勤怠管理システムのオンプレミス型とは?クラウドとの違い・メリット・選び方を解説

勤怠管理システムのオンプレミス型とは?クラウドとの違い・メリット・選び方を解説

労務更新日:2026-07-16

オンプレミス型の勤怠管理システムについて、クラウド型との違い、導入のメリット・注意点、比較のポイントを解説。保守や更新、リモート利用、導入後に残る労務業務まで、実務担当者向けにわかりやすく整理します。選び方も紹介します。

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勤怠管理システムを検討すると、「オンプレミス型」「クラウド型」という言葉に行き当たります。オンプレミス型は、自社が管理するサーバーや専用環境にシステムを構築・運用する方式です。自社の要件に合わせて、構成や管理方法を検討しやすいのが特徴です。

一方で、導入前の設計・構築や、導入後の保守・更新体制が必要になる場合があります。自社に合うかは、クラウド型も含めて比較することが重要です。

本記事では、オンプレミス型の勤怠管理システムの仕組みとメリット・デメリット、クラウド型との違いや選び方を実務目線で整理します。あわせて、導入後も社内に残る確認業務についても取り上げます。

オンプレミス型の勤怠管理システムとは

オンプレミス型の勤怠管理システムとは、自社が管理するサーバーや専用環境にシステムを構築・運用する方式です。サーバーの設置場所や外部接続の有無、データの保存方法は、製品や契約、システム構成によって異なります。

自社または委託先が用意した環境にシステムを導入し、社内ネットワークなどから利用します。保守方法やリモートアクセスへの対応も構成によって異なるため、導入前の確認が必要です。

自社が管理する環境に構築して運用する仕組み

オンプレミス型は、サーバーやシステム環境を自社または委託先で用意し、必要な設計・構築を行います。 導入時には、利用人数や拠点数に応じてサーバーやネットワークの構成を決めます。 近年は、スマートフォンからの打刻に対応したオンプレミス型も提供されています。

クラウド型との違い

クラウド型は、提供事業者が用意した環境をインターネット経由で利用する方式です。一方、オンプレミス型は、自社が管理する環境にシステムを構築します。主な違いは、システム環境や保守・更新を誰がどこまで管理するかにあります。

ただし、カスタマイズやセキュリティ、リモート利用の範囲は製品や契約によって異なります。どちらが優れているかではなく、自社の要件と運用体制に合うかで比較することが重要です。

オンプレミス型の勤怠管理システムのメリット

オンプレミス型には、自社の要件に合わせた構成や管理方法を検討しやすい、既存システムとの連携方法を設計しやすい場合がある、といったメリットがあります。ここでは代表的な4つを整理します。

自社のセキュリティ方針に合わせて管理しやすい

自社が管理する環境では、アクセス権限やネットワーク構成などを、自社の方針に合わせて設計しやすくなります。

ただし、具体的な管理範囲は製品やシステム構成、保守契約によって異なります。OSやソフトウェアの更新、バックアップ、障害対応など、自社または委託先が担う範囲も確認しておきましょう。

自社の勤務ルールに合わせた構成を検討しやすい

オンプレミス型は、製品や契約によっては、自社の勤務ルールや既存環境に合わせた構成を検討できます。

複数の勤務ルールが混在する場合も、製品や契約によっては設定や追加開発で対応できます。 どこまで変更できるか、追加開発が必要かは製品やベンダーの対応範囲によって異なるため、事前の確認が必要です。

既存システムとの連携方法を検討しやすい

既存の社内システムや給与ソフトとの連携方法を、自社の要件に合わせて検討できます。

勤怠管理と給与計算の連携を整えておくと、給与計算前の照合や転記の手間を減らせます。CSV出力やAPI連携など、利用できる連携方法と対応範囲を導入前に確認しておきましょう。

関連記事:勤怠管理システムと給与計算の連携方法|自動化で二重入力・ミスをなくす

自社の方針に合わせたシステム構成を検討しやすい

構成によっては、社内ネットワークを中心に運用し、外部サービスへの依存を抑えられます。 運用を自社の管理下に置けます。

ネットワークや外部接続の範囲を、自社の要件に合わせて設計しやすい点も特徴です。 独自のネットワーク環境やセキュリティ方針がある企業では、選択肢の一つになります。

ただし、インターネット接続や外部からの保守を利用する構成もあり、完全に社内だけで完結するとは限りません。

オンプレミス型の勤怠管理システムのデメリット・注意点

オンプレミス型では、導入前の設計・構築、保守・更新、リモート利用、バックアップなどを事前に確認する必要があります。ここでは主な注意点を整理します。

初期の準備や構築に費用・時間がかかる場合がある

サーバーやシステム環境の準備、設計・構築には、一定の費用や時間を見込む必要があります。

必要な機器やライセンス、設定・連携の範囲は構成によって異なります。初期費用だけでなく、保守や更新まで含めて確認しておきましょう。

保守・運用体制を整える必要がある

保守・運用の担当範囲は、製品や契約によって異なります。自社で対応する場合もあれば、外部のベンダーへ委託する場合もあります。

サーバー管理や更新、トラブル対応を誰が担うのかを整理し、必要な体制を導入前に確認しておきましょう。

特定の担当者だけがシステム構成を把握している状態を避け、設定内容や障害時の対応手順を共有しておきましょう。担当者が不在でも運用を続けられる体制が必要です。

法改正時のアップデート方法を確認する

法改正に伴うアップデートの方法や担当範囲は、製品や保守契約によって異なります。

ベンダーから更新プログラムが提供され、自社または委託先が適用作業を担うケースもあります。対応範囲や手順は、保守内容とあわせて確認しておきましょう。判断に迷う部分は社会保険労務士などの専門家に相談してください。

リモート利用・多拠点運用の方法を確認する

リモート利用や多拠点での運用方法は、システムやネットワーク構成によって異なります。

外出先や在宅勤務から利用する場合は、対応端末や接続方法、セキュリティ要件を事前に確認しましょう。

外出先や在宅からの打刻は、社内ネットワーク前提の構成だと難しくなります。近年はスマホ対応の製品もありますが、多様な働き方を重視する場合は、利用できる端末や場所を確認しておきましょう。

バックアップと災害時の復旧

バックアップと災害時の復旧方法も確認する必要があります。障害や災害が起きた場合に、どのデータをどの時点まで復旧できるか、バックアップ先や復旧手順を決めておきましょう。

サポート終了・将来の更新

OSやデータベース、勤怠管理システムのサポート終了にも備える必要があります。長期運用を前提に、更新時期や後継システムへの移行方法も確認しておくことが重要です。

オンプレミス型とクラウド型の比較・選び方

オンプレミス型とクラウド型は、コスト運用体制カスタマイズセキュリティの観点で違いがあります。自社の状況に合わせて選びます。

両者の主な違いは次のとおりです。

比較項目

オンプレミス型

クラウド型

初期の準備

サーバーや構築が必要になる

自社でサーバーを用意せず始められる

保守・運用

自社または委託先で対応する範囲が広い

基盤の保守・更新を提供事業者が担う

カスタマイズ

独自要件に対応できる

設定やオプションの範囲は製品によって異なる

更新

適用方法や担当範囲は契約によって異なる

サービス側で更新される

リモート利用

ネットワーク構成や製品対応の確認が必要

インターネット経由で利用できる製品が多い

セキュリティ

自社側で管理する範囲が広い

提供事業者の環境と自社側の設定の両方を確認する

※具体的な内容は、製品や契約、システム構成によって異なるため、導入前に確認しましょう。

自社に向いているのはどちらか

独自のシステム要件があり、自社または委託先で運用・保守する体制を確保できる企業では、オンプレミス型が選択肢になります。従業員数だけで判断せず、自社でシステム環境を管理する必要性があるか、既存システムとの連携要件があるか、運用・保守体制を確保できるかを確認しましょう。導入スピードやリモート利用、保守負担の軽減を重視する場合は、クラウド型も比較することが重要です。

セキュリティ要件とコスト・運用体制で選ぶ

セキュリティ要件コスト運用体制の3点を軸に選ぶと、判断がしやすくなります。自社の前提を洗い出します。

必要なセキュリティの水準、かけられる初期費用、保守を担える人材がいるかを整理します。トライアルがある場合は、自社の勤怠ルールに合うかを実際に試してから決めると安心です。

関連記事:勤怠管理システムおすすめ17選|人事労務BPO視点で選び方を解説

オンプレミス型を導入しても残る労務業務

オンプレミス型を導入しても、打刻漏れの確認や給与計算前の照合、設定の見直し、従業員対応は社内に残ります。システムだけでは完結しません。

打刻漏れやイレギュラーの確認は残る

打刻漏れや例外的な勤務の確認は、システムを入れても人が行います。記録の正しさは運用で支えます。

正確な勤怠管理には、従業員の打刻だけでなく、適切な運用も欠かせません。打刻漏れや修正の申請を確認し、正しい記録に直す作業は引き続き社内で行います。

給与計算前の照合・最終確認は必要

給与計算の前に、勤怠データが正しく確定しているかを照合する作業は残ります。記録の誤りは給与に影響するためです。

残業時間や有休の取得状況などを、締めの前に見直します。給与への誤反映を防ぐため、最終確認は省けません。

制度変更時の設定確認や従業員対応の負担

法改正に伴うシステム更新の方法は、製品や保守契約によって異なります。一方、制度変更に合わせた就業規則や運用ルールの確認、必要な設定の見直し、従業員からの問い合わせ対応は社内で行う業務です。

関連記事:勤怠管理を効率化する方法7選|打刻・集計・給与連携の自動化ポイント

社内だけで勤怠・労務が回らない場合の選択肢

社内だけで勤怠の確認や給与計算前の作業が回らない場合は、労務業務を外部に任せる選択肢があります。システムを整えても、確認・修正・問い合わせ対応や設定の見直しといった運用は残ります。担当者が1〜2名の職場では、締めの時期にこれらの業務が一点へ集中することも少なくありません。

勤怠確認や給与計算を外部に任せる方法

勤怠データの確認や給与計算前の作業は、外部の労務支援に任せることもできます。

勤怠データの確認、修正依頼のやり取り、給与計算前の照合などを、社外の担当者と分担する方法があります。締めの時期に業務が集中する職場ほど、負担を分散しやすいでしょう。

Remoba労務という選択肢

Remoba労務は、勤怠データの確認や給与計算、社会保険手続きなどの労務業務をオンラインで支援します。勤怠内容の確認や申請のチェック、給与計算前の作業といった運用を、社外の担当者と分けられます。社内の担当者が少ない場合や、締めの時期に業務が集中している場合の選択肢です。

まとめ

オンプレミス型の勤怠管理システムは、自社が管理するサーバーや専用環境に構築・運用する方式です。クラウド型との違いは、システム環境や保守・更新を誰がどこまで管理するかにあります。最後に要点を整理します。

  • オンプレミス型は、自社の要件に合わせた構成や管理方法を検討しやすい
  • カスタマイズや既存システムとの連携範囲は、製品や契約によって異なる
  • 導入前の設計・構築に加え、保守・更新、バックアップ、障害対応まで確認する
  • リモート利用や多拠点対応は、製品やネットワーク構成によって異なる
  • 自社または委託先で運用・保守体制を確保できるかが重要
  • 導入後も打刻漏れの確認や給与計算前の照合は残るため、社内で回らない場合は労務アウトソーシングも選択肢になる

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この記事の監修者

辻田和弘のプロフィール画像

株式会社Enigol

辻田和弘

東京大学経済学部卒業後、丸紅株式会社に入社。経理部にて事業投資案件の会計面での検討・支援を担当するほか、子会社の内部統制構築、IFRS導入プロジェクト、全社連結会計システム導入プロジェクトに従事。公認会計士・税理士として長年にわたり会計・税務専門業務に携わった経験を持つ。現在は株式会社Enigolを創業し、Remoba(リモバ)経理・労務の総合監修を担当。スタートアップから中小企業・大企業まで、経理・労務を含むバックオフィス業務全般の支援を行っている。

資格
公認会計士
税理士

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