1. 経理に有用な資格とは?人気の日商簿記について解説!
経理に有用な資格とは?人気の日商簿記について解説!

経理に有用な資格とは?人気の日商簿記について解説!

経理 更新日:
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ビジネスマンにとって大きなアドバンテージになるのが資格。お勤めしている会社でも、資格を積極的に取得して自己研鑽に励むという方も多いでしょう。では、資格を持っているとビジネスマンはどのようなアドバンテージがあるでしょうか?資格を持っていると、特定の分野に関する業務知識が習熟していることを証明できます。

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目次

本項では、経理職の資格について解説していきます。 

資格はビジネスに有用?

資格はビジネスにおいてどのように働くでしょうか。

資格を取得することで、一定のビジネスに関する知識やスキルを有していると証明することが可能です。また、資格取得に関して知識を得ることで、業務の改善に繋げることもできるでしょう。

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知識の棚卸しになる

資格を取得することで、知識の棚卸しの効果を期待できます。

日々の業務で業務知識やスキルを身につけることは非常に重要です。しかし、スキルを身につけることで日常業務をこなせる能力は身につきますが、体系だった知識は必ずしも身につくとは限りません。

資格を取得することは、業務に関する知識を体系的に身につけるということです。自分の業務が、社会的にとって何の目的を持っているかを知ることで俯瞰的に物事を見る視点も身につくでしょう

転職に有利になる

資格を持っていると、どの会社でも通用する普遍的な知識を身につけることができます。

転職の際に資格を持っていることで、一定の業務知識を身につけていると評価され、転職市場で大きなアドバンテージになります。1つの会社で通用するスキルがあっても、案外他の会社で通用しないことも多く、潰しの効かないスキルになってしまうことも多いです。

その反面、資格を持っていることで他の会社にもすぐ通用するということを証明できます。どの会社においても普遍的な知識を役立てるということを資格が証明してくれるのです。転職をすることで、年収アップやライフワークの充実など、様々な希望を実現することができます。資格は転職市場において有利に働き、人生を豊かにしてくれるアイテムといってもいいでしょう

独立に有利になる

資格を持っていると、特定の業務を行えるようになり、将来的に会社から独立するときに便利です。公認会計士や税理士をはじめとする士業の資格をとると、特定の業務を独占的に行えるようになります。

例えば、税理士には税務の代理を行えるなど、資格を持っていると仕事の幅が大きく広がるでしょう。

こうした資格を持っていることで、ご自身の持っている知識が武器になります。

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国家資格と民間資格

資格の中には国家資格と民間資格があります。いずれの場合も、専門的な知識を有していると証明されるものですが、両者の大きな違いは資格の独占性にあります。

国家資格を有していると、国から資格の認定が担保されるとともに、その業務について独占的に行えるという資格を得ることができます。これらの事情から、国家資格は難しい試験だけでなく実務経験も求められます。一般的に国家資格の方が取得について難しく、受験に必要な準備も大変とされています。

まずは民間資格を取得して、国家資格に挑戦するというステップを踏むことで、スムーズに資格取得ができるでしょう。 

日商簿記はビジネスパーソンとして評価される

経理の資格で代表的なものが日商簿記。

簿記とは、企業の会計活動を記録する手法のこと。簿記検定では、企業の経理で使われる簿記の知識を問われます

簿記の需要は年々高まっており、経理部門を志す方以外にも多くのビジネスマンが受験しており、簿記知識の需要は多くのビジネスマンから注目されています。

簿記検定

なお、簿記検定には日商簿記検定と全商簿記と全経簿記の3種類があります。それぞれ主催者が異なり、一般的にビジネスマンが受験する試験は日本商工会議所が運営する日商簿記です。

日商簿記は受験者数も多く、就職や転職でアピールする効力も高いとされています。ここでは、日商簿記の級別に難易度を見ていきましょう。

日商簿記の種類

日商簿記には初級から始まり、3級、2級、1級とステップアップされます。

それぞれの級数について、出題内容や試験要項などを確認していきましょう。

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日商簿記初級

日商簿記初級は2017年4月よりはじまった検定試験。簿記の基本知識や日次・月次の会計仕訳の計算を行います。試験はインターネットを介して試験会場のパソコンで行われます。1年中受験をすることができるので、簿記初学者にとっては受験しやすい試験といえるでしょう。合格率は50〜60%です。

日商簿記3級

日商簿記3級は、ビジネスパーソンにとって会計に関する「必須知識」を問う試験。経理や財務など、会計に携わる職種だけでなく、全てのビジネスパーソンが知っておくべき会計士知識についての知識を必要とします。出題科目は「商業簿記」です。商業簿記とは、企業の会計取引を第三者にも開示できるようにとりまとめた帳簿の記帳方法を記すもの。日次の会計処理や仕訳の記帳方法や会計伝票の取り扱いについて出題されます。決算処理についても出題されるため、簿記初級よりも高度な会計知識を必要とします。

試験は年に3度、2月と6月と11月にそれぞれ開催。合格率は40〜50%です。

日商簿記2級

日商簿記2級は高度な会計知識を問う試験企業実務に必要な会計知識だけでなく、経営レベルに必要な会計知識を取り扱うことから、簿記2級を持っていると高度な会計知識を持つ人材として高く評価されます。受験科目は3級までの「商業簿記」に加えて「工業簿記」が出題されます。

工業簿記とは、管理会計とも称される会計の手法のこと。企業内部の原価計算や製品を作成する際のコスト計算を主に取り扱うものです。商業簿記が企業外部向けの財務諸表を作成する手段であることから、商業簿記と工業簿記は対になる存在であるといえます。商業簿記の出題も複雑になっており、イレギュラーな対応や複雑な決算処理についても様々な知識を必要とされます。

日商簿記2級を持っていると、経理実務で通用する簿記知識を有しているとされ、転職市場でも高い評価を受けることが可能です。試験は3級と同様、年に3度開催されます。合格率は15〜25%です。

日商簿記1級

日商簿記1級は専門的な会計知識を問う試験試験科目は「商業簿記」「会計学」「工業簿記」「原価計算」の4科目。会計基準そのものについての理解や、経理の現場だけでなく経営管理や経営分析にも役立つ高度な会計知識を求められる試験です。

日商簿記1級を持っていると、税理士に受験する資格を得ることができるため、公認会計士や税理士など、会計の専門家となる士業への登竜門ともいわれます。転職市場においても高度な会計知識を有しているとされ、高い評価を受けるでしょう。

試験は年に2度、6月と11月に開催されます。合格率は5〜15%です。

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転職市場における日商簿記の評価

簿記は経理実務だけでなく、ビジネスにおいて必要な会計や経営に関する知識を得ることができます。そのため、企業が求める人材として評価が高く、年々需要が高まっています。

転職活動で何級からが効力になる、ということはありません。しかし、経理に関する職種を希望されているのであれば、簿記2級を持っておくと望ましいでしょう。

士業

経理に関連する資格として士業があります。士業とは、「弁護士」や「税理士」など、「〇〇士」と称される専門家のことです。

士業は国家資格であり、高度な専門知識を有しているとされます。これらの資格を有していると、国から独占業務を行う資格が与えられます。独占業務とは、その資格を有していないと行えないということ。例えば、税理士が行う税務上の相談業務などは税理士の独占業務とされ、税理士の資格を有していないと行えないこととなっています。

公認会計士

認会計士は企業の監査と会計を専門とする国家資格経営者は株主や投資家に企業の状況を説明する際に、財務諸表を作成します。公認会計士は財務諸表の作成をサポートし、適正な監査意見を発する役割を担っています。公認会計士は経理に関する資格の中で最難関とされており、合格までにかなりの勉強時間を要します。一般的に、3,000時間以上の勉強時間を確保すると言われており、合格までに数年間のサイクルが必要。社会人の方が仕事をしながら取得をするのはかなり大変な試験です。

試験は選択問題である「短答式試験」と記述式問題である「論文式試験」に分かれます。短答式試験に合格された方のみが、論文式試験を受験することができます。試験を合格後、実務補習を経て公認会計士へ登録することができます。

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税理士

税理士は税務に関する業務を行う国家資格。税理士の独占業務として挙げられるのが、「税務の代理」「税務書類の作成」「税務相談」。これらの業務は税務の代理を行うに企業経営を行うにあたり、税務は必ずこなさなければいけないもの。税理士は企業にとって税務をサポートすることで経営をサポートする存在といえるでしょう。

税理士試験は科目合格制をとっており、会計学、税法に関する試験を合格する必要があります。合格率は10%~15%程度と、公認会計士と同じく非常に難しい試験となっています。

中小企業診断士

中小企業診断士は経営コンサルタントとして幅広い分野で活躍できる資格です。財務や経理だけでなく、経理全般に関わる知識を有しているとされます。公認会計士や税理士のように独占業務はないものの、経営コンサルタントとして多角的な視点から経営を分析することが可能です。

受験科目は会計学の他に経営学、法務、情報システムといった多岐の分野に及びます。

その他経理に役立つ資格

経理部門に携わる人はお金にまつわる仕事を扱います。日商簿記の他にも、お金を取り扱う様々な資格があります。それぞれについて、紹介していきます。

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FASS

FASSとは経済産業省が管轄する経理・財務分野の業務領域に特化した資格です。FASS検定は「合否」といった判定ではなく、ランクごとに判定されます。「A」〜「E」まで5段階評価で、ご自身のスキルを評価することができます。一般的に、Bランク以上のランクを持っていると経理・財務に関わるビジネスマンとして一定の評価を受けることができるでしょう。

「資産・決算・税務・財務」といった分野に大別されており、経理や財務の分野に必要な知識を幅広く習得することが出来ます。転職市場でもFASSは重宝されており、経理・財務に関する職種への転職を考えられている方は、FASSの資格が役に立つでしょう。FASSは日商簿記よりも実務に即した問題となっており、経理・財務分野で実際に活用できるスキルを中心とした出題です。試験はコンピュータ―による4択問題となっており、試験は1年の中で上期と下期に分かれて開催。試験センターでコンピュータ―による回答という試験形式です。

ファイナンシャルプランナー(FP)

ファイナンシャルプランナーは顧客の人生設計を財務・資金の観点からプランニングをする資格主に保険業や金融商品を販売する方に人気の資格です。金融業界に勤めている方であれば、取得を推奨している場合も多いです。財務・税務の知識を活用できるので、経理の実務にも活用することが可能です。

試験には3級から1級があり、実務に活用できるレベルとしては2級を取得しているといいでしょう。

最後に

経理におすすめの資格を見ていきました。

経理は会社の経営にとって重要な立ち位置であり、専門的な知識を幅広く要求されています。資格を持っていることで経理の現場にとって実践的に役立てることができるでしょう。

また、転職の際に資格を持っていると転職市場で高い評価を受けることができます。転職をすることで、年収アップやワークライフバランスの向上など、働き方を良くすることができる可能性があります。

経理の資格として代表的なのが日商簿記。簿記は企業経営において、なくてはならないものであり、簿記についての知識を習得することでビジネスマンとして評価を上げることができるでしょう。

簿記以外にも、公認会計士や税理士といった士業や、FASSやファイナンシャルプランナーといった会計実務に関わる仕事があります。

資格は自身にとって大きなアドバンテージになります。経理に関する資格を取得して、幅広い業務へ対応できるように知識やスキルを身につけていきましょう。

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この記事の監修者

辻田 和弘のプロフィール画像

株式会社Enigol

辻田 和弘

東京大学経済学部を卒業後、丸紅株式会社に入社し経理部にて事業投資案件の会計面での検討、支援を行う。また子会社の内部統制の構築、IFRS導入プロジェクト、全社連結会計システム導入プロジェクトに従事。現在は株式会社Enigolを創業し、Remoba経理全体の監修を行い、スタートアップから中小企業および大企業の経理業務の最適化オペレーションの構築を担う。

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