レセプト業務は代行・外注できる?メリット・デメリットや選び方を解説

レセプト業務は代行・外注できる?メリット・デメリットや選び方を解説

アシスタント更新日:2025-04-22

レセプトの業務は負担が大きいため、対処に苦労している医療機関は多いです。レセプト業務に問題を抱えている場合は、解決策として代行・外注を利用する方法があります。代行・外注を利用することのメリットは大きいです。本記事ではレセプト業務の代行・外注について、メリット・デメリットやサービスの選び方などを紹介します。

レセプト業務は代行・外注できる

レセプト業務は外部業者に代行・外注することが可能です。レセプト業務の代行・外注について詳しく紹介します。

医療事務は人手不足が続いている

多くの医療機関で医療事務の人手不足が続いているのが現状です。医療事務が足りていないため、レセプト業務が滞るケースがあります。
医療事務が不足する主な原因は、離職率の高さや少子高齢化による労働力不足などです。医療事務は業務量が多く、専門性の高さが求められ、大きな負担を強いられます。医療事務としてスタッフを雇ってもすぐ離職されるケースが多いです。また、少子高齢化で労働力そのものが減少しているため、求人を出しても応募が集まらないケースは珍しくありません。
医療機関の経営において医療事務は欠かせない存在のため、人手不足について早急に対策が必要になります。

レセプト業務を代行・外注するケースは増えている

レセプト業務に対応するために代行・外注を活用するケースは増えています。レセプト業務を外部業者に任せることで多くのメリットがあるからです。
レセプト業務に関する課題を抱えている医療機関はたくさんあります。レセプト業務の代行・外注の需要が高まっており、多くのサービスが登場しました。
代行業者にはレセプトの作成から修正、提出、返戻の対応まで任せられます医療事務の人手不足の問題を解決できて、さらに人件費の削減やコア業務に集中できるなどメリットが大きいです。

代行・外注で対応してもらえるレセプト業務

代行業者は以下のようなレセプト業務に対応してくれます。

  • レセプトの作成・確認
  • レセプトの修正
  • レセプトの提出
  • 返戻対応

代行業者にどのような業務を代行してもらえるのか詳しく紹介します。

レセプトの作成・確認

代行業者にはレセプトの作成や確認の作業を依頼できます。
診療報酬を算出するベースとなるため、正確なレセプトの作成をしなければいけません。さらに、レセプトの作成の後には確認を行い、ミスがあれば修正が必要です。レセプトの量が膨大になると、作成や確認に多くの手間と時間がかかります。
レセプトの作成や確認を代行業者に任せると、正確なレセプトの作成が可能です。また、レセプトを作成するのにかかる手間を省くことができ、業務効率化につながります。

レセプトの修正

代行業者はレセプトの修正まで対応してくれるケースが多いです。プロの視点からレセプトの点検を行い、必要な修正をしてくれます。
レセプトにミスがあると査定や返戻される可能性が高いです。医療機関の収入が減り、信頼を損なうことにつながります。レセプトの修正を行うことで正確なレセプトの提出ができ、査定や返戻が発生するケースを軽減できるでしょう。
専門家の視点からレセプトのチェックを行い、誤入力などを正しく修正してくれます。

レセプトの提出

レセプトの作成だけではなく提出まで代行してもらえます。完成したレセプトは、診療報酬を請求するために支払審査機関へ提出しなければいけません。
基本的には、代行業者に必要なデータを提出すれば、レセプト提出に必要な作業はすべて依頼できます。ただし、代行業者によってデータの送信方法や作業の流れが異なるケースがあるため、事前に確認が必要です。
また、オンラインでレセプトを提出する場合には、特に注意が必要です。送信作業は医療機関自身が行うことが原則ですが、業者が医療機関内で操作を代行するケースもあります。この際、オンライン請求システム(オンライン請求端末)にログインする際には、電子証明書を使う必要があり、これは医療機関に紐づいたもので第三者への貸与は禁止されています。そのため、外部業者が自社からリモート操作により送信を行うことはできません。
参考:オンライン請求システム利用規約

返戻対応

レセプトが返戻された場合の対応まで代行業者に依頼できます。
提出したレセプトの内容に問題があるため、レセプトが差し戻されるのが返戻です。記載内容の誤りや不備、疑わしい点があるなどの理由から返戻が発生します。返戻の理由を確認した上で正確に修正をしないと却下される可能性があるため重要な手続きです。
代行業者に返戻対応を任せると、返戻された原因を分析して修正まで対応してくれます。

レセプト業務を代行・外注するメリット

代行業者にレセプト業務を外注するメリットは以下の通りです。

  • 正確なレセプト作成ができる
  • 再請求の負担が減る
  • 保険者から信頼される
  • 他の業務に集中できる

レセプト業務を代行業者に外注するメリットを詳しく紹介します。

正確なレセプト作成ができる

代行業者のプロに任せることで正確なレセプト作成ができる点がメリットです。レセプト作成は項目がたくさんあり、さまざまな種類に分かれています。レセプト作成の作業量は多く、ミスが発生しやすいです。
プロにレセプト代行を外注すれば、精度の高いレセプトを実現できます。レセプトの質が高まれば、返戻や査定を受けるリスクを減らせるでしょう。算定漏れも回避することができて、医療機関は安定した収入を確保できます。

再請求の負担が減る

レセプトを外注すれば、再請求の負担が減る点もメリットです。
レセプトが審査に通らずに返戻された場合は、内容を修正して再請求します。再請求するには、返戻された原因を分析して、内容を正しく修正しなければならず手間がかかる作業です。代行業者であれば、レセプトが返戻された場合の対応もしてくれます。
レセプトの再請求を怠ると医療機関の収入が減るだけではなく、保険者からの信頼が下がるなどリスクが大きいです。レセプト業務を代行していれば、スムーズに再請求の手続きを済ませられます。

保険者から信頼される

レセプト作成を代行すると、レセプトの質が高まり返戻や査定されるケースが減るため、保険者から信頼されるのがメリットです。
提出したレセプトが返戻や査定されるケースが多いと保険者からの信用を失います。経営に問題があると疑われて、厚生労働省から指導や監査が入るケースもあるため注意が必要です。保険者からの信用低下は医療機関の経営において大きなリスクになります。
レセプト作成の代行業者を利用していれば、レセプトが却下されるケースが減り、医療機関としての信頼を確保できるでしょう。

他の業務に集中できる

レセプト業務を外部業者に代行してもらうことで、医療スタッフはコア業務に集中できますレセプト業務は負担が大きいため、その他の業務に割けるリソースを減らしてしまうのが問題です。レセプト業務を外注することで、医療スタッフは他の業務に専念できるようになります。
医療機関は経営を進める上で活用できるリソースに余裕がないのが一般的です。レセプト業務の負担がなくなれば、医師や看護師の補助などの業務をする余裕が生まれるため、質の高い医療サービスを提供できるようになります

レセプト業務を代行・外注するデメリット

レセプト業務を外部業者に代行してもらうことのデメリットは以下の通りです。

  • ノウハウが蓄積されない
  • コストがかかる
  • 代行・外注先の都合でレセプト業務がストップするリスクがある
  • サービスを選定しなければいけない

レセプト業務を外部業者に頼るデメリットについて詳しく紹介します。

ノウハウが蓄積されない

レセプト業務を外注に頼るとノウハウが蓄積されない点がデメリットです。将来、レセプト業務を内製化したい場合に困ります。職場にレセプト業務を担当できる人材がいないと、常に代行や外注に頼らなければいけません。
レセプト業務に対応できる体制を整えておくことは大事です。たとえば、一部の業務のみを外注する、あるいはレセプト業務を担当できるスタッフを一部残しておくといった選択肢もあります
レセプト業務を外注する際には、将来的にレセプト業務を内製化するための対策も考えておきましょう。

コストがかかる

レセプト業務の代行を依頼する場合はコストがかかります。サービスや依頼する業務範囲などによって料金はさまざまです。医療事務のスタッフを配置するよりも代行サービスの利用の方がコストがかかるケースはあります。どちらの方がコストがかかるのかはケースバイケースです。
たとえば、レセプト業務の負担が大きくてスタッフが残業していた場合は、外注することで残業代の削減につながります。外注することでどの程度のコストを削減できるのかシミュレーションしておくことが大事です。

代行・外注先の都合でレセプト業務がストップするリスクがある

外注先の倒産やサービス終了などの都合によりレセプト業務がストップするリスクを考慮しましょう。外注先がレセプト業務に対応できなくなると、診療報酬の請求が遅れます診療報酬が入るのが遅れれば医療機関の収入が減り、経営にとって大きなリスクです。
別の代行業者に乗り換えてレセプト業務を継続するという選択肢もあります。しかし、すぐに別の業者を見つけられるとは限らず、引き継ぎが難航するケースも珍しくありません。
外注先のサービスを利用できなくなるリスクを考慮して対策を考えておきましょう。

サービスを選定しなければいけない

レセプト業務の代行サービスはたくさんあるため、依頼先の選定が必要です。それぞれのサービスの料金や対応範囲、運用方法などは大きく異なっています。
料金形態としては従量課金制と月額課金制の2種類が一般的です。対応の方法には、スタッフを派遣してくれるサービスとリモートで対応してくれるサービスがあります。
それぞれのサービスの違いを考慮した上で希望条件を満たしているサービスを選びましょう。

レセプト業務の代行・外注先の選び方

レセプト業務の代行サービスを選ぶ際のポイントは以下の3つです。

  • 対応業務を確認する
  • 実績をチェックする
  • 既存システムに対応しているか確認する

どのような点を意識して代行サービスを選ぶべきかポイントを紹介します。

対応業務を確認する

レセプト業務について、どのくらいの範囲まで業務に対応してくれるのか確認しておきます。レセプトの作成や確認、提出、返戻への対応までレセプト業務は幅広いです。さまざまなプランに分かれていて、それぞれ対応できる業務が異なるケースがあります。中には依頼できる業務を自由にカスタマイズできるサービスもあるため注目してみましょう。
レセプト業務だけではなく、予約受付管理や会計処理、クラーク業務などまで対応できるサービスもあります。
あらかじめ代行業者に任せたい業務を決めた上でサービスを選びましょう。

実績をチェックする

レセプト業務の代行についてどの程度の実績があるか確認することは大事です。レセプト業務は専門的なスキルやノウハウが要求されます。医療事務に関して豊富な経験やノウハウのある業者でなければ、質の高いレセプトを作成できません。
サービスを開始してからの年数や継続年数、取引実績など細かく確認しておきましょう。実績についてはWebサイトで公開されているケースが多いです。また、問い合わせをする際にどの程度の実績があるのか、確かなノウハウがあるのか確認することをおすすめします。

既存システムに対応しているか確認する

医療機関内で利用している既存システムに対応できるか確認しておきましょう。レセプトの作成は電子カルテシステムや医事会計システムによって行います。代行サービスによって対応できるシステムは異なるため注意しましょう。幅広いシステムに対応できるサービスであれば利用しやすいです。
既存システムを活用してレセプト業務を進めてもらいたい場合は問い合わせの際に質問しておきましょう。

まとめ


レセプト業務の代行サービスを利用すると得られる効果は大きいです。業務効率化やコスト削減、コア業務への注力など多くのメリットがあります。
ただし、レセプト業務を代行に頼るとノウハウが蓄積されない点はデメリットです。他にも、サービスを利用するのにコストがかかる点や外注先の倒産などのリスクがある点に気をつけましょう。代行サービスはたくさんあるため、外注先の選定にも気を配る必要があります。

医療事務の人手不足やコストの増大などの課題を抱えているならば、外注サービスの利用は有効な解決策になるでしょう。本記事の内容を参考にして、レセプト業務の代行・外注を検討してみてください。

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この記事の監修者

柳沢智紀のプロフィール画像

株式会社Enigol

柳沢智紀

株式会社リクルートホールディングスでWEBマーケティング業務および事業開発を経験し、アメリカの決済会社であるPayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。対話型マーケティングによる顧客育成から売上げアップを実現するsikiapiを開発。

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