項目 | 内容 |
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サービス名 | Remoba労務 |
会社名 | (株)Enigol |
公式サイト | https://remoba.biz/hr |
年末調整が近づくと労務担当者から発信される情報で一度は耳にする扶養控除等申告書ですが、過去数年を遡っても改正がなされており、事前の情報収集は欠かすことができません。また、従業員への案内、提出期限の設定など、効率的に業務を進めていくためには事前の意思決定が必要となります。
年末調整が近づくと労務担当者から発信される情報で一度は耳にする扶養控除等申告書ですが、過去数年を遡っても改正がなされており、事前の情報収集は欠かすことができません。また、従業員への案内、提出期限の設定など、効率的に業務を進めていくためには事前の意思決定が必要となります。
今回は、扶養控除等申告書にフォーカスをあて解説してまいります。
その年の最後の給与時に行う年末調整の際に提出を求める書類であり、その中でも扶養控除など、控除を受けるための情報を記載する書類です。当然、紙ベースで年末調整を行う場合は扶養控除等申告書が前年から変更になっていないか確認しておくべきです。フォーマットが変更になっているにも関わらず前年の書式を使用することでチェックミスが起こるリスクが高まり、労務管理上必ずチェックすべきポイントの一つになります。
毎月の給与計算では多くの場合、毎月所得税が控除されています。しかし、その時点で12月31日の状態は知る由もなく、あくまで概算を計算しているに過ぎません。ゆえに、年末調整で本来納付すべき税額を計算するということになります。また、基礎控除を除いて全く控除がない人ばかりではありません。配偶者控除や配偶者特別控除に該当する従業員も在籍している場合もあるでしょう。
尚、対象となるものがない従業員もいることでしょう。しかし、労務担当としては、従業員からの証言のみで、「対象とならないのであれば提出は不要です」と対応するのは問題です。労務担当者としては、対象外であることの確認をするために、扶養控除等申告書の提出を受けなければなりません。
年末調整は作業量も多く、12月に賞与計算もある場合、繁忙期となる企業も多いことでしょう。しかし、本来は確定申告をしに行き、(現在はスマートフォンでも可能)従業員各々の納めるべき税額の決定をし、還付または納付の手続きを行います。しかし、大企業で従業員数3,000人を抱える企業で一気に確定申告の期間に従業員が押し寄せてしまうと三密はおろか、税務署内は大混乱となってしまいます。そこで、企業が従業員の税手続きを代行するという理解です。よって、給与計算と同様にセンシティブな情報を集める必要があることから、情報管理には細心の注意を払わなければなりません。
納税者である従業員自身、配偶者または扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合、一定の金額の所得控除(障害者控除)を受けることができます。既に障害年金を受給している場合は該当する可能性が極めて高くなります。
従業員本人、控除対象となる配偶者、控除対象扶養親族等のマイナンバー(個人番号)を記載してもらう必要があります。尚、給与支払者が扶養控除等申告書に記載される従業員本人、控除対象となる配偶者、控除対象扶養親族等の氏名・マイナンバー等を記載した帳簿を備えている場合には、その従業員が提出する扶養控除等申告書にはその帳簿に記載されている方のマイナンバーの記載がなくてもよいこととされました。
なお、この帳簿は、次の申告書の提出を受けて作成されたものに限ります。
・給与所得者の扶養控除等申告書
・従たる給与についての扶養控除等申告書
・給与所得者の配偶者控除等申告書
・退職所得の受給に関する申告書
・公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
・所得金額調整控除申告書
当然、給与支払者が備えている帳簿に記載された従業員等の氏名又はマイナンバーと提出する扶養控除等申告書に記載すべき従業員等の氏名又はマイナンバーが異なる場合には、マイナンバーの記載を不要とすることはできません。
控除を受ける納税者である従業員本人の合計所得金額が1,000万円を超える年については、配偶者控除は受けられません。よって、ボーダーライン上にいる場合は注意が必要です。
例えば3月・4月に例年と比して残業代が多かった年を例にします。残業代が発生する従業員目線では年末調整の時期になるとそのことを忘れている場合があります(例年同様と判断してしまう)。労務担当者としては管理職層よりも上記のような年によって給与額が変動となり、一定以上の給与を受ける層を特に注意しておく必要があります。また、1,000万円を超えた場合のマイナスの面も説明しておくことが望ましいでしょう。
年収が103万円を超えると配偶者控除は受けられなくなるものの、配偶者特別控除を受けることが可能です。そして、103万円を超えて150万円までは控除による減額を気にすることなく働けるようになりました。次に150万円を超えた場合は、配偶者の年収に応じて配偶者特別控除は段階的に減額されていき、201万6,000円以上で控除は全くなくなります。
控除対象となる人物が同一人物であっても年齢によって、控除額が異なります。尚、控除対象配偶者とは、同一生計配偶者のうちのうち、合計所得金額が1,000万円以下の居住者の配偶者を指し、老人控除対象配偶者とは、控除対象配偶者のうち年齢70歳以上の者を指します。尚、同一生計配偶者とは、給与所得者と生計を一にしている配偶者のうち、合計所得金額が48万円 (給与収入に換算すると103万円)以下である者を指します。
尚、類似論点として「控除対象配偶者」と「源泉控除対象配偶者」があります。
まず、控除対象配偶者とは、同一生計配偶者のうち、合計所得金額が1,000万円(給与収入に換算すると1,220万円)以下の給与所得者の配偶者を指します。
次に源泉控除対象配偶者とは、合計所得金額が900万円(給与収入に換算すると1,120万円)以下の給与所得者と生計を一にする配偶者のうち、合計所得金額が95万円(給与収入に換算すると150万円)以下である者を指します。年末調整では、配偶者控除もしくは配偶者特別控除のいずれかで控除を受けることができます。
通常、年末調整はその年の最後の給与支給月である12月に実施することから、逆算して案内をしていく必要があります。尚、その際に書式が変更されていないか、改正がなされていないかは確実にチェックすべきポイントです。多くの場合11月中旬には案内を出し、11月下旬には回収し、作業を進めていきますが、従業員数によっては、11月上旬に案内を出し、中旬には回収するというスケジュールを組むこともあります。このスケジュールは従業員数、労務担当者の他の業務との兼ね合い等を総合的に勘案して決定したい部分です。
また、経験を積んでくると実績を記録していくことも有用です。いつから開始した場合、最終的な締め切り日をどのような状態で迎えられたかを記録として残すことで、その会社にあったスケジュール感が見えてきます。
従業員から提出があったものの記載内容に疑義が生じる場合があります。その場合は従業員へ記載内容の確認を求めます。特に扶養親族等が障害者のときは、障害者控除として1人当たり27万円(特別障害者の場合は1人当たり40万円)が所得金額から差し引かれることとなります。尚、障害者控除は、扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族を有する場合にも適用される点には注意が必要です。特に16歳未満の扶養親族にも障害者控除が適用されることに関しては十分に知れ渡っているとは言えないため、事前の案内で周知しておくべきです。これは、提出後に障害者か健常者かを確認するのは労務担当者として適切ではなく、かつ、従業員数が多くなるととても対応できる量ではありません。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から税務署等が主催する年末調整説明会が中止となっています。旧来までは実際に会場に足を運び対面にて質疑応答で問題を解決できる環境が当たり前でしたが、今では労務担当者自身で情報を取りにいかなければならなくなりました。そこで特に注意すべきポイントがあります。ネット社会となり、あらゆる情報が日々飛び交っていますが、法改正情報には注意すべきです。それは、いつの段階にどこから発信された情報かをおさえておくべきです。例えば法案が通過する前段階での情報の場合、本来の情報と一部内容が異なっていることがあります。
また、公的機関(例えば国税庁)からの発信であれば情報の確実性は担保されていますが、個人のブログなどの情報では、内容の確実性が担保されているとは断言できません。よって、情報の発信元についてもどこから発信されている情報かを意識して情報を取捨選択すべきです。
16歳未満の子は「所得税の計算上」は扶養親族から外れます。しかし「住民税の計算上」控除の対象となります。労務担当者からのアナウンスで16歳未満の子は税には影響がないため、記入は任意などと発信してしまうと、労務担当者よりも情報量が少ないであろう従業員はそのアナウンスに従い未記入の状態で提出してくることが予想されるため、注意が必要です。
配偶者の年収が記入した額とかけ離れていた場合は、適正な年末調整ではありません。発覚した時期にもよりますが、1月支払いの給与時までであれば「再年末調整」が可能です。また、この再年末調整を逃してしまうと、自身で確定申告を行って頂くようアナウンスをします。なぜ1月までしか行えないのかという質問がありますが、これは多くの自治体で1月末日までに給与支払報告を提出する必要があることから、再年末調整は1月までということです。
尚、給与支払報告後に発覚した場合は、年末調整では修正できないことから従業員自身で確定申告を行って頂きます。
再年末調整は労務担当者としても責任を感じてしまう部分がありますが、従業員の配偶者の収入額まではさすがに予想がつきません。よって、事前アナウンスの文言を工夫するなど、労務担当者としてコントロール可能なことにフォーカスすべきです。
本来は書類すら提出しない場合は年末調整対象外となりますが、従業員から12月の給与までには間に合うとの発言があり、口頭で聞いた内容で年末調整を進めるもののその発言内容自体が誤っていたケースです。当然、再年末調整の対象となりますが、年末調整の端末に入力するのは客観的事実(書類)の提出があった場合に行うなどのルールの整備をしておくべきです。口頭のみで行ってしまうと、その発言内容が本当に正しいのか判断がつきません。
給与には主たる給与と従たる給与があります。従たる給与の場合は乙欄にチェックが入り、転職先の職場で源泉徴収票を提出しても年末調整に含めることができません。乙欄にチェックが入っている原因としては副業であったことや、扶養控除等申告書を提出していなかったことが挙げられます。いずれにせよ、乙欄にチェックが入っているか否かは必ずチェックしなければなりません。尚、中途採用として入社した従業員は前職での収入がある場合、年末調整実施年の源泉徴収票を提出するようにアナウンスをします。前職での収入と現在の職場での収入を合わせて本年中に納めるべき税額が決定します。
労務担当者の過失により失敗した場合の対応について解説します。まずは、誤って源泉徴収票を発行した場合は早期に源泉徴収票を回収すべきです。発覚時期にもよりますが、1月支払い給与前であれば再年末調整が可能です。問題は1月給与支払い後に発覚した場合は確定申告での対応となることからより早期の確認とフォローが必要です。
扶養控除等申告書は年末調整時になくてはならないものです。しかし、労務担当者でない場合はその重要性が認知されていないことも多く、労務担当者と従業員の間で温度差が生じていることも少なくありません。尚、医療費控除や、寄付金控除は年末調整では実施することができません。よって、確定申告で行って頂くよう周知しておくことも重要です。
また、近年は個人型確定拠出年金(iDeCo)への加入者が増えています。子供や配偶者の国民年金保険料を従業員が代わりに支払った場合は社会保険料控除に記載することは可能ですが、iDeCoは自身で払った保険料のみが「小規模企業共済等掛金控除」に記載が可能という理解です。よって、同じ「年金」の掛金ではあるもの取り扱いが異なることから、区別しておさえておく必要が重要です。
サービス概要
Remoba労務は、労務クラウドサービスの導入・運用をオンラインワーカーが担うアウトソーシングサービスです。
人事・労務の実務経験者を中心とした、オンラインワーカーのチーム制で、労務を丸ごと代行します。入退社の手続きや勤怠管理、給与計算、年末調整、健康診断の案内など、幅広くカバー。業務は独自マニュアルや管理ツールで可視化されるため、属人化やミスを防止して品質を確保しながら、業務効率化が可能です。
複数のクラウドサービスを活用してWeb上で資料回収・提出を行うため、データのやり取りもスムーズ。リモートワークをはじめとした、柔軟な働き方ができる職場環境の構築も支援します。
チーム体制で実現する低コスト・ハイクオリティな労務アウトソーシングサービス
入社手続き、給与計算、勤怠管理、健康診断の案内など、広範な労務業務を労務を丸ごと代行。経験豊富なアシスタントがオンラインで業務を担当し、品質管理が徹底されています。Remoba労務のアシスタントはITリテラシーが高く、普段ご利用のコミュニケーションツールで対応可能です。アシスタントチームが必要だけど社員が行わなくてもよい労務ルーティーンの仕事実作業を担うことで、労務業務の属人的な処理を排除し、リスクを低減。そして、労務コストの削減が可能で、経理体制の最適化を実現します。
クラウドサービスで労務管理を効率化:Remobaの中立コンサルティングと一元化ソリューション
クラウドサービスを活用することで、業務効率化を強力にバックアップ。MoneyForwardクラウドや人事労務freee、SmartHRなど、様々なクラウドサービスに登録された従業員情報や給与情報といった従業員マスタを一元化できます。
さらに、Remobaはクラウドシステムと労務管理のコンサルティングを提供しており、中立の立場から最適なクラウド設計・導入のノウハウを提案します。これにより、効率的な労務管理とシステムの統合が実現します
独自マニュアルと可視化ツールで実現する業務最適化とリスク管理
独自マニュアルを整備することで、アウトソース後の業務標準化を実現。担当者の退職リスクや業務のブラックボックスに伴う属人化を防止し、業務品質を高められます。
業務の進捗は、業務プロセスの可視化タスク管理ツールを用いて管理。プロセスの全体像やTodoを明確化することで、ミスや抜け漏れを削減しながら、スムーズな業務遂行を可能にします。
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株式会社Enigol
株式会社リクルートホールディングスでWEBマーケティング業務および事業開発を経験し、アメリカの決済会社であるPayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。対話型マーケティングによる顧客育成から売上げアップを実現するsikiapiを開発。