1. BPOサービスとは何か【メリットとデメリットを解説】
BPOサービスとは何か【メリットとデメリットを解説】

BPOサービスとは何か【メリットとデメリットを解説】

アシスタント 更新日:
リンクをコピー

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスとは、企業が自身の業務の一部を他の専門業者へと依頼することを言います。今回の記事ではBPOサービスを使用したメリット、またデメリットについても紹介します。早速解説していきましょう。

Remobaアシスタントトップ

目次

今更聞けないBPOサービスとは

いま社会ではBPOサービスという言葉が当たり前に使用されています。BPOサービスの意味を知らない人たちは、今更周囲の人たちに聞くことができないのではないでしょうか。しかし、それでもBPOサービスの意味を知らなければ先に進んでいくことができないので、まずはここでBPOサービスが何かしっかり学んでください。

 BPOサービス(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、アウトソーシング(Outsourcing)のひとつであり、自社の業務プロセスの一部を外部に存在している企業に依頼することを言います。

業務に必要とされている「人」や「サービス」を、外部(アウト)から調達(ソーシング)することを言います。その企業の人事部であったり、経理の部署をまるごと経営戦略としてアウトソーシングします。

 外部に存在している人を使う、特定のタスクを依頼するといったことことに留まらず、業務の方法であったり、使用しているシステム、業務に関連する人材採用なども外部に依頼することもあります。

 限定的アウトソーシングでは、ある企業が経理部において、業務請負業者であったり人材派遣業者に依頼することがあります。 BPOサービスはそのような限定的アウトソーシングを越え出た、経理部署全部をBPOサービスが提供されている業者に代行します。

 BPOサービスに依頼し、サービスを自社の一部署として有効的に活用することができ、企業はもうその部署において人であったり資源と言ったものを投入する必要はなくなります。その分、企業では他の部署で業務を集中することができるようになり、ライバル企業に対抗する力を養うことができます。 

BPOサービス利用企業の躍進

ビジネス環境がどんどん厳しさを増しているから、また、コアビジネスに集中して専念したいから非コア部署を外部に依頼してしまおうという発想の企業が増加しています。

米国系調査会社のIDCジャパンのリサーチでは、2017年における国内BPOサービス市場の規模は、前年と比較して4.7%プラスです。BPOサービスの市場は、その後も右肩上がりを続けています。2017年から2022年の間、年間平均成長率は3.6%、2022年には8769億円あたりに到達すると予測されています。
国内ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)サービス市場支出額予測:2017年~2022年(出典:IDC Japan)

参考URL:2017年の国内BPOサービス市場規模は前年比4.7%増の7346億円、IDC Japan調査

BPOサービスの中で最もニーズがある部署は人事関係とされています。福利厚生のより充実したものを実現するために外部に依頼しようという企業が増加したからのようです。

BPOサービス対象の業務

企業では様々な部署においてBPOサービスを活用していますが、特に多くの企業がこの部署でBPOサービスを利用して業務を効率化しています。

  1. 人事BPOサービス
  2. カスタマーケアBPOサービス
  3. 財務・経理BPOサービス
  4. 調達・購買BPOサービスなど

1. 人事BPOサービス

多くの企業は、給与計算、採用、社員研修、福利厚生といった人事関連業務をBPOサービスに依頼をしています。

年々労働関連法令や社会保険制度などが改正され、それに対応出来るシステムを整えておく必要があります。人事部署をBPOサービスに依頼することで、質の高い業務を実現することができます。

さらに給与計算のような定型パターンの仕事をまるごとBPOサービスに依頼してしまうことで、コアな業務に専念することができるようになります。

2. カスタマーケアBPOサービス

また業務では、コールセンター業務などをまるごとBPOサービスに依頼しています。それぞれの企業が、「顧客重視マーケティング」、「Eコマース拡大」、「お客様のケア」がより重要だと考える傾向が高まっています。

それぞれ企業では電話の応対だけでなく、チャットであったりSNSの活用も含めたマルチのチャネル化も進化し業務がどんどん拡大しています。このような理由から、全部BPOサービスに依頼することを決定する企業も少なくありません。

3. 財務・経理BPOサービス

また、多くの企業で財務・経理BPOサービスに依頼をしています。売上と伝票の付け合わせであったり、請求書発行、経費の精算、売掛金、買掛金のチェックなどの仕事は全部BPOサービスに依頼します。

お金の問題は第三者に依頼することに対して抵抗ありと考える企業も少なくありませんが、このような部署こそ第三者の目を持つことで、コスト削減の方法を発見することができたり、不正を見つけるキッカケにすることができます。

4. 調達・購買BPOサービスなど

また、現在でもいろいろな新しいBPOサービスの種類が登場しています。規模の利点を生かした調達・購買部署、サーバ管理であったり、社内IT部署をBPOサービスに依頼します。また営業に対してBPOサービスを利用する企業も増えています。

パソコン

BPOサービスを導入するメリット

それぞれ企業ではBPOサービスにより以下のようなメリットを享受しています。 

  1. 競争力の強化
  2. 業務を効率化できる
  3. コストを削減することができる
  4. セキュリティリスクに貢献

1. 競争力の強化 

企業ではコア業務でない業務にも力を入れようと思えば、会社内の質の高い人材をそこに割り当てる必要がありますし、経営資源を分散する必要があります。

このようなものをBPOサービスに依頼することで、コア業務に全集中することができ、よりライバル企業に対抗できる強い体質作りを行うことができます。

2. 業務を効率化できる

企業で業務を改善化させようと思えば、ノウハウが必要となるためかなり時間を要してしまうことになります。そのような業務をBPOサービスの専門企業に依頼することで業務の効率化を行うことができます。 

3. コストを削減することができる

業務をBPOサービスに依頼し効率化することができれば、コスト削減にもつなげることができます。

BPOサービスでは、同種のモノが多く集まることにより単体よりも大きな効果を得ることができます。自社で行うことよりも規模の利点によって、コストダウンにも貢献することができます。

更にBPOサービスに依頼することで、人材、倉庫、システムと言ったものを自社が抱えることはなくなり、固定費を変動費用に変えることができます。 

4. セキュリティリスクに貢献

また、BPOサービスに依頼することで、セキュリティのリスクに貢献します。BPOサービスは、ISMSなどの認証を取得しているようなところも多く、より適切なクオリティーの高いセキュリティー対策を期待することができます。

ノート

BPOサービスのデメリット

BPOサービスにもデメリットは多少ありますのでそれもお伝えしておきましょう。

企業は、BPOサービスに業務を依頼してしまうことで、永遠にノウハウは企業に蓄積されないままでいます。それぞれの企業ではBPOサービスに依頼する部署はもともとも重要性の低い業務であることが多いため、更に依頼しても最終的判断は依頼する側にありますので上手にコントロールしていくといいでしょう。

またBPOサービスに依頼するためには準備もしなければなりませんし、引き継ぎが必要です。それと同時に他の業務も並行して行われていかなければならないでしょう。

リストラ目的でBPOサービスに依頼する企業もあります。そのような企業が業務をBPOサービスに依頼してしまうことで、仕事を失ってしまう社員が生まれてしまうことになります。

企業の中の見通しがよく、上手くコミュニケーションを取ることができていた状態が、外部に任せてしまうことでやりとりが上手く出来なくなってしまう可能性もあります。

データ

BPOサービス市場の今後

BPOサービス市場は、 年々需要とともに拡大、更に大きな成長も予測することができます。

BPOサービス市場が伸びる要因は、

  • それぞれ企業が人材不足の問題を抱えているから
  • 労働契約法改正の影響
  • 働き方改革の推進の影響を受けている
  • 新型コロナウィルスの影響によるもの

などを考えることができます。

日本の企業には、そもそも人材不足という大きな問題を抱えています。それぞれの企業が足りない人材を補うため間接業務であったり委託が可能なものに対し、外部企業にアウトソースする対応でしのぐ背景があります。

更に、労働契約法の一部改正が起こり、パートやアルバイト、派遣社員と言った人たちが、有期労働契約で5年以上契約が更新された場合に、自身の意思で無期労働契約に雇用形態を切り替えをすることができるようになりました。このような制度改正によって、それぞれ企業が有期労働契約の雇用に躊躇する傾向を見てとることができます。よって現在、雇用契約ではなく、業務委託契約に基づくBPOの選択を取る企業も増加しています。

政府による働き方改革によっての時間外労働の上限規制が導入されたこともBPOサービス市場増加の理由のひとつです。新しく改正されたことで、社員ひとりあたりの業務量が調整され、足りなくなってしまったリソースはBPOサービスという形で外部で調整しなければならない状況が生まれたのです。

オフィス

世界のBPOサービスとの向きあい方

フィリピン情報技術ビジネス・プロセス協会(IBPAP)の情報では、フィリピンにおけるBPOサービスの世界シェアが、16年時点では11%だったのが、2022年までに14%に到達する見込みと伝えられています。

現在、フィリピンに拠点を置きたいという問い合わせも非常に多く、世界市場での成長率は、年間4~5%程度ですが、フィリピン市場の伸び率は、売上高が9%、雇用者数が8%になるであろうということです。

また、米国の地元紙ビジネスミラーは、アメリカのBPO企業のVXIグローバル・ソリューションズが、フィリピンにおける9カ所目になる拠点を開設したことを伝えています。その場所は、パンパンガ州クラーク経済特区です。その投資額は、  300万米ドル(約3億3,000万円)にも及ぶということです。

新しい拠点は、商業施設「SMシティー・クラーク」に隣接し、2フロアに2,000席以上を設置します。

アメリカのBPO企業のVXIグローバル・ソリューションズは2003年にフィリピンへ進出しました。従業員の数は14年で6,500人から、現在は約1万4,000人まで増加しています。

世界で、2万8,000人の人たちが労働し、その半分はフィリピンが割合を占めています。

さらに、フィリピン地元紙マラヤでは、フィリピン政府は、人工知能(AI)技術を活用できる人材の育成によってBPO産業の雇用を30万人増やせる見込みであると発表しています。

フィリピン政府が、AI人材のハブとしてセールスし、世界のBPO需要を取り込む構想を掲げています。BPOサービスでは、AIが導入されることで50万人が影響を受けてしまうことになりますが、逆に80万人の雇用が生まれると計算しています。

AIを上手く活用することで、技能なし、低位、中位それぞれの技能をワンランクアップすることができ、クオリティーの高い人材を創出することができます。

AIオペレーターとなるための研修を、オンラインやICT省の全国の拠点などを通じて実施します。

世界各国ではこのようにして、産業の高度化を実現し世界ニーズを取り込もうとしています。

ノート

まとめ

いかがでしょうか。今回、BPOサービスについてメリット・デメリットについてお話しをしました。

業者の効率化、コア業務集中のためにもBPOサービスに依頼することは有効的手段です。現在、BPOサービスの需要は右肩上がりで上昇しています。

あなたの企業でも充分、BPOサービスを取り入れる必要性があるのではないでしょうか。

世界がBPOサービスとどのように向きあっているのかを参考にして、日本もBPOサービスを上手く取り入れるといいでしょう。BPOサービスと向きあう、それは、企業を豊かにし、国を豊かにする手段です。

リモートアシスタントで業務効率化

事務作業をオンラインで任せるならリモートワークのプロ "Remoba"

資料バナー

この記事の監修者

柳沢 智紀のプロフィール画像

株式会社Enigol

柳沢 智紀

株式会社リクルートホールディングスにIT人材として新卒入社し、集客戦略やマーケティング業務を経験後、SaaS事業部で事業開発を経験。その後、PayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。SaaSサービスやAPI連携について、日々調査している。

資格
Remobaアシスタントトップ

目次

Remobaアシスタントの関連記事

サービス一覧

Remoba経理トップ
Remoba労務トップ
Remoba採用トップ
Remobaアシスタントトップ
Remobaチャットトップ