元帳(仕入先元帳)**と呼ばれる台帳の作成が必要です。取引先ごとに買掛金の発生・支払い・残高を記録していくもので、全取引を記録する総勘定元帳を補助する「補助元帳」に位置づけられます。日商簿記 3 級レベルの知識があれば作成できます。

会計ソフトを使用している場合は、補助科目を設定することで買掛金元帳が自動的に作成されます。

請求書受領から消込までの流れ

買掛金の管理は以下のステップで進みます。

STEP 1:請求書の受領・照合 取引先から請求書が届いたら、発注書・納品書と金額・品目・数量を照合します。不一致があれば取引先に確認します。

STEP 2:仕訳の計上 内容を確認したら、速やかに帳簿へ計上します。受領してから時間が経つと漏れや計上忘れのリスクが高まるため、受領当日中の処理が理想です。

STEP 3:支払い処理 取り決めの支払日に振込等で支払いを実行します。複数の取引先がある場合は、支払一覧表を作成して漏れがないか確認します。

STEP 4:消込仕訳 支払いが完了したら、発生時と逆の仕訳で買掛金を消込みます。消込後に残高がゼロになっているか確認します。売掛金・未払金との違い

管理上の注意点

取引先・取引量が多いほどミスが発生しやすくなります。特に以下の点に注意が必要です。

  • 仕入返品・値引きの処理:イレギュラーな取引が発生した場合、通常とは異なる仕訳が必要になります。見落としやすいため、発生時に即座に記録することが重要です。
  • 同一取引先の複数商品管理:同じ取引先であっても商品の種類が異なる場合は、それがわかるように元帳へ記入します。
  • 月次での残高確認:月末時点で買掛金残高を取引先ごとに確認し、未払いの金額と請求書が一致しているかチェックします。

続いて、買掛金と混同しがちな「売掛金」と「未払金」について説明します。

売掛金・未払金との違い

売掛金とは

売掛金(うりかけきん)とは、買掛金の反対で「代金を受け取る権利」のことです。商品の販売やサービスの提供など、通常の営業取引によって生じた売上代金のうち、まだ受け取っていない金額を指します。

営業取引以外で生じた未回収代金は「未収金」として区別します。

売掛金は資産であるため貸借対照表の資産の部に記載されます。回収サイクル(スパン)が短いほど資金繰りが改善します(買掛金の支払いサイクルが長いほど資金繰りが改善するのと逆の関係です)。

売掛金でも買掛金同様に、取引先ごとの残高を管理する「売掛金元帳」の作成・管理が必要です。また、発生していない取引を計上する「架空計上」による利益水増しが監査上チェックされる点でも、管理の重要性は買掛金と変わりません。

売掛金の仕訳例

(1)サービスを提供し、15,000 円を売り上げ、代金は掛けとした。

借方科目

金額

貸方科目

金額

売掛金

15,000

売上

15,000

売掛金は資産なので発生時には借方側に記載します。相手勘定は通常「売上」です。

(2)(1)で発生した売掛金 15,000 円を現金で受け取った。

借方科目

金額

貸方科目

金額

現金

15,000

売掛金

15,000

回収時には発生時と逆で貸方側に記載します。

関連記事:売掛金とは?買掛金、未収金との違いや一連の流れ、仕訳例も紹介

未払金とは

未払金とは、営業取引以外で生じた代金のうち、まだ支払いが済んでいないものを指します。買掛金との違いは「営業取引かどうか」の 1 点です。

未払金の主な例として、従業員の給与・備品や消耗品の購入・固定資産の購入・税理士や弁護士への報酬の未払分などが挙げられます。買掛金や売掛金と異なり、専用の元帳で管理する必要はありませんが、科目の使い分けを正確に行い、計上漏れを防ぐことが重要です。

未払金も 1 年以内に支払いが行われるため、負債の部の流動負債に記載されます。

未払金の仕訳例

(1)従業員のノートパソコンを 90,000 円で購入し、代金は後日支払うこととなった。

借方科目

金額

貸方科目

金額

備品・消耗品費

90,000

未払金

90,000

未払金は負債であるため発生時には貸方側に記載します。相手勘定は支払い内容によって異なります。

(2)(1)で発生したノートパソコンの購入代金を現金で支払った。

借方科目

金額

貸方科目

金額

未払金

90,000

現金

90,000

支払い時には発生時と逆に借方側へ記載します。

まとめ

買掛金・売掛金・未払金の違いを改めて整理します。

  • 買掛金:営業取引で生じた代金の未払部分。負債。支払いサイクルが長いほど資金繰りが改善します。
  • 売掛金:営業取引で生じた代金の未回収部分。資産。回収サイクルが短いほど資金繰りが改善します。
  • 未払金:営業取引以外で生じた代金の未払部分。負債。

買掛金は取引件数・金額ともに大きくなりやすく、計上漏れや支払い漏れは信用失墜・監査リスクに直結します。請求書受領から消込までの流れを整備し、月次での残高確認を徹底することが正確な管理の基本です。

買掛金管理を含む経理業務全般の負担が大きい場合は、アウトソーシングも有効な選択肢です。

関連記事:経理アウトソーシングとは?記帳代行との違いと向いている会社を解説

Remoba経理

Remoba経理

会計ソフト導入から経理業務まで一任できる、オンライン型の経理アウトソーシングサービス。実務経験豊富なプロフェッショナルな経理チームがサポートし、業務効率化と経理体制の最適化を実現します。

サービス概要

Remoba経理は、クラウド会計ソフトを使ってプロワーカーに経理をアウトソーシングできるサービスです

売上・支払・経費管理、月次決算、確定申告補助まで、ルーティン業務をまるごと外注でき、クラウドソフト未導入のお客様には選定支援なども行います。

クラウド会計運用経験者など、実務経験豊富なアシスタントがチームとなり、日々オンラインで業務を進行。会計士や税理士が監督するため、導入済みのソフトはもちろん、部署をまたぐクラウドソフトとのSaaS連携も提案可能。運営会社は、IPaaSツール開発もしており、システム連携のノウハウが豊富です。経理を含むバックオフィスのデータを一元化し、業務効率化や経理体制の最適化を実現します。

主なポイント

  • コンサルタント主導で、最適なクラウド会計ソフトの導入・運用をサポート経理業務の外注に精通したコンサルタントが現状をヒアリングし、クラウド会計システムの選定・導入・運用までトータルでサポート。現行のクラウド会計システムを使う方法はもちろん、業務圧迫が課題なら「システム連携で効率化」を、帳簿管理の精度向上には「最適な会計ソフトを選び」など、業務内容や課題に合わせて解決策を提案します。システム設計に必要な要件定義策定や、導入までのWBS作成準備も不要なため、クラウド会計ソフトに不慣れでも安心です。運用を見据えて、業務フローやルールのマニュアル化、従業員説明会で社員教育を実施して、顧客側の社内体制づくりも支援します。
  • 専門家が監督のもと、一任した経理業務をチームで正確に遂行様々な経理プロとアシスタント達が専門チームを構築。実際の作業は、経理部門立ち上げや会計ソフト導入などの実務経験を持つ、優秀なリモートアシスタントが担当。売上やキャッシュフローなどの財務状況は、クラウド会計ソフトからいつでもチェック可能です。安心して月末・年度末の帳簿管理や確定申告の補助を任せられるため、コア業務に注力できます。実務の実行を行う上、経費申請後、内容のチェックから振込データ作成や、売上確認の消込みまで管理体制としてもご依頼いただけます。退職による業務停滞や横領などの不正会計といった、属人化に伴うリスクを防止できます。
  • 部署をまたぐクラウドソフト連携も支援し、経理を含めバックオフィス業務を効率化IPaaSサービスの開発経験をもとに、複数のクラウドソフト連携にも対応。メーカーを問わず、労務、営業支援、人事、給与管理システム連携など、部署をまたぐデータの一元化が可能です。経理を含むバックオフィス業務全体を可視化することで、業務効率化やビジネスにおける迅速な意思決定を支援します。
項目内容

サービス名

Remoba経理

会社名

(株)Enigol

公式サイト

https://remoba.biz/accountant

まとめ

買掛金は、仕入れや外注加工の依頼といった営業取引によって生じた代金のうち、まだ支払っていないもの、つまりは代金を支払う義務を指します。商品やサービスを提供したことによって生じる代金受け取り権利である「売掛金」や、営業取引以外によって生じる「未払金」とは明確に区別する必要があります。

買掛金は会社の経理において非常に重要な役割をもつものであり、正確な管理が必要となります。しかし、その管理はとても煩雑なもの。日々の記録が非常に重要で、ミスは許されません。そのため自社で買掛金のすべてを管理しようとすると、それだけでだいぶ労力が割かれてしまうことになります。

ですが、経理代行サービスであるRemobaに買掛金管理を任せれば、正確で適切な買掛金管理が可能ですし、その分の労力を他に費やすことが可能になります。煩雑で大変で、しかしとても重要な意味をもつ買掛金の管理、Remoba経理にまかせてみてはいかがでしょうか。

SaaS×BPOで経理業務を効率化

経理クラウドサービスの導入や運用を任せるならSaaS運用のプロ "Remoba"

資料バナー

この記事の監修者

辻田和弘のプロフィール画像

株式会社Enigol

辻田和弘

東京大学経済学部卒業後、丸紅株式会社に入社。経理部にて事業投資案件の会計面での検討・支援を担当するほか、子会社の内部統制構築、IFRS導入プロジェクト、全社連結会計システム導入プロジェクトに従事。公認会計士・税理士として長年にわたり会計・税務専門業務に携わった経験を持つ。現在は株式会社Enigolを創業し、Remoba(リモバ)経理・労務の総合監修を担当。スタートアップから中小企業・大企業まで、経理・労務を含むバックオフィス業務全般の支援を行っている。

資格
公認会計士
税理士

\ Remobaなら経理をまるっと請け負います/

サービス一覧

Remoba経理
Remoba労務
Remoba採用
Remobaアシスタント
Remobaチャット
Remoba営業事務
Remoba医療事務
バナーを閉じるボタン