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「教えられる人がいない」状況で、4営業日の締めを守れるか
ミチルワグループでは、勤怠締め後4営業日以内に給与処理を完了させることが前提になっています。もともとタイトなスケジュールですが、給与チェックを担っていたメイン担当2名が育休・異動でほぼ同時に抜けたことで、その前提が一気に揺らぎました。
残ったメンバーは、労務部門に来て間もない2名。会社固有の細かなルールを把握しきれておらず、しかも「教えられる人もいない」という状態でした。
なお、同社では給与計算そのものは外部社労士が担当しています。Remobaが担ったのは、その計算結果のチェックと差し戻し管理です。この役割を担える社内人材がいなくなった、というのが今回の問題の核心です。
この状況に対してミチルワグループが選んだのが、Remobaの労務BPOです。現在は月30時間・3名体制で給与チェックを委託し、移行当初から大きなトラブルなく運用が続いています。
会社紹介

ミチルワグループは「生きる、を充たす。」をビジョンに掲げ、児童発達支援から就労移行・定着支援まで、子どもから大人を対象とした障害福祉サービスを展開する企業グループです。2022年の設立以降、複数の社内カンパニー・子会社を通じて事業を拡大し、2025年には関連子会社を吸収合併するなど、グループ経営の強化を進めてきました。
複数法人・複数拠点にまたがる体制のもと、給与・勤怠管理には高い精度と一貫性が求められています。今回お話を伺ったのは、グループ全体の管理本部のご担当者様です。
導入前の状況:「そもそも給与計算、ちゃんとできるんでしょうか」
給与チェックはもともと2名体制で回していました。ところが育休取得の決定と同時期に、もう1名の主要担当の異動も重なり、チェックを知っている人間が一度に抜けることになりました。
引き継いだのは、経験者1名と、他部門から異動してきたばかりの1名。どちらも着任して日が浅く、同社固有の運用ルールを十分に把握できていない状況でした。
「そもそも給与計算、ちゃんとできるんでしょうか、というところから。根本のところが課題でした」
問題は部分的な人手不足ではなく、給与チェック体制そのものが成立しなくなることでした。4営業日という締めは変わりません。そこに人材の空白が生じました。
「大きいトラブルが1個あれば本当に間に合うんだろうかというスケジュール感でした」
なぜ採用・派遣ではなくBPOだったか
そもそもの問題は、外部社労士が作成した給与計算の結果を、社内で確認できる人間がいないことでした。
採用や派遣も検討しましたが、当時は現実的ではありませんでした。理由は3つです。
- 業務を教えられる人間がいない
- 新しい人材がキャッチアップする時間がない
- 4営業日の締めに失敗は許されない
この条件が揃うと、採用・派遣という選択肢では間に合いません。必要だったのは、給与チェック業務にはじめから習熟している外部の専門家チームでした。
さらに、Remobaの稼働時間制が社内稟議を通しやすくした、という点も大きかったといいます。
「必要最低限、ここだけ押さえてほしいという時間で握って依頼できるので、費用感を抑えやすい。承認も得やすかったです」
現在の契約は月30時間・3名体制。専任の事務担当を社内で新たに採用・教育するよりも、抑えたコストで運用できています。
複数法人をまとめて1チームが担える点も、グループ企業にとっては見逃せないメリットです。法人ごとに担当者を置けば、その分だけ人件費がかかります。BPOであれば、グループ全体の給与チェックを1契約でカバーでき、法人数が増えても担当者を増やす必要がありません。
なぜRemobaだったか
稼働時間制とコスト面に加えて、今回の案件構造に合っていた理由がいくつかあります。
引き継ぎがほぼゼロの状態から入れた
教えられる人がいない、マニュアルも整備されていない。そういった状態から業務を整理しながら立ち上げられる体制があることが、選定の前提になりました。
既存の外部社労士との役割分担が成立した
給与計算は外部社労士、チェックと差し戻し管理はRemoba、という三者の役割が明確に分けられます。社労士に計算とチェックの両方を依頼すると牽制が効かなくなりますが、Remobaを間に置くことでチェック機能が独立します。
グループ複数法人をまたいで対応できた
単一法人ごとの契約対応ではなく、グループ全体の給与チェックを一括して見る体制が作れました。
社労士資格保有者がチームに含まれている
外部社労士が作成した計算結果を、同じ専門知識を持つ立場から確認できます。社内に「判断できる人間がいない」状態でも、計算ロジックの正否を外部チームが独立して検証できる点は、派遣スタッフや一般事務への外注では代替できません。
毎月の処理:7つのステップ
毎月の処理は以下の流れで進みます。
ステップ | 内容 |
|---|
1 | 外部社労士 → 計算結果を一次納品 |
2 | ミチルワ社 → 所定の場所へ格納・Remobaへ連絡 |
3 | Remoba → 一次チェック+ダブルチェック |
4 | Remoba → 修正依頼メール(外部社労士宛・CC関係者) |
5 | 外部社労士 → 修正再納品・確定連絡 |
6 | 外部社労士 → SmartHRへ明細投入 |
7 | Remoba → 氏名・金額の誤紐づけ最終確認 |
1名が確認して終わりではなく、一次チェックとダブルチェックをRemobaが担い、明細投入後にも最終確認が入ります。複数の目が入る構造を、外部チームの中で完結させています。
業務のフローをわかりやすく設計した例チェック項目の設計:個社ごとにカスタマイズする
給与計算チェック項目サンプルグループ企業の給与チェックには、法人ごとに異なる雇用形態・手当条件・運用ルールが存在します。全社一律のチェック手順だけでは、その差異がそのままエラーの温床になります。
そこで今回は、チェック手順を2層に分けて設計しました。
- 全社共通チェック事項:どの法人でも必ず確認する基本項目
- 個社ごとのチェック事項:その法人固有のルールや条件に応じた項目
この2層構造を前提に、「どこでエラーが起きやすいか」という視点でチェック項目を賃金規定・就業規則や給与システムなどの実態に合わせて設計し、4つのカテゴリに体系化しています。
カテゴリ | 主な内容 |
|---|
変動・マスター | 入社/昇給/退職/通勤手当/標準報酬・保険料/月変 |
勤怠(ジョブカン) | CSV → 実働日数・人数一致確認 |
賃金計算ロジック | 欠勤控除・日割り計算・通勤費・住民税・残業・管理監督者・アルバイト |
集計・整合・最終 | 支給合計整合・支給ゼロ確認・氏名取り違い確認 |
個社ごとのチェック事項には、その法人特有の運用ルールや過去の誤処理の経緯も反映されています。担当者が変わっても、ドキュメントを見れば誰でも同水準のチェックができる状態を目指しました。
情報管理:「この人しか知らない」を作らない
属人化を防ぐために、情報の流れも整理しています。
- SmartHR:給与・通勤マスタの正本。データに齟齬があればSmartHRを優先するルールを明文化
- 変動連絡シート:入社・昇給・退職・月変などを毎月定型フォーマットで共有。SmartHRとの突合を必須チェック項目に設定
- 共有メールアドレス:担当個人ではなく共有アドレスで受発信を統一。特定の人間が休んでも連絡が止まらない体制
導入後の成果
移行期は情報が整理されていない部分もありましたが、月1回のWeb会議と数回のメールやり取りだけで運用が安定しました。
「頻度の少なさの割に、結果が良かったです。少ないやり取りで満足できる結果が出ているのは、能力の高さの証明だと思っています」
導入前後の変化を整理すると、以下のようになります。
項目 | 導入前 | 導入後 |
|---|
給与チェック体制 | 担当2名が同時離脱、実質崩壊寸前 | 月30時間・外部3名体制で安定 |
4営業日締め | 維持できるか不明な状況 | 継続して維持 |
チェックの属人化 | 特定担当者に依存 | 手順書・共有アドレスなそ仕組みで低減 |
教育負荷 | 教えられる人間がいない | 外部チームが自走 |
コスト | 採用・派遣では重い | 社内増員より抑えた水準 |
クライアントの声
「メイン担当が同時期に抜ける状況で、社内で教えられる人もいない。このままでは給与が止まりかねないという感覚がありました。外部のプロに任せられる体制があったことは、本当に助かりました」
「月30時間・3名体制で、社内に専任を1人増やすよりコストが抑えられています。しかも社労士資格を持つメンバーを含む複数の目でチェックが入る。採用して一から教育する余裕がなかった当時の状況では、現実的な選択肢はここしかなかったと思っています」
「移行期は情報も揃っていない部分があったと思いますが、大きなトラブルなく回せたことは安心材料でした。やり取りが少ないのに結果が出ている点は、高く評価しています」
給与チェックの担当者依存や、育休・退職に備えた体制整備に課題をお感じの場合は、現状の体制でどこに手を打てるか、まずはご相談ください。複数法人をまとめて対応できるか、現在の外部社労士との役割分担をどう整理するかも含めて、御社の状況に合わせた体制設計をご提案します。