1. レシートの正しい管理方法や領収書との違い、経費精算時の扱い方
レシートの正しい管理方法や領収書との違い、経費精算時の扱い方

レシートの正しい管理方法や領収書との違い、経費精算時の扱い方

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レシートは商品を買った際に受け取る用紙です。レシートは商品やサービスを購入し、代金を支払ったことを証明するためのものであり、会計や税務の手続きにおいて重要な存在です。本項では、レシートの定義や管理方法などについて解説していきます。レシートの正しい使い方を知ってビジネスを円滑に進めていきましょう。

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目次

レシートとは何か?

レシートは私たちの暮らしにおいても身近なものですが、ビジネスにおいても重要な役割を果たします。ビジネスにおいてレシートはどのような存在でしょうか。レシートとはそもそも何なのか、レシートに必要な項目について紹介していきます。また、レシートと領収書の違いについても見ていきましょう。

レシート

レシートとは

レシート(receipt)とは、サービスの代金として代金を支払ったときに、代金の支払いがあったことを証明する用紙です。サービスを利用して代金を払った証憑をもって経費精算とするのです。例えば、コンビニなどで買い物をした際に受け取るのがレシートです。

レシートの使い道としては、主に経費の精算をする用途があります。その他、料金を支払った明細の一覧として管理することで、支出の内訳を管理することにも有用です。レシートに記載されているものは以下の内容です。

・サービスを提供した事業者の名称
・取引の年月日
・料金、消費税
・サービス(品物)の明細

レシートと領収書の違い

代金の支払いを証明する用紙は「レシート」と呼ばれることもあれば、「領収書」と呼ばれることもあります。両者の違いはどこにあるでしょうか。

レシートと領収書の違いは、記載されている内容の違いです。レシートには商品の明細が記載されていますが、宛名や但し書き等は記載されていません。一方で、領収書には宛名や但し書きが記載されていますが、商品の明細は記載されていません。

また、一般的にレシートは印字であるのに対し、領収書は手書きであることが多いです。

領収書の方が手書きであるため、証明力が高いと思われるかもしれません。しかし、両者に証明力の違いはありません。レジから出力されたレシートであっても、十分な内容が記載されていれば経費精算を証明する書類となり得るのです。

ノート

経費精算に必要なレシート

レシートは経費精算に必要なものです。レシートにはサービスの対価としてお金を支払ったことを証明する書類であり、企業の適切な会計を担保するものでもあります。レシートの取り扱いに注意し、適切に経費精算の処理を進めていきましょう。

経費精算に必要なもの

事業活動において経費を精算する際は、サービスを利用したことを証明する書類が必要です。そうでなければ、自由に経費を精算できてしまうため、企業会計の正当性が損なわれてしまいます。

経費精算を証明するためには、レシートや領収書が一般的です。税法上で書式に指定はないため、レシートでも領収書でも構いません。サービスとして支払ったことを証明するために、一定の要件が分かれば経費精算の書類として有効です。

経費精算に有効な情報とは、会計処理に必要となる情報を指します。具体的には、書類の発行者(サービスの提供者)とサービスの名称、金額などです。これらの情報がなければ帳簿上に記録できないため、具体的に会計帳簿に残すためにはどんな情報が必要かを記入することが重要です。

クレジットカードの利用明細書

クレジットカードの利用明細書にはサービスを利用したことにより代金を支払った流れが記載されます。クレジットカードは信用取引であるので、クレジットカードの明細書の発行者がサービスの提供者と一致するわけではありません。しかし、クレジットカードの明細書にはサービスの提供者の情報とサービスの名称や金額が記載されます。経費精算に必要な情報がおおよそ記載されているのです。

こういったことから、クレジットカードの明細書を経費精算の証明として利用することも可能です。ただし、クレジットカードの明細書は経費精算として領収書の代わりになるものに過ぎず、レシートとしての効果はありません。会社によってはレシートや領収書でなければ処理できないというケースもありますので、取り扱いには注意してください。

master card

レシートの使い方

レシートはどのように活用すればいいでしょうか。レシートには経費を精算した内容が記されているため、事業費を何に使ったかを明らかにすることができます。また、税制で保管することが求められるため、正しい税務を行うにもレシートが必要です。個人事業主の場合と会社員の場合に分類して、レシートの有効な使い方を見ていきましょう。

個人事業主とレシート

個人事業主がレシートを活用するのはどのような時でしょうか。1つには、事業費を管理するときに使います。事業をするのにどれだけお金を使ったか把握することで、事業の成績を管理できるのです。企業会計においては会計上の帳簿をつけることになりますが、その処理には必ず根拠が必要です。レシートを管理することで、健全な会計を守ることに繋がります。

もう1つの用途は、税務処理用に経費精算を証明することです。税務署から経費精算の証明を求められた場合にレシートを提示することにより、適正な経費精算を実施していることを証明できます。レシートの提示を求められた場合にすぐ取り出せるよう、レシートは日ごろから適切に管理しておく必要があります。

会社員とレシート

会社員が経費精算をする際にもレシートが必要です。企業は従業員が経費として使用した料金も適切に経費精算します。そのため、従業員においては適切にレシートの管理をして経費精算に役立てなければなりません。経費精算の処理自体は経理部門が行うことが多いですが、経費の申請は従業員が行います。経費として申請する予定のあるレシートは捨てずに保管しておき、正しく活用しましょう。

また、副業を行っている会社員は副業に使った費用も経費精算することができます。例えば、ブログ運営を副業としているサラリーマンはブログ運営のためのサーバー費用などを経費精算することができます。その際のレシートは経費精算に必要になるので、確定申告を行うことで節税効果を得ることが可能です。

パソコンとコーヒー

レシートをまとめて管理する方法

経費精算に使用したレシートは適切に管理する必要があります。レシートを管理することは税法で定められており、適切に保管していないと罰則を受けてしまう恐れがあるのです。では、レシートを適切に管理するにはどのようにすればいいでしょうか。ポイントはペーパーレス化による電子ファイルでの保存方法です。具体的にレシートを管理する方法について紹介していきます。

レシートの保管義務

企業会計を行う際は原則として7年間レシートを保管しなければならないと税法上で定められています。全ての会計仕訳について証憑となるレシートが存在するので、全て保管する場合は膨大な量のレシートを保管しなければなりません。

それぞれの取引について伝票番号を振って管理することや、日付順でソートすることで管理するといった管理方法があります。例えば、会計仕訳に紐づけた伝票番号をそれぞれのレシートに振り分けたうえでファイリングして保管するという手段で管理するといった方法があります。

レシートを保管する際に重要なのは、必要なときにすぐ必要な情報を取り出せることです。せっかく保管していても、情報を取り出すのに時間がかかってしまっては効率的な書類管理ができているとはいえません。伝票番号を管理する台帳を作成し、昇順に並べるなど適切に管理することが重要です。

電子ファイルで保存する

2020年10月に電子帳簿保存法が改正されたことを受け、税法関連の書類を電子データで保管することが認められるようになります。それまでは紙で保管することが主流だった帳簿を電子データで保管することも一般的になるでしょう。

ペーパーレス化が進む現代では、電子ファイルでレシートを管理することも推進されています。電子ファイルで保存することのメリットは、紙面上で管理するよりも場所をとらないことです。7年間分のレシートを管理するには、膨大なスペースが必要になることがあります。電子ファイルで保管することによりスペースを省略できると、そのスペースを他のことにあてられるようになるでしょう。

また、電子ファイルで保管することにより必要な情報を瞬時に取り出すことが可能になります。レシートに割り振った番号を検索することで、必要なレシートの情報をすぐに抽出できるのです。また、ファイリングをする手間もレシートの画像をスキャンするだけで終わるので、業務時間を大幅に短縮することが可能になるのです。

ペーパーレスの導入はレシートの管理においても非常に効果的であるといえます。レシートの保管方法を検討している方は、是非電子ファイルでの保管をしましょう。

ipadとパソコン

電子ファイルによるレシートの保管方法

電子ファイルでレシートを保管するには、レシートの情報をスキャンしてPDFなどのファイルに変換する必要があります。変換したファイルをPDFで保管した後は、紙のレシートを破棄しても問題ないでしょう。

電子ファイルで保管することはセキュリティ面に気を付ける必要があります。データをハッキングされてしまうと、企業の帳簿情報が流出してしまいます。パスワードを付けて保存するなどのセキュリティ対策を施してしまいましょう。

また、データが損傷してしまうリスクにも気を付けなければなりません。データが壊れてしまうと、適切な帳簿の保管が不可能になってしまいます。電子データが損傷してしまった場合に備えて、バックアップのデータを残しておくなどの対策が必要です。

レシートを発行するときの注意点

これまでレシートを受け取る側の処理を見てきましたが、レシートを発行する事業者としてはどのようなことに注意すればいいでしょうか。レシートを発行する目的は、たしかにお金を受け取ったことを証明することです。

店舗側にとってのレシートの役割

レシートを発行する際は、必要な事項を漏れなく記載しなければなりません。レシートに書かなければならない事項とは、レシートを発行する事業者名、料金の明細、料金、取引年月日です

また、レシートを発行することで店舗に売上データが保存されます。この売上データを活用することで、販売戦略を策定することが可能です。どの商品がどれだけ売れたかを記録することで、商品の売れ行きを把握することができます。売れ行きの良い商品は多めに仕入れておくなど、在庫管理にも役立つでしょう。

レシートが発行されている画像

収入印紙

レシートの金額が5万円以上になる場合、発行するレシートに収入印紙を貼り付ける必要があります。収入印紙とは、課税文書に関わる印紙税を国に納めるための用紙です。5万円から100万円以下のレシートには200円の収入印紙、100万円から200万円以下のレシートには400円の収入印紙が必要になるなど、レシートに書かれた金額に応じて収入印紙の金額が変わります。なお、5万円未満のレシートについては非課税文書とされ、印紙税を貼り付ける必要がありません。

レシートに記載の金額とは、消費税を差し引いた本体価格のことを指します。消費税を加えて5万円を超える場合でも、本体価格が5万円未満の場合には収入印紙の貼り付けが不要です。

収入印紙を正しく貼り付けないと、税務署からの指摘があったときに本来の3倍もの追徴が課されてしまいます。税金の処理を正しくする意味でも、レシートを発行するには収入印紙の必要性を把握しておき、5万円を超える場合は正しく収入印紙の貼り付けをしましょう。

参考:No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書|国税庁

まとめ

レシートの定義や活用方法、電子ファイルによる保存方法を見ていきました。レシートは支払いを証明する用紙であり、経費を精算する際に必ず必要になるものです。レシートがないと適切な会計処理ができなくなるので、必ず保管するように習慣づけておきましょう。

レシートには税法上で7年間の保管義務があり、正しく保管していないと罰則を受けてしまいます。レシートを保管するには、伝票番号を振って保管するといった方法があります。その際に、電子媒体による保管方法がおすすめです。レシートの管理にもペーパーレスを導入し、スムーズにレシートの保管を行っていきましょう。

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この記事の監修者

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株式会社Enigol

辻田 和弘

東京大学経済学部を卒業後、丸紅株式会社に入社し経理部にて事業投資案件の会計面での検討、支援を行う。また子会社の内部統制の構築、IFRS導入プロジェクト、全社連結会計システム導入プロジェクトに従事。現在は株式会社Enigolを創業し、Remoba経理全体の監修を行い、スタートアップから中小企業および大企業の経理業務の最適化オペレーションの構築を担う。

資格
公認会計士
税理士
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