さまざまな事情で医療機関へ足を運ぶことができない方のための医療サービスがオンライン診療です。オンライン診療を専門に扱うオンラインクリニックも登場していて注目されています。本記事ではオンライン診療やオンラインクリニックの特徴やメリット・デメリット、注意点などについて紹介します。
さまざまな事情で医療機関へ足を運ぶことができない方のための医療サービスがオンライン診療です。オンライン診療を専門に扱うオンラインクリニックも登場していて注目されています。本記事ではオンライン診療やオンラインクリニックの特徴やメリット・デメリット、注意点などについて紹介します。
オンライン診療やオンラインクリニックとは何なのかについて、基本的な点を紹介します。
オンライン診療とは、医療機関から離れた場所にいる患者に対して医師がインターネット上で診察することです。パソコンやスマートフォンなどを活用して、リアルタイムで診察が行われます。
インターネットを介して診療するため、患者が医療機関まで足を運ぶ必要がありません。予約から診察、決済まで自宅で行えます。また、処方箋を郵送で発行してもらえるため、近所の薬局で薬の受け取りが可能です。
近所に医療機関がない、心身に問題を抱えていて出歩けないなど事情を抱えた方のニーズに応えています。オンライン診療を導入する医療機関は増えており、オンライン診療に特化したオンラインクリニックも登場しています。
オンラインクリニックとは、オンライン診療に特化した医療サービスを展開しているクリニックです。
通信環境が全国的に整備され、多くの方がパソコンやスマートフォンで日常的にインターネットを活用するようになりました。オンライン診療のニーズが高まっているため、オンライン診療に特化したクリニック経営が可能になっています。
オンラインクリニックでは診察から処方箋の発行まですべてオンライン完結が基本です。住んでいる場所に関係なく利用できて、予約ができるため時間の都合もつけやすくなっています。誰にも見られずに診療を受けられるため、デリケートな症状に悩まされている方からもオンラインクリニックは需要が高いです。
日本でオンライン診療が推進されている主な理由は以下の通りです。
日本では地方やへき地などと都市部とで医療格差があることが問題視されています。オンライン診療が導入されれば、アクセスの悪い地域に住む人も医療サービスを受けることが可能です。
また、新型コロナ感染症が流行したことで院内感染のリスクへの対策が重視されるようになりました。オンライン診療が普及すれば院内感染のリスクを軽減できます。
医療機関の業務効率化のためにもオンライン診療は有効です。受付や呼び出しなどの業務の手間を省くことができるため、スムーズに診察を進められます。
オンライン診療にはどのようなメリットがあるのか詳しく紹介します。
オンライン診療のメリットは幅広いニーズに対応できる点です。たとえば、アクセスの悪い地域に住んでいる人も診療を受けやすくなります。電車やバスなどが使いにくい地域にいて、車も運転できない人でもオンライン診療であれば利用しやすいです。
オンライン診療は時間の都合をつけやすいため、仕事などで忙しい人のニーズに応えています。あらかじめ日時を指定して予約ができて、パソコンなどで通信するだけで診察が可能です。アクセスの時間や手間がかからないため、仕事などの時間を調整する必要がありません。
感染症の時期に医療機関で二次感染するリスクを避けたい人にも向いています。たとえば、インフルエンザが流行している時期に医療機関で二次感染するケースは少なくありません。オンライン診療であれば感染リスクのない状態で受診できるため安心できます。
オンライン診療を導入すれば、さまざまな患者のニーズに対応できて、より広い層に対して医療サービスの提供が可能です。
医療機関はオンライン診療を実施することで業務効率化につながります。オンライン診療は医師だけでも対応が可能です。受付や案内などが不要になるため、医療事務や看護師などの業務負荷を軽減できます。外来の休診日に医師が1人でオンライン診療に対応するケースも珍しくありません。
多くの医療機関で医療事務や看護師などの業務量の多さが問題視されています。オンライン診療を導入すれば受付業務の軽減や効率化が可能であり、労働環境の改善につながります。離職率の高さなどの課題を解決する方法として有効な選択肢の1つです。
オンライン診療により院内感染を防げるのは、患者と医療機関の双方にとってメリットがあります。
多くの医療機関が課題としているのが院内での二次感染の対策です。新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどに院内で感染するケースがよくあります。オンライン診療を導入すれば通院する患者の数を減らすことができ、院内感染への対策として効果的です。患者にとっても通院してウイルスに感染するリスクを減らせるため、安心してオンライン診療を受けられます。
オンライン診療にはメリットばかりではなくデメリットもあります。どのようなデメリットがあるのか紹介します。
オンライン診療では対応できない症状がある点はデメリットです。オンライン診療は視診や触診を行えず、各種検査も実施できません。たとえば、骨折や脱臼などは対応できないケースが多いです。呼吸検査やレントゲンなどが必要になる場合も、対応が難しくなります。
オンライン診療はあらゆる症状に対応できる方法ではないため、一般的な診療としては課題が多いです。中には再診患者に限定してオンライン診療を受け付けている医療機関もあります。
オンライン診療では得られる情報が限られた中で診療が行われる点がデメリットです。限られた情報だけで診療を行うと誤診や疾病の見落としなどが発生するリスクがあります。オンライン診療だけで診断や治療をするのが困難な場合は、対面診療を受けなければいけません。
基本的にオンライン診療はかかりつけ医によって行われることが原則です。患者の症状などを考慮した上で適切な診療方法を選択することが求められます。
オンライン診療ではネットワークやシステム、機器の不具合などで診療できないケースがあります。オンライン診療はネットワークやシステムなどが安定しており障害が発生していないことを前提とする方法です。
また、医療機関側のシステムに問題がなくても、患者側のシステムや端末に不具合があれば、オンライン診療を行えないケースが出てきます。
患者側の通信環境も大きく影響する診療方法のため、医療機関側の対策だけでは解決が難しい問題です。
オンライン診療やオンラインクリニックで実際に対応できる症状を紹介します。
オンライン診療は一般的な風邪や頭痛の症状、アレルギー、生活習慣病の管理などに対応できます。一般的な風邪の場合は特別な検査をしなくても対応できる場合が多いからです。
アレルギーについては再診患者の場合にオンライン診療がよく実施されます。アレルギーの詳細が特定されている場合は、特別な検査をせずに薬の処方ができるからです。
生活習慣病は定期的に通院して治療の効果を確認する必要があり、オンライン診療に適しています。オンライン診療では症状が安定しているか確認され、問題がなければ対面診療は不要です。
身体的な評価が必要になる症状についてはオンライン診療で対応できません。たとえば、骨折や脱臼などは実際に医師が患部のチェックを行い、レントゲン検査なども必要になります。患者の患部について正確な把握が必要になる症状でオンライン診療は不向きです。
また、重篤な症状が発生しているケースもオンライン診療には適していません。
オンライン診療の一般的な流れについて紹介します。
まずはオンライン診療を受ける医療機関に対して患者が予約をします。予約の方法は医療機関によってさまざまです。予約の際には希望する日時を患者側が選択します。予約を完了した後で問診への回答が行われ、医療機関へと送信されます。専用のアプリが用意されていて、保険証やクレジットカードなどの登録が求められるケースも多いです。
予約した日時にシステムやアプリなどへログインして診察が行われます。オンライン診療では最初に本人確認が実施され、視診や問診が行われるのが一般的な流れです。事前に提出された問診の内容に基づいて診療が進められます。
オンライン診療を終えた後は患者が料金の支払いをします。クレジットカード払いに対応しているケースが一般的です。医療機関によっては、次に来院した際に料金をまとめて支払えるシステムが採用されているケースもあります。
オンライン診療の後で医師が処方箋を発行して、患者の自宅まで郵送されます。患者は受け取った処方箋を調剤薬局まで持っていき、薬を受け取ることでオンライン診療は完了です。また、院内処方の医療機関の場合は、患者の自宅へ処方薬が配送されるケースもあります。
オンライン診療やオンラインクリニックの抱えている課題を紹介します。
オンライン診療を実現するには患者側のデジタルリテラシーについて課題があります。すべての患者がデジタルリテラシーを持っているとは限らないからです。
オンライン診療を利用するには、患者がインターネットに接続できる環境を持っている必要があります。さらに、診療の予約やカメラの接続・操作などもしなければいけません。患者自身や家族など周りの人が一定のITリテラシーを持っていないとオンライン診療を利用できません。
できる限り分かりやすいアプリやシステムを準備することが重要になります。また、接続の仕方など分かりやすく説明することも重要です。
オンライン診療には誤診断が発生するリスクがあります。診療によって得られる情報が限られるため、正確な診断をするのが困難になるからです。また、デバイスやネットワーク回線の状況などで画質が悪くなり、重要な情報を見落とすケースもあります。
オンライン診療によって誤診をした場合は医師の責任が問われ、訴訟されるケースも0ではありません。そのため、オンライン診療はあくまでも対面診療の補助として利用することが推奨されています。
オンライン診療を取り入れる際には誤診断のリスクがあることを念頭に置き、慎重に運用することが大事です。
オンライン診療の導入によって事務負担が増えるケースがある点に注意が必要です。オンライン上での予約受付や時間管理などの作業が発生します。料金の支払いや処方箋の郵送などの事務作業もあり、医療事務の仕事が増える可能性が高いです。
オンライン診療に伴うトラブルが発生するケースにも注意しなければいけません。たとえば、銀行振込で料金の入金が確認できずに催促しなければいけないケースがあります。クレジットカード払い以外の支払い方法に対応することでトラブルが起きる可能性は高いです。
オンライン診療を導入する際には、余計な事務負担が発生しないように綿密な計画を立てておくことが重要になります。
オンライン診療によって、自宅から診療を受けることが可能です。オンライン診療の導入は、業務効率化や院内感染の防止、幅広いニーズへの対応など医療機関にとってもメリットがあります。オンラインクリニックも増えており、新しい診療のスタイルとして注目度が高いです。
ただし、オンライン診療を導入するにはシステムを整える必要があり、予約受付管理や支払請求など事務負担が増える可能性があります。事務負担の増加に対応したいならば、医療事務のアウトソーシングの利用がおすすめです。Remoba医療事務であれば、医療事務に関する幅広い業務の外注に対応しています。
メリットやデメリットを理解した上でオンライン診療の導入を検討しましょう。
株式会社Enigol
株式会社リクルートホールディングスでWEBマーケティング業務および事業開発を経験し、アメリカの決済会社であるPayPalにて新規事業領域のStrategic Growth Managerを担当の後、株式会社Enigolを創業。対話型マーケティングによる顧客育成から売上げアップを実現するsikiapiを開発。