労務安全書類(グリーンファイル)とは?種類一覧・提出タイミング・保存期間を解説

労務安全書類(グリーンファイル)とは?種類一覧・提出タイミング・保存期間を解説

労務更新日:2026-05-10

建設業の現場で元請や上位会社に提出する書類のうち、種類が多く管理が煩雑になりやすいのが「労務安全書類」です。グリーンファイルとも呼ばれ、実務では施工体制台帳関係書類と各種の安全書類をまとめてこう呼ぶことが多いです。書類によって法令上の作成義務があるものと、元請の運用で提出を求められるものがあります。この記事では、グリーンファイルの意味・代表的な書類の種類・提出タイミング・保存期間・電子化の方法までをわかりやすく解説します。

労務安全書類(グリーンファイル)とは

労務安全書類とは、建設工事の現場における安全管理・労務管理に関する情報を記録・共有するための書類群の総称で、グリーンファイルとも呼ばれます。

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下請け企業は、現場に入る前に元請け企業へ提出するのが原則です。着工後に内容に変更が生じた場合は作り直して再提出が必要になります。

これらの書類を通じて、元請けは現場の人員・機材・作業内容を把握し、安全管理体制を整えます。

なぜ必要なのか

労務安全書類は、元請けが現場の施工体制や安全管理の状況を把握するための重要な資料です。施工体制台帳や作業員名簿のように法令上の作成・備置きが求められる書類もあれば、現場ルールとして提出を求められる安全書類もあります。

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書類の不備があると是正や再提出を求められ、入場手続きや現場運営に支障が出ることがあります。

また万一、現場で事故が起きたときに「安全管理が適切だったかどうか」を証明する根拠にもなります。

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労務安全書類の2つの分類

安全書類は実務上、大きく2種類に分けて扱われることが多いです。

労務安全関係書類は、現場の作業員・危険を伴う機材・作業の管理に関する書類です。下請け企業が作成して元請けに提出し、元請けが管理します。

施工体制台帳関係書類は、工事現場の施工体制を明確にするための書類です。元請けが作成・管理するものと、下請けが提出するものが混在しています。

なお、この分類はあくまで実務上の便宜的な呼び方です。法令上の位置づけは書類ごとに異なります。

主要な労務安全書類の種類

以下は代表的な書類の一覧です。

現場の規模や元請けの運用によって必要な書類は変わるため、着工前に必ず確認してください。

労務安全関係書類

書類名

作成主体

提出タイミング

法令上の位置づけ

作業員名簿

下請け

着工前

法令上の作成義務あり

工事安全衛生計画書

下請け

着工前

元請け判断による

新規入場時等教育実施報告書

下請け

入場時

元請け判断による

持込機械等(移動式クレーン等)使用届

下請け

使用のたびに

元請け判断による

持込機械等(電気工具・電気溶接機)使用届

下請け

着工前

元請け判断による

工事・通勤用車両届

下請け

着工前

元請け判断による

有機溶剤・特定化学物質等持込使用届

下請け

使用前

使用時は提出が必要

火気使用届

下請け

使用前

使用時は提出が必要

安全衛生管理計画書

下請け

着工前

元請け判断による

施工体制台帳関係書類

書類名

作成主体

提出タイミング

備考

施工体制台帳

元請け

着工前

法令上の作成義務あり

施工体系図

元請け

着工前

現場掲示が義務

再下請負通知書

下請け(二次以下)

着工前

二次以下が作成

下請負業者編成表

下請け(一次)

着工前

一次のみ提出

「法令上の作成義務あり」と記載したものについては、国土交通省が施工体制台帳・作業員名簿の作成・備置きを義務づけています。それ以外は元請けや現場の運用で求められるケースが多い書類です。

書式はどれを使うか

労務安全書類に統一された法定書式はありません。

元請けから書式の指定がない場合は、全国建設業協会が定める「全建統一様式」を参照するのが一般的です。

入手方法や利用条件は、全国建設業協会の案内を確認してください。元請けが独自書式を設けているケースも多いため、事前に確認することが重要です。

保存期間

保存期間は書類の種類によって異なります。

書類の種類

保存期間

施工体制台帳(帳簿関係書類)

引渡し後5年(住宅新築は10年)

施工体系図(営業に関する図書)

引渡し後10年

その他の安全書類

元請けの運用ルールに従って保管

工事が終わったからといってまとめて廃棄するのではなく、書類ごとに保存年限を確認して整理しておきましょう。保管義務を果たしていない場合は、監督指導や是正の対象になることがあります。

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電子化という選択肢:グリーンサイトとは

労務安全書類の作成・提出・確認をオンラインで一元管理できるシステムとして「グリーンサイト」があります。会員制の有償サービスで、元請け・下請けの双方でアカウントを持つことで書類のやりとりをインターネット上で完結させることができます。

紙での管理と比べて、保管コストの削減・書類不備の防止という点でメリットがあります。導入前に元請けの利用状況を確認したうえで検討することをおすすめします。

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よくある質問

Q. 労務安全書類とグリーンファイルは同じものですか?

同じものです。グリーンファイルは労務安全書類の通称で、実務ではどちらの呼び方も使われます。

Q. 二次下請けも書類を提出する必要がありますか?

書類の種類によります。作業員名簿や新規入場時教育実施報告書などは二次以下の下請けも提出が必要なケースがあります。一方、下請負業者編成表は一次下請けのみの対応です。元請けの指示に従って確認してください。

Q. 書類の不備があった場合どうなりますか?

元請けから是正・再提出を求められます。対応しない場合は現場への立入が認められないこともあります。着工前に一通り確認しておくのが確実です。

Q. 全建統一様式は無料で使えますか?

全建統一様式は建設業界で広く使われている代表的な様式ですが、入手方法や利用条件は全国建設業協会の最新の案内を確認してください。元請けが独自書式を指定している場合は、そちらを優先します。

Q. 書類の作成は下請けと元請けどちらの義務ですか?

書類の種類によって異なります。施工体制台帳や施工体系図は元請けが作成します。作業員名簿や各種使用届などは下請けが作成して元請けに提出するものが中心です。

まとめ

労務安全書類(グリーンファイル)は、建設現場の安全管理・労務管理に関する書類群の総称です。書類によって法令上の義務があるものと元請けの運用で求められるものがあり、保存期間も施工体制台帳(引渡し後5年)・施工体系図(引渡し後10年)など書類ごとに異なります。

着工前に必要書類を揃え、変更が生じたら速やかに再提出する体制を整えておくことが、現場をスムーズに進めるうえで重要です。

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この記事の監修者

辻田和弘のプロフィール画像

株式会社Enigol

辻田和弘

東京大学経済学部卒業後、丸紅株式会社に入社。経理部にて事業投資案件の会計面での検討・支援を担当するほか、子会社の内部統制構築、IFRS導入プロジェクト、全社連結会計システム導入プロジェクトに従事。公認会計士・税理士として長年にわたり会計・税務専門業務に携わった経験を持つ。現在は株式会社Enigolを創業し、Remoba(リモバ)経理・労務の総合監修を担当。スタートアップから中小企業・大企業まで、経理・労務を含むバックオフィス業務全般の支援を行っている。

資格
公認会計士
税理士

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