1. スタートアップ企業が知っておくべき仕事内容と注意点とは?
スタートアップ企業が知っておくべき仕事内容と注意点とは?

スタートアップ企業が創業初期には、主に売上向上のための活動に注力する傾向がありますが、経理業務の日常的な記録や取り扱いを怠ると、ミスの原因となりかねません。多くの場合、創業初期には専任の経理担当者が不在であり、代表者自身が経理業務を兼任することもよくあります。したがって、経理業務を効率化する方法が鍵となります。

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この記事では、会社設立直後に直面する経理業務の日々や課題、スタートアップ企業が注意すべき経理ポイント、経理関連の課題、そしてIPOを目指す際に必要とされる事項について解説します。

スタートアップ企業に関わってくる経理の仕事内容

スタートアップ企業に関わってくる経理の仕事内容は以下のとおりです。

日次業務

日々の業務では、キャッシュや銀行口座の入出金を確認し、その日の取引や支出を記録します。これらの日々の記録は、企業の資金の流れを正確に把握するために非常に重要です。

また、取引金額に誤りがないかどうかを確認するために、請求書などと照らし合わせる作業も重要です

資金の動きだけでなく、他の取引についても、適切な手順に従い、正確に帳簿に記帳します。

月次業務

月末には、当月の収支を総括して、利益や支出額を確認します。従業員への給与支払いや税金、社会保険料の計算などもここで行います。さらに、必要に応じて、取引先に請求書を送付したり、売掛金の回収状況を確認します

月末は業務が集中する可能性が高いため、事前に進めておくことが大切です。

年次業務

年次業務には、多くの重要業務が含まれています。在庫の点検や固定資産の確認、年間の売上高や支出の集計を行い、正式な財務諸表を作成します。これらの書類は、税務申告に必要であり、株主への報告書としても活用されているでしょう。

さらに、従業員の年末調整もこの時期に実施されます。

 

スタートアップ企業が経理で注意すべきポイント

スタートアップ企業が経理で注意すべきポイントは以下の通りです。

現金をどのように使ったかを残しておく

会社の口座から現金を引き出し、使用する場合は、利用の履歴を記録しておくといいでしょう。利用の履歴が欠如してしまうと、引き出した現金を会社の資産として処理することができないので、ご注意ください。

支払い準備金などを通じて処理されることになります。用途の説明がない場合、年度末などに経営者が会社に返済を行うことになります。第三者より出資を受けている場合は、特に慎重にご対応いただく必要があるでしょう。

仕分け業務はこまめに行う

こまめに仕訳作業を行うことが最も重要です。売買を結果と原因に分類して記録するのが仕訳作業の要点です。簿記の第一歩であり、経理業務には不可欠です

不手際を発見するのも容易ではありません。仕訳作業を一括して行うと、確認作業も増加し、ミスを見逃しやすくなります。このように、ミスを見つけ出すのが難しくなるのです。

仕訳は、会計や財務の基礎です。定期的に仕訳を行わないと、会社の状況が見えにくくなる恐れがあります。スタートアップ企業は、定期的に仕訳作業を行うことを心掛けましょう。

日々の取引を資産・負債・純資産・費用・収益に分割して記録することで、仕訳作業が増える一方、正確性も低下します。例えば、年度初めに詳細を把握していない取引を年度末に正確に処理するのは難しいでしょう。

不手際を発見するのも容易ではありません。仕訳作業を一括して行うと、確認作業も増加し、ミスを見逃しやすくなります。このように、ミスを見つけ出すのが難しくなるのです。

仕訳は、会計や財務の基礎です。定期的に仕訳を行わないと、会社の状況が見えにくくなる恐れがあります。スタートアップ企業は、定期的に仕訳作業を行うことを心掛けましょう

給与は源泉所得税を差し引いて支払う

従業員の給与は、源泉所得税(所得税と復興特別所得税)を天引きして支払います。給与を支払う際は、会社が源泉徴収義務者(国に所得税等を納める義務がある者)となります。

源泉所得税を差し引かずに給与を支払った従業員が退社した場合、連絡が取れないと、会社が所得税と復興特別所得税を支払うことになります。給与は、源泉所得税を差し引いてから支払いましょう。

スタートアップ企業が経験する経理関連の課題

会社が設立した直後には、役員自身が経理業務を行うケースが一般的ですが、この点にはいくつかの懸念があります。今後、どのような問題が発生する可能性があるか、具体的に考えてみましょう。

経理業務に慣れていない場合は時間がかかる

仕訳を覚える際には、記帳だけでなく、勘定科目や経理業務についての知識も多岐にわたります。また、経理業務には高い正確性が求められます。新たに会社を設立し、売上を伸ばす業務が最優先される中で、未経験の経理業務を自ら行うと時間が不足することがあります。

業務の優先順位を誤り、経理業務に専念することで本来の業務がおろそかになってしまうのは本末転倒です。特に、スタートアップ企業においては時間配分が非常に重要といえるでしょう。

記帳漏れが起こる

経営者や営業担当者が経理業務を行う際、本来の業務を行いながら進めることがあります。

状況によっては、月末に一括して実施する場合もあります。記帳作業に不慣れな状態で急いで行うと、ミスが生じやすくなるでしょう。

経理業務のミスにより、本来不要だった事後処理に時間を割くことになります。また、誤った経営判断を招く可能性もあるため、定期的な記帳や人為的ミスを減らす仕組みづくりが必要です。

スタートアップ企業が経理業務で困らないためには

スタートアップ企業が経理業務で困らないために以下の方法を検討してみましょう。

経理業務をアウトソーシング

経理業務はとても専門性の高い業務です。その為その専門性の高い人材を雇うとなるとスタートアップ企業にとって相当なコストとなります。そのためまずが外部の方にお願いするというのも手です。

特に現在は経理業務をクラウド管理することがスタンダードになります。その為来社する必要もなくオンライン上でコミュニケーションを図りながら必要な時間だけ働いてもらうことが可能になります。アウトソーシング業者は繁忙期に合わせ陣営の欠員などにも対応できる体制を整えていたり、また企業の成長や変動に合わせ、契約を柔軟に変更または解約が出来るようにしておくことも出来ます。

税理士を雇う

税理士は専門家であり、税務代理(申告業務)、税務書類作成、税務相談、記帳代行、会計指導、節税対策、経営相談などに対応しています。税務代理、税務書類作成、税務相談は税理士にしかできない業務です。具体的な業務内容は、個々の税理士によって異なります。

税理士に依頼する際の主な利点は、自社の主要業務に集中できるようになり、会計や経理に費やす手間を最小限に抑えられる点です。スタートアップ企業にとっては、特に非常に有益といえるでしょう。

また、適切な税務手続きを行うことで、税務調査リスクが低減される利点もあります。もし税務調査が入ってしまった場合でも、税理士がサポートし立ち会ってくれます。それ以外にも、経営相談や資金繰りのアドバイスを受けることも可能です。

例えば、金融機関に高く評価されやすい事業計画書の作成支援も期待できます。一方で、デメリットとして考えられるのは、顧問料が必要となることです。金額は案件や内容によって異なりますが、一般的に月に数万円がかかることが一般的です。

また、税理士との相性が悪い場合、顧問料を支払っていても気軽に相談できないことがあります。したがって、税理士選びは慎重に行う必要があります。

会計ツールを導入する

会計・経理ツールは、業務の履歴を保存し、財務諸表の作成などが可能なアイテムです。

具体的な特長は各ツールによって異なります。専門知識がなくても利用可能で、記帳だけで貸借対照表や損益計算書を作成できるのが、会計・経理ツールの利点です。

業務の負担が軽減されます。自動集計機能により、単純な計算ミスが減少する点も魅力の一つです。入力ミスがある場合には、適切なメッセージで通知されます。コスト面でも、税理士と比較して支出を抑えやすいのもメリットといえるでしょう。

一方で、会計・経理ツールの主な欠点は、操作方法に慣れなければならないことです。また、サービスによって異なりますが、経営戦略や資金管理などの相談を行うことが一般的に難しいことがあります。

記帳や税務申告は自分で行う

経営者や社員には、十分な経理処理能力がある場合や、まだ売上規模が小さい会社にとっては非常に有効といえるでしょう。収入と支出の項目が明確である業種では、会計ソフトを活用しながら適切に対応できるでしょう。

しかし、税務に関する知識が不十分な場合、誤った税務申告をするリスクもあります。

記帳は自分で行い、税務申告は依頼する

会社内で日々の帳簿作業を行い、税務申告や財務報告書の作成などは専門家である税理士に依頼する方法があります。専門家に依頼することで、年次業務の負担が軽減されるだけでなく、税理士への支払いも比較的低額に抑えられます。

また、経営者が日々の資金状況を把握できるという利点もあります。このようなやり方を選ぶことで、効率的に会社の財務業務を管理できるでしょう。

記帳や税務申告は依頼する

確定申告業務において、記帳から決算書類の作成、税務申告まで一括してお願いする方法です。税理士業務ではない記帳代行サービスが存在し、月次処理や請求書の管理なども含め、幅広いサポートを受けることができます。

これにより、経営者の負担を軽減し、本来の業務に集中することが可能となります。

スタートアップ企業がIPOを目指す際に必要なこと

IPOを目指す企業は多く存在します。IPOを推進するためには、財務や経理の責任者、特にCFOのスキルが欠かせません。マザーズやジャスダックなどの新興市場に上場する場合でも、最低3~4年の準備期間が必要です。

取り組むべき仕事は高度で複雑であり、長期の準備が必要です。IPOを実現するために、ベンチャーやスタートアップ企業の財務担当者が着手すべき主な事項には、以下のものが挙げられます。

事業計画

事業計画は証券会社や証券取引所での審査において不可欠な要素となります。一度作成すればそれでよいのではなく、最新情報に即した状態を保つためには、経営状況に応じて定期的に更新していくことが求められます。

特にIPOを達成した後は、業績が不安定な状態だと株式市場に混乱をもたらす可能性があるため、予実管理についても厳しく指摘されやすくなります。経理財務の役割としては、事業部門と継続的にコミュニケーションを取りながら、高い精度を持った事業計画の策定から予実管理までを円滑に遂行できる能力が重要です。

このような特性から、ベンチャー企業やスタートアップ企業の経理財務担当者は、単に会計だけでなく幅広い知識とスキルが求められることを認識しておくべきです。

社内規程やガバナンスの充実

上場企業には独自の規則が存在し、非上場企業にはない多様性が見られます。 取締役規程、内部監査規程、社内規定の整備が必要です。 さらに、公正な事業運営を実現するためには、遊休体制の構築が必要です。

 IPOの準備段階にある企業の多くは、会計処理などの規則が複雑であることがよくあります。上場後には、収支計算書に影響を及ぼす要因などの説明が株主に求められることが少なくありません。

このような場面に対処するためには、経理財務部門は事業部門と連携し、規則の整備を進めていく必要があります。 なお、IPOを目指すベンチャーやスタートアップ企業では、ストックオプション制度の整備も経理財務の責務の一部となります。

多くのベンチャーやスタートアップ企業は、従業員への適切な報酬を保証できない代わりに、ストックオプションで補完する傾向があります。 優れた人材獲得や従業員のモチベーション向上のためにも、ストックオプション制度に関する仕組みを理解し、制度構築を進める必要があります。

会計方針の変更

非上場企業は税務申告のための会計処理を行いますが、上場企業は金融商品取引法に基づいて会計処理を行わなければなりません。上場準備中には会計方針を変更する必要があります。

各企業によって異なる業種やグローバル展開を含む事業展開に応じて会計方針が設定されます。上場準備を進める際には、証券会社や監査法人と協力し、IPOに向けて適切な会計手法を選択することが重要です。

上場審査に必要な作業

監査法人や主幹事証券会社を選定し、証券取引所への審査申請や機関投資家へのプレゼンテーションも行います。特に上場審査に必要な書類作成などは、IPOの準備を進める上で重要な業務です。

審査書類の作成が追いつかなくなることは一般的であり、IPO準備時にはこのような経験豊富な外部の者が加わることが多いです。

まとめ

スタートアップ企業が大きな成長が期待されると、主要業務への集中がますます重要になります。ただし、経理を怠ると、年度末に苦労する可能性があり、会社の実態が見えにくくなることもあります。

仕訳作業など基本的なポイントを守るよう心がけましょう。経理業務の負担を軽減したい場合は、税理士に依頼したり、会計・経理ツールを活用することができます。

それぞれにはメリットとデメリットがあるので、特徴を理解して適切な選択をすることが重要です。

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この記事の監修者

柳沢 智紀のプロフィール画像

株式会社Enigol

柳沢 智紀

株式会社リクルートホールディングスにIT人材として新卒入社し、集客戦略やマーケティング業務を経験後、SaaS事業部で事業開発を経験。その後、PayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。SaaSサービスやAPI連携について、日々調査している。

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