1. 人事労務でアウトソーシングを有効活用して様々なコストを削減
人事労務でアウトソーシングを有効活用して様々なコストを削減

人事労務でアウトソーシングを有効活用して様々なコストを削減

労務 更新日:
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日本の人事制度はメンバーシップ型雇用として、欧米のようにスペシャリスト型育成に主眼を置いた人事施策でなく、様々な職種を経験して昇進させていくゼネラリスト型育成に主眼を置いています。しかし、他企業と差別化を図る意味で競争力強化となる業務に注力する為に一定の業務をアウトソーシングするという選択肢が一般化しつつあります。

目次

当然、アウトソーシングを活用することで一定の費用は発生してしまいますが、長期的にはコスト削減に繋がることもあります。

今回は人事労務の分野でアウトソーシングを活用した場合にどのようなコストが削減できるのかを確認していきましょう。

何をいつからアウトソーシングするのか

企業としてアウトソーシングを活用する場合に何をいつからアウトソーシングするのかを決定しなければなりません。

資料を見ながらの打ち合わせ

法改正対応

労務関連の法改正が予定されている場合、自社で法改正をアップデートし、実務ベースに落とし込むことが可能であれば、法改正後にアウトソーシングを活用することで一定程度の費用をおさえることは可能です。しかし、近年の法改正は非常に多岐にわたり、かつ、内容を理解するまでに時間を要する改正も珍しくありません。

その点を考慮すると専門家と連携しているアウトソーシングであれば法改正前からアウトソーシングすることで長期的には時間的なコストを削減することが可能となります。最も懸念すべき点は改正内容を見落としてしまい、そのまま運用を進めていた場合、後で遡って訂正が必要となることです。その場合は大きな時間的損失が生まれてしまいます。

請求書発行などのルーチンワーク

ルーチンワークをアウトソーシングするという発想ですが、特に扱う件数が多い場合などは合理的と考えます。ルーチンワークまで網羅的に自社の社員で行うとなると、自社の社員だからこそできる業務、つまりコア業務に注力できていない状態と言えます。そして、その状態が長く続くと生産性の面からも疑問が残ります。

日本の労働生産性は先進国の中では大きく差をつけられており、国を挙げて労働生産性の向上は必須の課題となっています。企業として競争力強化の観点からも生産性のある環境を提供することは重要です。 

専門性の高い業務

専門性の高い業務を選択し、アウトソーシングを活用するという考え方もあります。特に専門家と連携しているアウトソーシング先であれば積極的にその知識を活用し業務を任せた方が自社で進めていく場合と比較して時間的なコストを節約できます。

パソコン作業をする男性

運送部門(営業は営業に専念)

運送部門のみを業務委託という選択もあります。例えば営業職が販売経路開拓のため、営業を行いながら、物の運送も行うとした場合、運送の時間を節約することでより、営業活動に注力することが可能となります。

営業職はより営業に専念することで、企業としても結果的に利益を上げることが可能になるという好循環が生まれます。

情報部門

情報部門のみをアウトソーシングするという選択もあります。近年のサイバー攻撃はより巧妙な手口となり、多くの事例を扱うアウトソーシング先に委ねることでより専門的な対処が可能となります。

サイバー攻撃は一度被害を受けて、顧客情報の漏洩などが発覚するとその後の信頼回復までに多くの時間と労力を割かれます。

また、長く務めたシステム担当者が退職した場合など、サイバー攻撃は年々巧妙になっているにも関わらず、後任を育成するまでの時間は年々短縮できるかというとそのような単純な話ではありません。特に専門知識を要するゆえに属人化している場合は育成に要する時間は決して短いとは言えないでしょう。

また、サイバー攻撃は昼夜を問わず攻撃を受ける可能性があり、深夜労働や休日労働が慢性化すると先に示した健康問題にも発展してしまいます。

一人前の(情報リスクに精通した)社員を100人育てることも大切ですが、100人の専門集団を揃える組織からスキルを早期に学ぶという発想も肝要です。

資料を探す男性

アウトソーシングで得られること

従業員の健康確保

アウトソーシングを活用することで従業員が業務の選択をすることができます。アウトソーシングに一部の業務を任せることで、必然的により業務量が減り、また、本質的な業務に注力することができます。特に管理職は業務量が多く、また労働基準法上の「管理監督者」にあたる場合は労働時間、休憩、休日の規制がありません。仕事への拘束時間が長くなり、健康確保を周知すべき管理職自身が健康確保できないという事態にも発展します。

また、管理職でない場合は業務を抱え込むことで労働時間が長くなり、その分割増賃金の支払いが必要となることから、健康問題だけでなく経営的にもコストがかかってしまいます。

電子化の促進

時代の流れが脱ハンコとなり、リモート促進時代であることを鑑みるとこの流れは当分の間続くものと考えます。旧来であれば押印が必要であるため、結果的に社内で完結させた方が速いこともありました。しかし、押印が不要な書類の数も多くなり、よりアウトソーシングを活用しやすい環境が整ってきました。

組織のスリム化

アウトソーシングを活用することで組織のスリム化を図ることができます。これは、多くの業務を抱えると、専属の部門を創設し、業務を集約して行う方が効率的であることから、組織が大きくなってきます。組織が大きくなるということは人事労務管理の面からは管理がより煩雑になるという点は否めません。

アウトソーシングを活用することで新たな部門の創設が不要となります。よって、長期的には人件費をおさえることにも繋がります。

時計と眼鏡とマグカップ

社員教育の時間の節約

生産性のある働き方を定着させるためには先行事例を示し、自社に取り入れることが可能な部分をピンポイントで見つけ出し、上層部から各セクションへ周知啓蒙していくことが必要です。それを実現するには通常業務と並行して自社にマッチし得る先行事例の選択と自社に運用ができる形に落とし込む作業があり、特に繁忙期には難しいと言わざるを得ません。

個の成長がなければ集団として会社の成長も難しくなり、社員教育は競争力強化の点からも切り離して考えるべきではありません。

また、アウトソーシングを活用することで外部の風を入れることができます。その場合、斬新的な発想により今まであまり気にしていなかった部分に成長の活路があり、より早く設定した目標に到達することが可能となります。よって、時間的なコストもおさえるということです。

研修時間の節約

大企業に対して2020年6月1日に施行されたいわゆる「パワハラ防止法」では相談窓口の設置が求められています。しかし、大企業とは言え日本の人事施策は欧米のようにスペシャリスト育成ではなく、ゼネラリスト育成であることから、人事異動があります。よって、相談窓口の担当者が元上司である場合も想定できます。そうなると一部の従業員は窓口を利用しづらく、外部機関などを利用し、また、それすらも利用できず、事態が深刻化するリスクも孕んでいます。そこで、相談窓口を外部の専門家にアウトソーシングすることで、よりフラットな視点でかつ、専門的な助言を受けることができます。

パワハラはモラハラやマタハラなどと比べて目撃証言が多いことや、被害者となる母数も多いことから事態を把握しやすいという性質があります。他のハラスメントより件数が多いことが予想されるのであれば、相談窓口が適正に機能することで、より早期に解決できることも多くあります。

また、管理職向けのパワハラ防止研修の実施も重要です。先の社員教育と類似の論点となりますが、万が一パワハラが発生していた場合、会社としてどのような取り組みをしていたのかが問われます。その時に社内講師により形式的に行ったという場合よりも透明性の観点から外部講師に委ねて研修を行っていた場合では説得力が異なります。

また、自社の当たり前は社会通念上の当たり前と必ずしも一致するとは言えません。そこで、社会通念とのすり合わせの意味でも有用であり、また、有事の際に会社を守る意味でも外部講師によるパワハラ研修は有用と考えます。

黒い時計

社内の機密情報が社員間に漏洩しない

どのような組織であっても機密情報は存在します。また、機密情報は取り扱いに苦慮することが多く、情報漏洩が起きない環境づくりは必須となります。また、情報漏洩は必ずしもシステムに起因して起きるとは断言できません。それは、慣れが生じてしまい、軽口をたたいたことを発端として漏洩するというケースです。

その場合、秘密保持契約等を締結し、社内の特定の機密情報をアウトソーシングし、可能な限り社内の従業員に触れさせないようにすることで前述に起因した情報漏洩リスクは低減させることができます。  

ノウハウを学ぶことができる

アウトソーシング会社等は特定の業務に精通しており、かつ、専門家と連携している場合は多くの実務的なノウハウを備えています。定期的にノウハウや業務手順のフィードバック受けることで盲目的に業務を進めていくよりもより、生産性の高い方法を学べます

また、業務量が多くなればなるほど、盲目的に業務を進めると生産性が高くない場合、時間的な損失は計り知れないものとなってしまいます。外部の風を入れることで慢性的に課題となっていたものが早期に解決できた例も枚挙に暇がありません。

具体例として採用業務をアウトソーシングするという選択もあります。現在の売り手市場では、単に求人票を出すだけでは有能な求職者の採用まではたどり着きません。また、応募があったとしても自社としての魅力を伝えることができなければ内定を出したとしても採用に至らないことが多いのが現状です。そこで、採用までのスピードを出しながらも効果的な採用が継続できるようアウトソーシングを活用するという考えです。当然、各社採用ニーズは異なり、それぞれのプラニングを作成し、オリジナルな採用フローを構築していくこととなります。

ノートに書き込む女性

人手不足への対応

国難ともいえる労働力人口の減少は当分の間、解消することが困難です。よって、社内の人手不足問題を採用のみに固執していると時間だけが経過してしまいます。また、人手不足早期解決に囚われ、短絡的な考えで採用した場合にミスマッチが生じてしまう可能性も否定できません。

変動リスクの回避

様々な設備投資をしたものの陳腐化により更に費用がかさむといった事例は多くあります。そこで、当初から一定の設備投資が必要な業務はアウトソーシングを活用するということです。設備投資をゼロにすることは困難ですが、一定のラインを設けてそれを上回る支出が予見される業務はアウトソーシングを活用すると意思決定し、変動リスクへのリスクヘッジ策を講じておくことも肝要です。

オフィスの有効活用

コロナ禍により在宅勤務を始めとするリモート促進の社会が形成されており、かつ、今後も継続することが予想されます。昨今では社会の流れを鑑みて「オフィス不要論」が度々取り上げられています。しかし、いきなりオフィスを廃止してしまうとビデオ会議ではなく顧客との対面での折衝が必要な場合や雑談を契機としてアイデアを生み出したいために社員を集める場合もいつでも集まれる場所がなくなってしまいます。

そこで、折衷案としてオフィスを縮小する動きが見られています。オフィス縮小とアウトソーシングは非常に親和性が高く、場所が手狭になったとしても業務量が減るとは限らず、場所的な問題(人員配置や書類の保管)が生じます。そこでアウトソーシングを活用することで、それらの問題を解決することができます。

自社とアウトソーシングの比較

自社とアウトソーシングの比較の表

最後に

アウトソーシングを活用することで一定の支出が発生することは否定できません。しかし、目に見えない多くのコストを削減することが可能になります。機械の購入などと異なり、生産性の向上などは目に見えるものではないために、後回しになることが多いでしょう。しかし、低い生産性のまま時間だけが経過してしまうと競争力の観点から、長期的に大きな出遅れ感に苛まれることとなります。

そして、何をいつから、また、どの程度アウトソーシングに委ねるのかも意思決定し、より自社にとって利益の最大化を図れる取り組みが重要となってきます。

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この記事の監修者

蓑田真吾のプロフィール画像

社会保険労務士

蓑田真吾

社会保険労務士(社労士)独立後は労務トラブルが起こる前の事前予防対策に特化。現在は労務管理手法を積極的に取り入れ労務業務をサポートしています

資格
社会保険労務士
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