2026年(令和8年度)診療報酬改定の改定率・施行日・主な変更点を解説。本体+3.09%と2026年度+2.41%の違い、医療DX関連加算や生活習慣病管理料の見直し、ベースアップ評価料の届出など、クリニックの経営・事務への影響を整理します。

2026年(令和8年度)診療報酬改定の改定率・施行日・主な変更点を解説。本体+3.09%と2026年度+2.41%の違い、医療DX関連加算や生活習慣病管理料の見直し、ベースアップ評価料の届出など、クリニックの経営・事務への影響を整理します。
2026年(令和8年度)の診療報酬改定では、診療報酬本体の改定率が+3.09%となりました。ただし、この数値は2026年度と2027年度の2年度平均であり、2026年度単独では+2.41%です。
今回の改定では、医療DX関連加算の再編や生活習慣病管理料の見直しなど、クリニックの診療報酬請求に関わる変更が行われています。一方で、一部書類の署名・押印の廃止など、事務負担を軽減する措置も導入されました。
この記事では、厚生労働省の公表資料をもとに、改定率や主な変更点、病院と診療所の財源配分の違いを解説します。あわせて、クリニックの院長・事務長が確認しておきたい届出や算定実務を整理します。
まず、今回の改定の全体像を整理します。
項目 | 内容 |
|---|---|
診療報酬本体の改定率 | +3.09%(2026年度・2027年度の2年度平均。2026年度は+2.41%) |
薬価・材料価格 | 薬価▲0.86%、材料価格▲0.01% |
施行日 | 薬価は2026年4月1日、本体と材料価格は2026年6月1日 |
主な変更点 | 医療DX関連加算の再編、生活習慣病管理料の見直し、外来データ提出に関する評価の変更など |
財源配分 | 物価対応分や緊急対応分では病院に重点を置いた配分 |
賃上げ支援 | 一般の医療関係職種は3.2%、看護補助者・事務職員は5.7%のベースアップ実現を支援 |
事務の簡素化 | 一部の書類で署名・押印を廃止。施設基準の届出様式も簡素化 |
クリニックにとって重要なのは、改定率の数字だけで経営への影響を判断しないことです。
本体改定率がプラスでも、実際の収入への影響は診療科や患者構成、算定する加算によって変わります。
また、改定に伴う届出や算定要件の確認が必要になる一方、今回の改定では一部の事務作業を減らせるようになりました。
増える業務と減らせる業務を分けて確認することが、改定後の実務では重要になります。
今回の改定では、医療DX、生活習慣病管理、かかりつけ医機能、医療機関間の連携など、外来診療に関わる幅広い項目が見直されました。
診療所で確認しておきたい主な変更点は次のとおりです。
項目 | 主な変更内容 |
|---|---|
医療DX関連加算 | 医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算を廃止し、電子的診療情報連携体制整備加算を新設 |
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ) | 包括範囲や算定要件を見直し。療養計画書の患者署名を不要に |
眼科・歯科との連携 | 糖尿病患者の眼科・歯科への連携を評価する加算を新設 |
外来データ提出関係 | 生活習慣病管理に関する評価を見直し、充実管理加算を新設 |
地域包括診療加算等 | かかりつけ医機能に関する要件や評価を見直し |
機能強化加算 | 専門医療機関への受診の必要性を判断する機能などを評価 |
時間外対応体制加算 | 時間外の患者対応体制に関する評価を充実 |
一般名処方加算 | 後発医薬品の普及状況などを踏まえ、評価を見直し |
長期処方・リフィル処方箋 | 対応可能な医療機関であることの掲示などを要件化 |
事務書類の簡素化 | 一部の書類で署名・押印を廃止。届出様式や添付書類を簡素化 |
すべての項目がすべての診療所に関係するわけではありません。
まずは、自院で算定している診療報酬と、届け出ている施設基準に関係するものから確認する必要があります。
今回の改定では、従来の医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算が廃止され、電子的診療情報連携体制整備加算が新設されました。
医科における新たな点数は次のとおりです。
区分 | 点数 |
|---|---|
初診時・加算1 | 15点 |
初診時・加算2 | 9点 |
初診時・加算3 | 4点 |
再診時 | 2点 |
いずれも月1回を限度とする評価です。
新しい加算では、マイナ保険証の利用や電子処方箋、電子カルテ情報共有サービス、診療情報の連携体制などが評価の対象となります。
実際にどの区分を算定できるかは、施設基準の充足状況によって異なります。
従来の医療DX関連加算を算定していた医療機関でも、新しい評価体系への移行に伴い、届出や算定状況の確認が必要です。
また、施設基準には院内掲示やウェブサイトへの掲載に関する要件も含まれるため、システムの整備状況だけでなく、患者向けの案内も点検する必要があります。
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)については、包括範囲や検査に関する要件、療養計画書の取り扱いが見直されました。
主な変更点は次のとおりです。
特に、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定している医療機関では、必要な検査が適切な頻度で行われているかを確認する必要があります。
また、療養計画書については、患者署名が不要になったことで事務作業を減らせる可能性があります。
ただし、署名が不要になっても、必要な療養計画の作成や患者への説明などが不要になるわけではありません。
糖尿病の合併症予防や重症化防止を目的として、他の医療機関との連携を評価する加算が新設されました。
加算 | 点数 |
|---|---|
眼科医療機関連携強化加算 | 60点(年1回) |
歯科医療機関連携強化加算 | 60点(年1回) |
いずれも、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)に関連する評価です。
糖尿病を主病とする患者について、診療上の必要性を判断し、患者の同意を得たうえで他の医療機関との連携を行うことなどが算定要件となります。
単に紹介状を作成すれば算定できるものではなく、対象患者や連携内容などの要件を確認する必要があります。
糖尿病患者を継続的に診療するクリニックでは、眼科・歯科との連携方法を整理する機会にもなります。
生活習慣病管理に関する外来データ提出の評価も見直され、充実管理加算が新設されました。
区分 | 点数 |
|---|---|
充実管理加算1 | 30点 |
充実管理加算2 | 20点 |
充実管理加算3 | 10点 |
データ提出に加えて、生活習慣病の管理状況などに応じた評価を行う仕組みです。
なお、これらの点数は、届出をすれば直ちにすべて算定できるという意味ではありません。
届出時期、試行データの提出、算定開始時期、実績に基づく評価への移行時期が定められています。
2026年10月時点では、次回の届出スケジュールとして2026年11月20日が示されています。
この期限までに所定の様式を提出し、必要な手続きと試行データの提出を経た場合、充実管理加算の最短の算定開始時期は2027年4月です。
実績値に基づく評価はさらに後の時期から適用されます。
また、地域包括診療加算・地域包括診療料に係る外来データ提出加算についても、新たな届出手続きが設けられています。
既に別の外来データ提出関係の届出を行っている場合でも、追加の届出が必要となるケースがあるため注意してください。
データ提出関連の加算を検討している医療機関は、厚生労働省や地方厚生局が公表しているスケジュールを確認する必要があります。
かかりつけ医機能を評価する診療報酬についても、要件や評価の見直しが行われています。
地域包括診療加算・地域包括診療料では、継続的な疾病管理や他の医療機関との連携などが引き続き重要な要素となっています。
また、機能強化加算では、専門医療機関への受診の必要性を判断する機能などが評価に反映されています。
時間外対応体制加算についても、患者からの問い合わせに対応する体制の評価が充実しました。
これらの加算を算定している診療所では、改定後も施設基準を満たしているか、掲示内容や連絡体制を含めて確認する必要があります。
長期処方やリフィル処方箋への対応も、今回の改定で重視されています。
地域包括診療加算、地域包括診療料、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)などでは、患者の状態に応じて28日以上の長期処方やリフィル処方箋に対応できることについて、院内の見やすい場所への掲示などが求められます。
リフィル処方箋は、症状が安定している患者について、医師の判断により一定期間内に繰り返し利用できる処方箋です。
ただし、すべての患者に長期処方やリフィル処方箋を交付しなければならないわけではありません。
患者から相談があった際の説明方法や、院内掲示の内容が要件に沿っているかを確認しておくことが重要です。
今回の改定では、診療報酬の算定要件が増えるだけでなく、医療機関の事務を簡素化する措置も導入されました。
例えば、院内で使用する書類や院内で患者に直接手渡す一部の書類について、署名または記名・押印が廃止され、記名のみでよい取り扱いとなっています。
対象として示されている書類には、次のようなものがあります。
また、診療情報提供書など他の医療機関へ交付する書類についても、2回目以降の交付や直接手渡しなど、作成元が明らかな一定の場合には署名・押印を省略できるようになりました。
ただし、すべての医療関係書類で署名や押印が不要になったわけではありません。
省略できるかどうかは書類の種類や交付方法によって異なるため、個別の通知を確認する必要があります。
あわせて、施設基準の届出オンライン化や届出様式の削減、添付書類の省略なども進められています。
従来の院内マニュアルが古いままだと、本来不要になった署名や押印の手続きを続けてしまう可能性があります。
改定内容を確認する際には、新たに必要になった作業だけでなく、不要になった作業も洗い出すことが重要です。

2026年の診療報酬改定率は、2025年12月24日の予算折衝を経て決定されました。
区分 | 改定率 | 施行日 |
|---|---|---|
診療報酬本体 | +3.09% | 2026年6月1日 |
薬価 | ▲0.86% | 2026年4月1日 |
材料価格 | ▲0.01% | 2026年6月1日 |
診療報酬本体の+3.09%は、2026年度と2027年度の2年度平均です。
年度別には次のように整理されています。
年度 | 本体改定率 |
|---|---|
2026年度(令和8年度) | +2.41% |
2027年度(令和9年度) | +3.77% |
2年度平均 | +3.09% |
したがって、「診療報酬本体+3.09%」という数字を、2026年度の診療報酬が一律に3.09%増えるという意味で捉えるのは適切ではありません。
なお、これは国全体の診療報酬改定率を示したものであり、医療機関ごとの収入増加率を直接表すものでもありません。
本体改定率+3.09%の内訳は次のとおりです。
内訳 | 改定率 |
|---|---|
賃上げ分 | +1.70% |
物価対応分 | +0.76% |
食費・光熱水費分 | +0.09% |
経営環境悪化を踏まえた緊急対応分 | +0.44% |
後発医薬品への置換え進展等による適正化 | ▲0.15% |
上記を除く改定分 | +0.25% |
合計 | +3.09% |
このうち、上記の政策的配分などを除く+0.25%の改定分について、各科改定率は医科+0.28%、歯科+0.31%、調剤+0.08%とされています。
医科+0.28%は、医科診療所全体の改定率や収入増加率を意味するものではありません。
賃上げや物価対応などの財源配分とは区別して理解する必要があります。
今回の改定では、薬価と診療報酬本体の施行日が異なります。
2026年4月1日に薬価が改定され、6月1日に診療報酬本体と材料価格の改定が施行されました。
そのため、4月から5月までは新しい薬価と改定前の診療報酬本体が適用される期間となりました。
レセコンや電子カルテについても、それぞれの施行日に対応したマスタ更新が必要となるため、改定対応は2段階で行われました。
現在は両方の施行日を過ぎていますが、改定前後の診療月について、正しいマスタや算定ルールが適用されていたかを確認することは重要です。

今回の改定では、物価上昇や医療機関の経営環境の悪化に対応するため、施設類型に応じた財源配分が行われています。
特に、物価対応分と緊急対応分では、病院に重点を置いた配分となっています。
厚生労働省の資料では、物価対応分のうち+0.62%分と緊急対応分+0.44%について、次のような配分が示されています。
施設類型 | 物価対応分の配分 | 緊急対応分の配分 |
|---|---|---|
病院 | +0.49% | +0.40% |
医科診療所 | +0.10% | +0.02% |
歯科診療所 | +0.02% | +0.01% |
保険薬局 | +0.01% | +0.01% |
物価対応分では、病院への配分は医科診療所の約5倍です。
緊急対応分では、病院への配分が医科診療所の20倍となっています。
さらに、物価対応では、高度機能医療を担う病院に対して+0.14%が別途措置されています。
ただし、これらの数値は診療報酬全体に対する財源配分率であり、病院や診療所それぞれの収入増加率を示すものではありません。
例えば、緊急対応分の配分が病院で+0.40%、医科診療所で+0.02%だからといって、病院の診療報酬収入が診療所の20倍増加するという意味ではありません。
また、今回の本体改定には賃上げ分などの別の財源も含まれています。病院への重点配分が確認できるのは、主にここで取り上げた物価対応分と緊急対応分です。
診療報酬本体の改定率がプラスでも、すべてのクリニックで同じ割合の増収になるわけではありません。
実際の収入への影響は、主に次の要素によって変わります。
そのため、クリニックの経営への影響を把握するには、自院の診療報酬請求データをもとに改定前後を比較する必要があります。
例えば、改定前の月別算定件数に新旧の点数を当てはめて比較すれば、患者数が同じ場合にどの程度の収入差が生じるかを試算できます。
新たな加算の算定や患者数の変動による影響は、これとは分けて検討すると把握しやすくなります。
今回の診療報酬改定では、医療従事者の賃上げも重要な目的となっています。
厚生労働省は、2026年度と2027年度のそれぞれについて、一般の医療関係職種で3.2%、看護補助者と事務職員で5.7%分のベースアップ実現を支援する措置を設けています。
対象 | ベースアップ支援の想定水準 |
|---|---|
一般の医療関係職種 | 各年度3.2% |
看護補助者 | 各年度5.7% |
事務職員 | 各年度5.7% |
事務職員や看護補助者について高い水準が設定されているのは、他産業との人材獲得競争も踏まえたものです。
ただし、この数値は政策上の賃上げ支援の目標であり、すべての医療機関に全職員の給与を一律に5.7%引き上げる法的義務があるという意味ではありません。
実際の賃金改善については、ベースアップ評価料などの算定要件や対象職種、賃金改善の取り扱いを確認する必要があります。
クリニックの経営では、診療報酬の増収だけでなく、人件費や社会保険料などの費用も合わせて考えることが重要です。
医療事務の採用難と人件費については、医療事務の人手不足の現状とその原因とは?改善するための方法を解説で詳しく解説しています。
診療報酬改定に伴う実務は、点数表の変更だけではありません。
施設基準の確認、レセプトの点検、患者への説明、職員の賃金改善に関する報告など、複数の業務に影響します。
一方で、署名・押印の省略など、従来の業務を減らせる項目もあります。
今回の改定では薬価が4月、診療報酬本体と材料価格が6月に施行されたため、システムのマスタ更新も段階的に行われました。
改定後には、更新が完了していることだけでなく、正しい点数や算定ルールが反映されているかの確認が必要です。
特に、改定前後の診療月をまたぐ請求や、月遅れ請求、返戻再請求などでは、適用される診療月のルールに注意する必要があります。
新設・再編された加算については、システム上で入力できることと、施設基準を満たして算定できることは別です。
レセコンの設定と実際の届出状況が一致しているかを確認する必要があります。
今回の改定では、医療DX関連加算やベースアップ評価料など、従来の届出内容を見直す必要がある項目があります。
施設基準の確認では、現在の算定状況だけでなく、次の点を整理することが重要です。
要件を満たさないまま算定を続けると、診療報酬の返還が必要になる場合もあります。
改定のたびに担当者が一から確認するのではなく、届出済みの施設基準を一覧で管理し、改定後の確認結果を残す運用が有効です。
こうした管理を担う役割については、関連記事:クリニックの事務長とは?仕事内容・年収相場・置くべきタイミングを解説で整理しています。
診療報酬の算定要件が変更されると、レセプト点検で確認すべき項目も変わります。
例えば、生活習慣病管理料の検査要件や、新設された眼科・歯科連携強化加算などでは、対象患者や実施内容の確認が重要になります。
また、新設・再編された加算については、算定漏れだけでなく、要件を満たさない請求にも注意が必要です。
返戻が発生した場合は、原因の確認と再請求が必要になります。査定された場合も、必要に応じて内容を確認し、院内の算定ルールを見直します。
改定後の数か月間は、特に変更があった診療報酬項目について請求内容を継続的に点検するとよいでしょう。
レセプト業務の全体像は、関連記事:レセプトとは?診療報酬明細書の意味・作成手順・必要スキルをわかりやすく解説で解説しています。
診療報酬改定によって算定項目や患者負担が変わると、窓口での説明が必要になる場合があります。
新たな加算を算定する医療機関では、院内掲示やウェブサイトの記載が施設基準に関わることもあります。
そのため、受付スタッフが説明できるようにしておくとともに、掲示物や案内文が改定後の内容に合っているか確認する必要があります。
また、有床診療所では、入院時の食費・光熱水費に関する基準額の引き上げにも注意が必要です。
今回の改定では、食費基準額が1食あたり40円、光熱水費基準額が1日あたり60円引き上げられました。患者負担についても原則として同額が引き上げられますが、低所得者や指定難病患者等には別の取り扱いがあります。
有床診療所では、患者向けの案内や請求内容に反映できているかを確認する必要があります。

2026年10月時点では、診療報酬本体の改定はすでに施行されています。
そのため、今から改定内容を確認する場合は、必要な届出が済んでいるか、現在の算定が正しいか、今後の提出期限に対応できているかが重要です。
外来データ提出に関する次回の届出期限として、2026年11月20日が示されています。
新たに届出を行う場合は、対象となる加算、届出様式、データ提出の流れ、最短の算定開始時期を確認してください。
2026年度の診療報酬改定では、ベースアップ評価料の見直しに伴い、既に算定していた医療機関にも改めて届出が求められました。
2026年5月以前からベースアップ評価料を算定している医療機関が、2026年6月以降も算定を継続する場合、2026年5月7日から6月1日(必着)までに、管轄の地方厚生局へ所定の様式を提出する必要がありました。
また、2026年8月31日(月)を期限として、算定状況に応じて次の報告書の提出が求められました。
報告書 | 対象となる医療機関 |
|---|---|
2025年度賃金改善実績報告書 | 2025年4月1日〜2026年3月31日にベースアップ評価料を算定した医療機関 |
2026年度賃金改善中間報告書 | 2026年6月1日〜7月31日にベースアップ評価料を算定した医療機関 |
2026年10月時点では、これらの提出期限は既に経過しています。
ただし、厚生労働省は2026年9月1日付の事務連絡で、やむを得ず提出期限を超過した場合は、できるだけ速やかに地方厚生局へ提出するよう案内しています。
該当する医療機関で未提出の報告書がある場合は、提出状況を確認し、速やかに対応する必要があります。
また、2027年度にも算定区分に応じた届出・報告が予定されています。継続算定の場合、一部の区分では届出が不要となるため、最新の案内で対象を確認してください。
チェック項目は次のとおりです。
すべての項目を一度に確認する必要はありません。
自院が算定している項目と、今後算定する予定の項目を優先して確認することが重要です。
今回の改定は、2026年4月と6月の2段階で施行されました。
2026年10月時点での主な流れを整理すると、次のとおりです。
時期 | 主な対応 |
|---|---|
2025年12月 | 改定率・基本方針の決定 |
2026年3月〜4月 | 告示・通知の確認、薬価改定への対応 |
2026年4月1日 | 薬価改定の施行 |
2026年4月〜5月 | 本体改定の準備、施設基準の確認 |
2026年5月〜6月 | ベースアップ評価料など必要な届出 |
2026年6月1日 | 診療報酬本体・材料価格改定の施行 |
2026年8月31日 | ベースアップ評価料の実績報告・中間報告の提出期限 |
2026年11月20日 | 外来データ提出関係の次回届出期限 |
2027年 | 賃上げ・物価対応に関する次年度の措置、必要な届出・報告 |
随時 | 疑義解釈の確認、算定状況の点検、院内運用の更新 |
※11月20日の期限は、対象となる外来データ提出関係の届出についてのもので、すべての診療所に一律に適用されるものではありません。
なお、疑義解釈や事務連絡は施行後にも追加されます。
告示・通知を一度確認して終わりにするのではなく、自院に関係する変更がないか定期的に確認することが重要です。
診療報酬改定は原則として2年に一度行われますが、実際の算定要件や届出・報告の対応は改定後も続きます。
一方で、クリニックでは事務担当者が受付、会計、レセプト、患者対応などを兼務していることも少なくありません。
改定対応の負荷を抑えるには、単に人員を増やすのではなく、業務の進め方を見直すことも重要です。
まずは、改定時に確認した内容を記録に残します。
例えば、施設基準の届出一覧を作成し、改定によって何が変わったか、どのような対応を行ったかを整理します。
レセコンの設定変更やスタッフへの周知内容も記録しておくと、担当者が替わった場合でも状況を把握しやすくなります。
毎回一から調べ直す必要がなくなるため、次の改定時の負荷を減らせます。
今回の改定では、一部の書類で署名・押印が不要になるなど、事務を簡素化する措置も導入されました。
こうした変更を院内の運用に反映しないと、本来不要になった作業が残り続けてしまいます。
例えば、療養計画書の作成や患者への説明は引き続き必要ですが、不要となった署名取得の手順は見直すことができます。
また、施設基準の届出様式や添付書類が簡素化された場合は、従来の手順をそのまま使うのではなく、新しい様式に合わせて見直すことが重要です。
改定によって増えた確認項目と、減らせる作業を分けて整理することが、事務の効率化につながります。
レセコンや電子カルテの設定については、システムのベンダーに確認する方法があります。
また、医療機関の経営に詳しい税理士や社会保険労務士などに、人件費や労務管理への影響を相談することも考えられます。
ただし、診療報酬の算定要件や施設基準の確認まで対応してもらえるとは限りません。
専門家やベンダーに依頼する場合は、対応してもらえる範囲を事前に確認しておく必要があります。
院内だけで対応することが難しい場合は、医療事務業務の一部を外部に委託する方法もあります。
例えば、レセプト作成や点検、返戻への対応支援などは、業務内容に応じて外部委託を検討できます。
診療報酬改定への対応についても、委託事業者の専門性や契約範囲によっては、算定ルールの変更への対応を支援してもらえる場合があります。
ただし、施設基準を満たしているかの判断や診療内容の確認など、院内で対応すべき事項も残ります。
外部委託を利用しても、診療報酬請求に関する保険医療機関としての管理責任がなくなるわけではありません。
院内に残す業務と外部に任せる業務を整理したうえで、委託範囲を決めることが重要です。
医療事務の外部委託については、関連記事:医療事務代行とは?外注できる業務内容やメリット、注意点を解説で詳しく解説しています。

診療報酬本体の改定率は+3.09%、薬価は▲0.86%、材料価格は▲0.01%です。
ただし、本体+3.09%は2026年度と2027年度の2年度平均であり、2026年度単独では+2.41%となっています。
これらの数値は国全体の改定率であり、個々の医療機関の収入増加率ではありません。
薬価改定は2026年4月1日、診療報酬本体と材料価格の改定は2026年6月1日に施行されました。
施行日が2段階に分かれているため、4月から5月は新しい薬価と改定前の診療報酬本体が併存する期間となりました。
医療DX関連加算の再編、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の見直し、外来データ提出関係の評価変更などが挙げられます。
ただし、影響の大きさは診療科や算定している診療報酬によって異なります。
まずは自院が算定している項目と施設基準の届出状況を確認することが重要です。
一律には言えません。
今回の改定では、物価対応分や緊急対応分について病院に重点を置いた財源配分が行われていますが、配分率は各医療機関の収入増加率を直接示すものではありません。
実際の収入への影響は、初診・再診の件数や算定する加算、患者構成などによって異なります。
自院の過去診療報酬請求データをもとに、新旧の点数を比較することが有効です。
厚生労働省は、2026年度と2027年度において、事務職員や看護補助者の5.7%分のベースアップ実現を支援する措置を設けています。
ただし、すべての医療機関に対して、一律に5.7%の昇給を義務付けるという意味ではありません。
ベースアップ評価料を算定する場合には、対象職種や賃金改善の取り扱い、報告などについて定められた要件を確認する必要があります。
該当する医療機関では、2026年8月31日(月)を期限として、2025年度の賃金改善実績報告書と2026年度の賃金改善中間報告書の提出が求められました。
どちらの報告書が必要かは算定状況によって異なります。やむを得ず期限を超過した場合は、できるだけ速やかに地方厚生局へ提出するよう案内されています。
2027年度にも算定区分に応じた届出や報告が予定されており、継続算定では一部の区分で届出が不要となります。最新の案内で対象を確認してください。
増える業務と減る業務の両方があります。
加算の再編や施設基準の見直しによって、算定要件や届出の確認が必要になります。
一方で、生活習慣病療養計画書など一部書類の署名・押印が不要となり、施設基準の届出様式についても簡素化が進められています。
改定後の運用を見直し、不要になった作業を減らすことも重要です。
厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定について」のページで確認できます。
告示・通知、改定概要、疑義解釈、事務連絡などが公表されています。
疑義解釈は施行後も追加されるため、実際の算定や届出の判断にあたっては、最新の公表資料を確認してください。
2026年(令和8年度)の診療報酬改定では、診療報酬本体の改定率が+3.09%となり、医療DXや生活習慣病管理など、クリニックの診療に関わる幅広い項目が見直されました。
クリニックが特に押さえておきたいのは、次の4点です。
今回の改定では、物価対応分や緊急対応分について病院に重点を置いた財源配分が行われました。クリニックでは、診療報酬の改定による収入への影響と、人件費などの費用を分けて把握することが重要です。
また、改定対応を担当者個人の知識に頼るのではなく、届出・算定要件・システム設定などを整理し、院内で継続的に管理できる体制をつくることも必要になります。
事務負荷を抑えるには、不要になった業務の削減や手順の標準化を進め、必要に応じて専門家や外部委託も活用するとよいでしょう。
なお、本記事は2026年10月11日時点の厚生労働省公表資料をもとに、改定の全体像とクリニックへの影響を整理したものです。個別の点数や算定要件、施設基準の詳細については、厚生労働省の最新の告示・通知・疑義解釈をご確認ください。

株式会社Enigol
株式会社リクルートホールディングスでWEBマーケティング業務および事業開発を経験し、アメリカの決済会社であるPayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。対話型マーケティングによる顧客育成から売上げアップを実現するsikiapiを開発。