複合仕訳とは?諸口・相手勘定科目の意味と仕訳例をわかりやすく解説

複合仕訳とは?諸口・相手勘定科目の意味と仕訳例をわかりやすく解説

経理更新日:2026-08-07

複合仕訳とは、1つの取引の借方・貸方に複数の勘定科目が並ぶ仕訳です。単一仕訳との違い、振込手数料・給与・相殺の仕訳例、総勘定元帳に「諸口(しょくち)」が表示される理由、諸口を使わずに済ませる方法、ネットバンキング連携時の実務対応までわかりやすく解説します。

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売掛金が入金されたので総勘定元帳を開いたら、相手勘定科目の欄に「諸口」とだけ書かれていて中身がわからない。経理を担当していると、一度はぶつかる場面です。

この「諸口」は、複合仕訳という仕訳の書き方と、相手勘定科目という考え方を知ると、仕組みごとすっきり理解できます。

この記事では、複合仕訳の意味と単一仕訳との違い、実務でよく使う仕訳例、そして「諸口」が表示される理由と、諸口を使わずに済ませる実務的な方法まで解説します。

この記事の要点
複合仕訳とは、1つの取引の借方・貸方の一方または両方に、複数の勘定科目が登場する仕訳のこと
相手勘定科目とは、ある勘定科目から見て、仕訳の反対側にある勘定科目のこと
相手勘定科目が複数あって1つに特定できないとき、総勘定元帳には「諸口(しょくち)」と表示される

複合仕訳と諸口の解説

複合仕訳とは|1つの取引に複数の勘定科目を使う仕訳

複合仕訳とは、1つの取引を記録する際に、借方と貸方の一方または両方に複数の勘定科目が並ぶ仕訳のことです。「複合取引の仕訳」「複合勘定」と呼ばれることもあります。

借方と貸方が「1対1」で完結する仕訳を単一仕訳(単純仕訳)、「1対N」「N対1」「N対N」になる仕訳を複合仕訳と区別します。

複合仕訳と単一仕訳の違い

単一仕訳(単純仕訳)

複合仕訳

勘定科目の数

借方1つ・貸方1つ

借方または貸方が2つ以上

対応関係

1対1

1対N/N対1/N対N

仕訳の行数

1行

2行以上

取引の全体像

分割されるとつかみにくい

1本の仕訳で把握できる

総勘定元帳での見え方

相手勘定科目がそのまま表示される

相手勘定科目が「諸口」になる

手書きの場合

仕訳帳

振替伝票

どちらが正しいというものではなく、同じ取引をどちらの形式でも記録できます。実務では会計システムの仕様や、後工程でのデータの使い方に合わせて選びます。

複合仕訳になりやすい取引の例

複合仕訳は特殊な処理ではなく、日常的に発生します。

  • 給与の支払い(総額から源泉所得税・社会保険料・住民税を差し引いて振り込む)
  • 売掛金の入金(振込手数料が差し引かれて入金される)
  • 同じ取引先との売掛金と買掛金の相殺
  • クレジットカードの引き落とし(1回の引き落としに複数の経費が含まれる)
  • 固定資産の売却(売却損益と未収入金が同時に発生する)
  • 現金の一括精算(交通費・消耗品費などをまとめて精算する)
  • 源泉を徴収する売上・源泉を徴収する支払
複合仕訳の仕訳例

複合仕訳の仕訳例3パターン

実務で遭遇しやすい3つのパターンを、単一仕訳と対比しながら見ていきます。

例1|振込手数料が差し引かれて入金された

まず、手数料なしで満額入金された場合です。

取引:売掛金20万円が、普通預金口座に振り込まれた。

借方科目

金額

貸方科目

金額

普通預金

200,000

売掛金

200,000

これは1対1なので単一仕訳です。

ところが実務では、振込手数料が差し引かれて入金されるケースが少なくありません。

取引:売掛金20万円が、銀行振込手数料770円を差し引かれて普通預金口座に振り込まれた。

借方科目

金額

貸方科目

金額

普通預金

199,230

売掛金

200,000

支払手数料

770

借方が「普通預金」と「支払手数料」の2つになりました。これが複合仕訳です。売掛金20万円を1本で消し込めるため、債権管理の観点でも扱いやすくなります。

例2|給与を支払った

複合仕訳が最も活躍するのが給与計算です。

取引:給与総額30万円から源泉所得税8,000円、社会保険料45,000円、住民税12,000円を差し引き、残額を普通預金から振り込んだ。

借方科目

金額

貸方科目

金額

給料手当

300,000

預り金(源泉所得税)

8,000

預り金(社会保険料)

45,000

預り金(住民税)

12,000

普通預金

235,000

貸方に4つの勘定科目が並ぶ「1対N」の複合仕訳です。これを単一仕訳で表現しようとすると4行に分割することになり、給与という1つの取引であることが読み取りにくくなります。

例3|売掛金と買掛金を相殺して入金された

取引:取引先に対する売掛金50万円のうち、同じ取引先への買掛金20万円を相殺し、差額30万円が普通預金に入金された。

借方科目

金額

貸方科目

金額

買掛金

200,000

売掛金

500,000

普通預金

300,000

仕入と売上の両方がある取引先では頻出します。相殺の事実を1本の仕訳で残せるため、後から経緯を追いやすいのが利点です。

相手勘定科目とは

相手勘定科目(相手科目)とは

相手勘定科目とは、ある勘定科目から見て、その仕訳の反対側に置かれている勘定科目のことです。単に「相手科目」「相手勘定」とも呼ばれます。

相手勘定科目の具体例

次の仕訳で考えてみます。

借方科目

金額

貸方科目

金額

普通預金

3,000,000

借入金

3,000,000

  • 「普通預金」から見た相手勘定科目 → 借入金
  • 「借入金」から見た相手勘定科目 → 普通預金

同じ1本の仕訳でも、どの勘定科目を主語にするかで相手勘定科目は入れ替わります。

総勘定元帳で相手勘定科目を確認する意味

相手勘定科目が重要になるのは、総勘定元帳を読むときです。

総勘定元帳は勘定科目ごとに取引をまとめた帳簿なので、たとえば「普通預金」の元帳を開くと、入出金の日付と金額だけが並びます。この状態では「300万円が入金された」ことはわかっても、それが借入なのか売上入金なのか判断できません

そこで相手勘定科目欄を見ることで、その入出金の中身がわかる仕組みになっています。

「普通預金」の総勘定元帳

日付

相手勘定科目

借方金額

貸方金額

●月●日

借入金

3,000,000

相手勘定科目は、月次のチェックはもちろん、税務調査や監査で取引の実態を確認する際にも最初に見られる情報です。

関連記事:総勘定元帳とは?書き方や読み方、重要性、実務上の取り扱いを解説

諸口とは

諸口(しょくち)とは

諸口とは、相手勘定科目が複数あって1つに特定できないときに、総勘定元帳などに表示される表記です。「複数の勘定科目をまとめています」という意味を持ちます。読み方は「しょくち」です。

諸口が表示される2つの場面

① 複合仕訳を総勘定元帳に転記したとき

例1の複合仕訳(普通預金199,230/支払手数料770/売掛金200,000)を各勘定の元帳に転記すると、次のようになります。

「普通預金」の総勘定元帳

日付

相手勘定科目

借方金額

貸方金額

●月●日

売掛金

199,230

「支払手数料」の総勘定元帳

日付

相手勘定科目

借方金額

貸方金額

●月●日

売掛金

770

普通預金と支払手数料は、どちらも相手が「売掛金」1つに定まるのでそのまま表示されます。ところが売掛金の側から見ると、相手は「普通預金」と「支払手数料」の2つあり、1行に書ききれません。

「売掛金」の総勘定元帳

日付

相手勘定科目

借方金額

貸方金額

●月●日

諸口

200,000

このように、相手勘定科目が複数ある側だけが「諸口」になります

② 会計システムで複合仕訳が使えないとき

会計システムによっては、1行に借方1科目・貸方1科目しか入力できない仕様のものがあります。この場合、複合仕訳を単一仕訳に分解して入力する必要があり、その「つなぎ役」として諸口という科目を使います。

借方科目

金額

貸方科目

金額

普通預金

199,230

諸口

199,230

支払手数料

770

諸口

770

諸口

200,000

売掛金

200,000

諸口を経由させることで、すべての行を1対1にできます。取引が完結すれば諸口の残高は必ずゼロになるため、月末に諸口残高が残っている場合は入力漏れを疑ってください。

諸口は勘定科目ではない

科目欄に表示されるため勘定科目のように見えますが、諸口は資産・負債・純資産・収益・費用のどれにも属しません。「相手が複数ある」という状態を示すための表示上の記号であり、財務諸表に登場することもありません。

資金諸口・資金外諸口との違い

会計システムによっては「諸口」のほかに「資金諸口」「資金外諸口」という科目が用意されています。これはTKCの会計システム(FXシリーズなど)に標準搭載されている独自科目で、資金繰実績表を正しく集計するために設けられた区分です。

科目

使う場面

資金繰実績表への集計

資金諸口

資金(現預金)の増減を伴う取引

集計対象になる

資金外諸口

資金の増減を伴わない取引

集計対象外になる

たとえば借入を行った際、借入金の入金や利息の支払いといった現預金が動く行には資金諸口を使い、現預金が動かない振替の行には資金外諸口を使います。使い分けを誤ると、資金繰実績表の数字がずれてしまいます。

逆にいえば、システムの資金繰実績表を使っていない場合は、厳密に使い分けなくても月次の試算表や財務諸表に影響はありません(いずれも月末残高はゼロになります)。社会福祉法人会計で使われる「資金諸口/非資金諸口」も同じ考え方です。

なお、これらはあくまでシステム固有の科目であり、弥生会計やfreeeなど他の会計ソフトには存在しません。他システムへ移行する際は、諸口として集約されるか、金額分割の単一仕訳に置き換える対応が必要になります。

複合仕訳のメリット・デメリット

複合仕訳のメリット・デメリット

内容

メリット

1つの取引を1本の仕訳で表現でき、取引の全体像がわかりやすい

仕訳の本数が減り、入力工数とヒューマンエラーを削減できる

貸借の合計が自動で一致するため、片落ちに気づきやすい

デメリット

総勘定元帳で相手勘定科目が「諸口」となり、元帳だけでは内容がわからない

中身を確認するには仕訳帳までさかのぼる手間がかかる

データをエクセルに出力して2次利用しにくい

デメリットはいずれも「あとから元帳を見る人」側に発生します。入力する側は複合仕訳のほうが楽で、読む側は単一仕訳のほうが楽、という関係にあることを押さえておくと判断しやすくなります。

「諸口」を使わずに済ませる方法

元帳の可読性やデータ活用を優先したい場合、諸口の発生自体を減らす方法があります。

金額分割の単一仕訳で入力する

仕訳登録の時点で、相手勘定科目に合わせて金額を分割し、すべて1対1の単一仕訳にする方法です。

例2の給与の複合仕訳を、金額分割の単一仕訳に組み替えると次のようになります。

借方科目

金額

貸方科目

金額

給料手当

8,000

預り金(源泉所得税)

8,000

給料手当

45,000

預り金(社会保険料)

45,000

給料手当

12,000

預り金(住民税)

12,000

給料手当

235,000

普通預金

235,000

こうしておくと、「普通預金」の元帳を抽出したときに相手勘定科目が「給料手当」と表示され、諸口になりません。複雑な仕訳ほど、あとから諸口を分解する手間が省けます。

末締め翌月払いの給与のように、支給と支払のタイミングがずれる場合も考え方は同じです。下図は同じ取引を複合仕訳で入力した場合と、金額分割の単一仕訳で入力した場合の比較です。

複合仕訳

給与を支払った場合の複合仕訳

金額分割の単一仕訳

給与を金額分割の単一仕訳にした場合

※分割を行った部分は「未払費用」と「普通預金」です。

ただし、会計システムとネットバンキングを連携させている場合は注意が必要です。連携時は実際の入金額・出金額がそのまま自動取り込みされるため、金額分割の形に整えるには手作業での修正が発生します。この点は次章で詳しく解説します。

仕訳データをエクセルで2次利用するときの注意

総勘定元帳のデータをエクセルに出力して分析や資料作成に使う場合、諸口は障害になります。

エクセルはデータベースツールであり、1件1行が原則です。1件が複数行を意味する「諸口」は、そのままではピボットテーブルや集計関数で正しく扱えません。

対応方法は主に3つです。

  1. 上記の金額分割の単一仕訳で入力し、そもそも諸口を発生させない
  2. 会計システムの出力設定で「相手勘定科目を展開して出力」する機能を使う(対応システムのみ)
  3. 出力後にエクセル側で諸口行を手作業で分解する(件数が多いと現実的でない)

定期的に元帳データを分析している場合は、1か2の運用に切り替えるほうが長期的なコストは下がります。

ネットバンキング連携と複合仕訳

ネットバンキング連携時に複合仕訳をどう作るか

ここまでは仕訳そのものの話でしたが、実務で最もつまずくのは銀行口座と会計ソフトを連携させているときです。freee会計とマネーフォワード クラウド会計を例に、考え方を整理します。

※記載している機能名は2026年8月時点のものです。

連携で取り込まれるのは「差引後の実額」だけ

例1の取引を思い出してください。売掛金は200,000円ですが、口座に実際に入金されたのは199,230円です。ネットバンキング連携で取り込まれるのは、この199,230円という実額1行だけで、「本来200,000円の債権だった」という情報はどこにもありません。

明細のまま「普通預金 199,230/売掛金 199,230」と登録してしまうと、売掛金に770円が残り続けます。取引先ごとの残高が合わなくなり、月次で原因を追う羽目になる。これが「連携しても手作業修正が必要」と言われる正体です。

必要なのは、1行の入金明細を「売掛金200,000円の消込」と「支払手数料770円の計上」に分解して複合仕訳にすることです。主要なクラウド会計ソフトには、この分解を補助する機能が用意されています。

freee会計の場合|[差額の調整]で差額を自動計上

freee会計は、一例として取引の決済で複合仕訳として登録する場合

取引が発生した日に「未決済取引」を登録し、入金・出金があった日に「消込」を行う2段階の設計になっています。

連携で取り込んだ入金明細の詳細画面から「未決済取引の消込」を開き、対象の売掛金を選択すると、明細の金額(199,230円)と未決済取引の金額(200,000円)に差額が生じます。ここで[差額の調整]をクリックすると、勘定科目「支払手数料」と差額の金額が自動で入力され、そのまま登録すれば複合仕訳が完成します。

自社の口座間で資金を移動した場合も考え方は同じですが、振替「元」の口座(出金側)の明細から登録するのがポイントです。振替先の入金明細だけを見て処理すると、振込手数料がいくらだったかがわからず、振替元口座の残高がずれます。振替元側なら[口座振替・カード引き落とし]タブの「手数料」欄に金額を入力するだけで、差額が支払手数料として計上されます。

マネーフォワード クラウド会計の場合|振替伝票入力と複合自動仕訳ルール

マネーフォワード クラウド会計で手動の複合仕訳を作る場合は、「振替伝票入力」画面で[+]をクリックして行を増やしていきます。借方と貸方の合計が一致していれば、行数の制限なく登録できます。

連携明細から作る場合に効いてくるのが「複合自動仕訳ルール」です。通常の自動仕訳ルールは1つの明細に1つの勘定科目を提案しますが、複合自動仕訳ルールを設定しておくと、1つの明細から複数行の仕訳を自動生成できます。決済代行会社からの入金(売上から手数料が差し引かれる)のように、毎月同じ形で繰り返し発生する取引に向いています。

どこまで自動化し、どこから手作業にするか

すべてをルール化しようとすると、設定の保守が追いつかなくなります。判断軸は発生頻度構成の安定度の2つです。

取引のパターン

推奨する処理

毎月同じ相手・同じ構成で発生する(決済代行の入金、給与、リース料)

自動仕訳ルール・複合自動仕訳ルールでテンプレート化

相手は変わるが構成は同じ(売掛金+振込手数料)

差額調整など、ソフトの補助機能で都度処理

単発・イレギュラー(固定資産の売却、売掛金と買掛金の相殺)

振替伝票で手入力

もう1つ、どのソフトを使っていても先に整理しておきたいのが「振込手数料をどちらが負担する取引先か」です。先方負担か当方負担かが取引先マスタで決まっていないと、差額が出るたびに担当者が個別に判断することになり、処理がばらつきます。取引先ごとの負担区分を先に決めてしまうほうが、ルール化も自動化も進みます。

【前提知識】仕訳と勘定科目の基本

ここからは、複合仕訳の土台となる仕訳の基本ルールを整理します。すでにご存じの方は読み飛ばしてください。

借方と貸方の2側面

取引には必ず原因と結果の両面があります。1つの取引が発生したら、その2つの側面を「借方」(左側)と「貸方」(右側)に分けて記録します。

取引:銀行から融資を受け、普通預金口座に300万円が振り込まれた。

借方科目

金額

貸方科目

金額

普通預金

3,000,000

借入金

3,000,000

貸方で「借入金が増えた」という原因を、借方で「普通預金が増えた」という結果を記録しています。借方の合計金額と貸方の合計金額は常に一致します。これを貸借一致の原則といいます。

勘定科目は5つの箱に分類される

勘定科目とは、取引の内容をわかりやすく表した名札のようなものです。同じ内容の取引に同じ勘定科目を使うことで、あとから内容ごとに分類・抽出できるようになります。

勘定科目「水道光熱費」の場合

勘定科目「水道光熱費」の分類

勘定科目は次の5つに分類されます。5つの箱は貸借対照表と損益計算書の要素を分解したもので、下図のように合体させると右側と左側の高さが同じになります。

勘定科目の5つの箱

分類

意味

主な勘定科目

資産

会社が持つプラスの財産

現金、預金、売掛金、有価証券、たな卸資産、前払費用、建物、車両運搬具、土地、ソフトウエア

負債

会社が負うマイナスの財産

買掛金、支払手形、未払金、未払費用、前受金、預り金、社債、長期借入金、退職給付引当金

純資産

資産から負債を引いた純粋な財産

資本金、資本剰余金、資本準備金、利益剰余金、繰越利益剰余金、新株予約権

収益

一会計期間で得た収入

売上高、受取利息、受取配当金、為替差益、雑収入、固定資産売却益

費用

収益を得るためにかかった経費

仕入高、給料、法定福利費、広告宣伝費、交際費、旅費交通費、通信費、消耗品費、支払手数料、地代家賃、減価償却費、支払利息

※勘定科目は金融庁が公表している「勘定科目リスト」より抜粋しています。

参考:金融庁ホームページ

勘定科目名は法律で定められているわけではなく、会社ごと・会計システムごとに異なります。そのため、誰が見ても内容がわかる名前にしておくことが重要です。担当者が変わったときの仕訳のブレを防げます。

関連記事:経費とは?わかりやすく解説|経費で落とせるもの・落とせないもの・勘定科目一覧【2026年版】

仕訳のルール一覧

5つの分類のうち、「資産」「費用」は増加したときに借方へ、「負債」「純資産」「収益」は増加したときに貸方へ記入します。減少したときは、その逆側に記入します。

5つの箱

増加したとき

減少したとき

資産

借方

貸方

費用

借方

貸方

負債

貸方

借方

純資産

貸方

借方

収益

貸方

借方

仕訳のルール

この表を覚えてしまえば、どんな取引でも借方・貸方を判断できます。

例:商品の掛け代30万円を預金口座から支払った。

  • 買掛金(負債)が減少 → 借方に記入
  • 普通預金(資産)が減少 → 貸方に記入

借方科目

金額

貸方科目

金額

買掛金

300,000

普通預金

300,000

関連記事:財務諸表を学ぶ。貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の役割

複合仕訳と諸口のよくある質問

よくある質問

Q. 諸口の読み方は?

「しょくち」と読みます。地名や人名では「もろくち」と読む例がありますが、簿記・会計では「しょくち」です。

Q. 諸口は勘定科目ですか?

勘定科目ではありません。資産・負債・純資産・収益・費用のどれにも属さず、「相手勘定科目が複数ある」ことを示す表示上の記号です。財務諸表には登場しません。

Q. 複合仕訳と単一仕訳は、どちらを使うべきですか?

どちらでも会計上は正しく処理できます。入力工数を優先するなら複合仕訳、元帳の可読性やデータの2次利用を優先するなら金額分割の単一仕訳が向いています。

Q. 複合仕訳は簿記3級の範囲ですか?

範囲に含まれます。特に「仕訳帳から総勘定元帳へ転記する際、相手勘定科目が複数なら摘要欄に諸口と書く」という論点が問われます。

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項目内容

サービス名

Remoba経理

会社名

(株)Enigol

公式サイト

https://remoba.biz/accountant

まとめ

複合仕訳・相手勘定科目・諸口の関係を整理すると、次のようになります。

  • 複合仕訳:1つの取引で借方または貸方に複数の勘定科目が並ぶ仕訳
  • 相手勘定科目:ある勘定科目から見た、仕訳の反対側の勘定科目
  • 諸口:相手勘定科目が複数あって特定できないときの表示。読み方は「しょくち」

複合仕訳は入力する側にとって効率的な一方、あとから総勘定元帳を読む側には「諸口」という形で負担が回ります。仕訳データを分析や資料作成に2次利用する予定があるなら、金額分割の単一仕訳を検討する価値があります。

会計ソフトの自動仕訳機能は便利ですが、複合仕訳のような複雑な取引は自動取り込み後に手作業での修正が必要になる場面が残ります。業務効率と、あとから使えるデータ設計の両方を踏まえて、自社に合った運用ルールを決めていきましょう。

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この記事の監修者

辻田和弘のプロフィール画像

株式会社Enigol

辻田和弘

東京大学経済学部卒業後、丸紅株式会社に入社。経理部にて事業投資案件の会計面での検討・支援を担当するほか、子会社の内部統制構築、IFRS導入プロジェクト、全社連結会計システム導入プロジェクトに従事。公認会計士・税理士として長年にわたり会計・税務専門業務に携わった経験を持つ。現在は株式会社Enigolを創業し、Remoba(リモバ)経理・労務の総合監修を担当。スタートアップから中小企業・大企業まで、経理・労務を含むバックオフィス業務全般の支援を行っている。

資格
公認会計士
税理士

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