経理や労務、採用などを委託するのはBPOに分類されます。システム開発やサーバー保守などの業務を委託するのはITOです。KPOはデータ分析やデータベース構築など専門性の高い業務の委託を指します。
アウトソーシングの利用が増えている背景
アウトソーシングは多くの企業で活発に利用されています。アウトソーシングの活用が増えた背景は人材不足が進んでいるからです。
日本は少子高齢化が進んでおり、生産年齢人口は減少を続けています。あらゆる業界で人手が足りない状態が続いているため、人材不足への対策は大きな課題です。人材不足の対策としてさまざまな手法がある中でアウトソーシングは比較的簡単に導入できます。
優先度の低い業務でアウトソーシングが利用されるケースは多いです。アウトソーシングを活用することで、自社の社員はコア業務に専念できます。
アウトソーシングされることが多い業務
アウトソーシングが活用されることの多い業務を以下にまとめました。
それぞれの業務の特徴やアウトソーシングとの相性などについて説明します。
経理
経理業務とは、企業のお金や取引に関する情報を記録して管理する業務全般を指します。たとえば、帳簿への記帳や請求書の作成などです。
経理業務はアウトソーシングとの相性が良いとされています。経理業務は企業にとって重要ですが、本業とは直接関わらない仕事です。特に中小企業の場合は人手不足のため、経営者や営業などが経理業務を兼任しているケースもあります。
経理業務をアウトソーシングすることで、本業に専念できるようになり、生産性が向上するでしょう。また、専門家に経理業務を任せることで、会社のお金や取引の流れを正確に記録できるため、決算申告のミスを防げます。
労務
労務とは給与計算や勤怠管理、社会保険の手続きなどを担当する業務のことです。従業員が満足して働ける環境を整備するために労務は重要な役割を果たします。
労務は経理と同様に本業とは直接関わりのない業務です。特に中小企業では経理や労務など複数の業務が兼任されていることがよくあります。兼任する業務が多いとミスが起きやすく、重大な事態を引き起こすリスクがあり危険です。
アウトソーシングすることで労務を専門家に任せることができ、業務の兼任の問題を解決できます。
採用
人材を確保するための業務が採用であり、人手不足の解消のために重要な役割を果たします。採用の業務は多岐にわたり、総合力が要求される難しい仕事です。しかし、実際には多くの企業で採用業務は経理や労務などと兼任されています。
採用をアウトソーシングすることで、採用業務の効率化を図ることができ、採用の質も向上するでしょう。採用の業務を外部に委託すれば、社内リソースに余裕が生じて、コア業務に集中できます。
営業事務
営業事務は営業のサポートをする業務で、顧客・取引先のデータの管理やリサーチ、在庫の管理などの仕事を行います。営業事務がサポートすることで営業はコア業務に専念できるため重要な仕事です。
営業事務には事務スキルやPCスキル、コミュニケーションスキルなど幅広い能力が求められます。営業事務をアウトソーシングすることで業務効率化を実現し、業務の質も高まるでしょう。
アウトソーシングを活用するメリット
アウトソーシングを導入するメリットを以下にまとめました。
- コストの節約につながる
- 重要な業務にリソースを割けられるようになる
- 自社に不足するスキルやノウハウを補える
- 繁忙期・閑散期に対して柔軟な対応ができる
アウトソーシングを利用すれば人件費や採用コストなどの削減につながります。重要度の低い業務をアウトソーシングすることでコア業務に多くのリソースを割けられる点もメリットです。
自社にノウハウやスキルのない分野についてアウトソーシングすれば、専門性を補うことができます。アウトソーシングを上手く活用することで繁忙期・閑散期の人員調整に対応できる点もメリットといえるでしょう。
以下ではアウトソーシングのメリットについて詳しくみていきます。
コストの節約につながる
アウトソーシングを導入することでさまざまなコストの削減を期待できます。削減できるコストは、人件費や設備投資費用などです。
重要度の低い業務を外注することで、人件費を外注費として扱えるようになります。業務の量に応じて外部委託の量を調整することで、人件費の削減につながるでしょう。
また、当該業務を行うために必要な設備を自社で持つ必要がなくなるため、アウトソーシングには設備投資費用の節約の効果もあります。
重要な業務にリソースを割けられるようになる
優先度の低い業務をアウトソーシングに回すことで、重要な業務に人的リソースを重点的に回せるようになります。コア業務に人材や資金を集中できるようになれば、コア業務が強化されるため、企業の競争力が高まるでしょう。
コア業務は専門性が要求され、自社特有のノウハウも活用するのが特徴です。コア業務に取り組める能力のある人材に重要度の低い業務も任せるのはリソースの無駄遣いになります。アウトソーシングを活用すれば、専門性の高い人材がコア業務に集中できる環境が整うでしょう。
自社に不足するスキルやノウハウを補える
アウトソーシングを利用すればプロフェッショナルな人材に専門性の高い業務を任せられます。自社に不足する高度な知識や技術、ノウハウを活用できるようになり、業務の効率化や質の向上を期待できるでしょう。
たとえば、ITの分野はトレンドが頻繁に変わっており、自社で対応するのが難しいケースがあります。アウトソーシングを利用すれば、最先端の知識や技術を業務に取り入れることが可能です。
繁忙期・閑散期に対して柔軟な対応ができる
繁忙期や閑散期のある業務であれば、アウトソーシングを利用することで柔軟な対応が可能です。たとえば、経理業務であれば月初や月末、年末などは業務量が多くなります。アウトソーシングであれば、繁忙期のみスポット的に利用するといった柔軟な対応が可能です。必要な場合にのみスポット的に利用することで、フルタイムの社員を雇う場合よりもコストを減らすことができます。
アウトソーシングを利用するデメリット
アウトソーシングを活用するデメリットは以下の通りです。
- 費用がかかる
- 責任の所在が曖昧になりやすい
- 自社にノウハウが蓄積されなくなる
- 管理をしっかりと行わないと業務の品質低下のリスクがある
アウトソーシングを活用するには費用がかかります。また、業務を外部に委託することで責任の所在が曖昧になる点にも注意が必要です。当該業務を自社で対応しなくなることでノウハウが蓄積されなくなる点にも気をつけましょう。
以下では業務をアウトソーシングするデメリットについて詳しく紹介します。
費用がかかる
アウトソーシングをするには費用がかかる点はデメリットです。どのくらいの費用がかかるのかは、業務の内容や業務プロセス、利用するツールなどによって異なります。基本的には専門性が高い業務や特殊な業務ほど費用は高いです。
たとえば、自社に特有のツールやシステムを利用するケースや、特殊な工程が含まれるケースなどは費用が高くなります。
自社で業務を行うのとアウトソーシングするのとで費用対効果を比較することが大切です。アウトソーシングすることで費用が大きくなるケースがあるため注意しましょう。
責任の所在が曖昧になりやすい
アウトソーシングでは外部の企業に業務を委託するため、業務の責任の所在が曖昧になる点に注意しましょう。仮に契約書で損害賠償について規定していたとしても、アウトソーシング先の企業の責任であると明確にできなければ、請求は難しくなります。アウトソーシングをする際には業務の責任の範囲について明確にすることが大事です。
自社にノウハウが蓄積されなくなる
アウトソーシングで進めている業務のノウハウが自社に蓄積されなくなる点はデメリットです。自社にノウハウがないと、将来的に業務の内製化をするのが難しくなります。また、アウトソーシング先の倒産やサービスの終了などのリスクもあるため、自社で業務を対応しなければいけない可能性は0ではないです。
これからアウトソーシングを活用する際には、自社にノウハウを蓄積するための対策が重要になります。
管理をしっかりと行わないと業務の品質低下のリスクがある
アウトソーシングでは委託先に業務の進め方を委ねることになるため、細かな状況を把握しにくい点に注意が必要です。しっかりと管理しておかないと委託した業務の品質が低下するリスクがあります。
委託先の企業と定期的にコミュニケーションを取り、情報共有や意思の疎通がスムーズにできる関係を構築することが大切です。
アウトソーシングするために必要な準備
これからアウトソーシングを導入する上で準備しておきたい点を以下にまとめました。
- 業務上の課題をはっきりさせておく
- 想定する効果を設定しておく
- コア業務とノンコア業務を明確にしておく
アウトソーシングする前に何を準備しておくべきなのか詳しく紹介します。
業務上の課題をはっきりさせておく
アウトソーシングで解決したい業務上の課題を明確にすることが大切です。業務の効率が悪いケースや業務の品質が低いケースなどがあります。具体的にどんな課題があるのかをはっきりさせておくと、アウトソーシングを利用する目的が明確になるでしょう。
想定する効果を設定しておく
アウトソーシングの導入の結果としてどのような価値がもたらされるのか、想定する効果を設定しておきます。たとえば、どの程度のコスト削減ができるのか、どのくらいの業務効率化を見込めるのかなどです。
想定効果を設定しておくと、アウトソーシング先を選ぶ際に役立ちます。また、期待できる効果を設定しておくことで社員に納得してもらいやすくなるでしょう。
コア業務とノンコア業務を明確にしておく
コア業務とノンコア業務を明確にしておくと、アウトソーシングに任せる業務が分かりやすくなります。基本的にはノンコア業務を外部に委託するケースが多いです。重要度が比較的低い業務を明確にしておくことで、委託先企業との打ち合わせはスムーズに進みます。
業務のアウトソーシング先の選び方
社内の業務をアウトソーシングするには、委託先の企業を選定する必要があります。以下ではアウトソーシング先の選び方についてポイントを紹介します。
対応できる業務と料金の詳細を確認する
アウトソーシングに対応できる業務の内容と料金について詳細を確認しましょう。依頼したい業務にすべて対応してもらえるのか、どの程度の費用がかかるのか詳しく調べておきます。
候補となる企業からは必ず見積りをもらっておきましょう。対応できる業務の内容や料金を比較することで、アウトソーシング先を選びやすくなります。
過去の実績を確認する
アウトソーシングしたい業務について過去の実績を確認しておきます。これまでにどんな企業から業務委託を受けてきたのか、どのような業務に対応してきたのか細かくチェックしておきましょう。実績が豊富であれば、当該業務について豊富なノウハウがあり、信頼できます。
自社の属する業界への理解があるかどうかは重要
自社の属する業界について深く理解しているかどうかを見極めましょう。自社と同じ業界や業種の業務に対応してきた実績があるかどうかが大事です。
たとえば、経理業務の場合は業界によって会計基準や経理処理のルールが異なるケースがあります。自社の属する業界に詳しい企業であれば、業界に特有の業務にも対応してもらえるでしょう。
セキュリティへの取り組みを重視する
アウトソーシング先を選ぶ際には、セキュリティ対策の取り組みに注目しましょう。
たとえば、経理や労務などの業務を委託する場合は、社員の個人情報を共有しなければいけません。委託先のセキュリティ対策が万全でないと情報漏洩のリスクがあります。セキュリティに関する研修を行っているか、セキュリティに関する国際規格を取得しているかを確認しましょう。
営業事務のアウトソーシングはRemoba営業事務がおすすめ
営業事務の業務をアウトソーシングしたいならばRemoba営業事務がおすすめです。
プロの営業事務チームが営業サポート業務を代行してくれます。顧客のデータ管理から資料作成、受発注システムの運用までオンラインで請け負ってくれるアウトソーシングサービスです。
ノンコア業務をRemoba営業事務に任せることで、コスト削減や業務効率化を実現でき、リソースをコア業務に集中できます。