コロナ禍を乗り越えた現在、多くの企業が「ハイブリッドワーク」を採用し、オンラインとオフィスでの業務を効率的に振り分けることで、多様な働き方を実現しています。ネット環境の整備やSaaSの導入により、事務職はリモートでも問題なく業務を遂行できるようになり、営業やカスタマーサービスもオンライン会議で対応することが増えました。
特に「オンライン秘書」や「オンラインアシスタント」と呼ばれるサービスが増加しており、これにより業務効率の向上や作業時間の削減が可能となっています。以下に、オンライン秘書サービスの利点と効率化できる業務をまとめました。
効率化を図りたい、作業時間を減らしたいと考えている方は、オンライン秘書の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
オンライン秘書とは?
オンライン秘書とは、企業の業務をオンラインで補助する専門職を指します。オンラインアシスタントとも呼ばれ、どちらの名称でも同様のサービスを提供しています。企業で秘書やグループアシスタントと一緒に仕事をしてきた方はイメージしやすいでしょう。秘書やアシスタントの主な役割は、「担当している役員や従業員がより仕事に集中できる環境を作る」ことです。そのため、業務内容は非常に幅広く、スケジュール管理やメールの返信、出張手配はもちろん、経理、総務、人事・採用など、多岐にわたります。オンライン秘書も同様に、企業に必要なスキルを持った担当者がオンラインでこれらの業務をサポートします。
オンライン秘書ならではのスキル
コロナ禍を経て在宅勤務が一般化し、家庭環境や労働者の多様性が考慮されるようになりました。その結果、オンライン秘書の需要と応募者数が増加し、提供されるサービスも多様化しています。オンラインでの秘書の大きな特徴は、高いITリテラシーを持っていることです。さらに、彼らはクライアントの多様なニーズを理解しており、従来の秘書スキル以外にも幅広いスキルを持っています。そのため、オンライン秘書を検討している企業は、必要なスキルを明確にして募集を行うことで、適任者に出会うチャンスを高めることができます。
高いスキルを持つ人材が集結
オンライン秘書業界は、全国または世界中から高いスキルを持つ人材が集まり、ビジネスをサポートするために成長してきました。これにより、会社所在地に限定されず、より広範な選択肢から適任者を選ぶことができます。例えば、スケジュール管理や顧客対応、リサーチ業務など、多様なニーズに対応できるオンライン秘書を活用することで、業務効率を大幅に向上させることが可能です。
オンラインでの秘書に依頼可能な基本的業務
一般的秘書業務
- スケジュール調整・管理
- 会議室の予約・調整
- クライアントとのアポイントメント調整
- 出張手配
- メール・電話対応
細々した作業はオンラインでの秘書に対応を任せ、ご自身はコア業務に集中して取り組めます。
日々溜まっていく、営業メールや迷惑メール。これらのメールチェックを自分で行うことを毎日積み重なっていくと、多くの時間を取られてしまいます。一日だけで考えれば、それほどではなくても、1週間、1ヶ月分となると、膨大な量になります。また、電話による問い合わせ多い企業もあるはずです。いちいち、全ての電話に対応していたら、時間を取られてしまいます。
オンラインでの秘書にこのようなメール・電話対応を任せ、自分はコア業務に集中できる環境を整えることはビジネスの成長に重要なことです。
リサーチ・手配業務
- セミナー場所のリサーチ・手配
- 会食場所のリサーチ・手配
- 競合価格リサーチ
- 競合調査リサーチ
- 物件のリサーチ
- 情報リサーチ
- 株価のリサーチ
- メディアのリスト化
など、必要だけど手が回らない情報のリサーチは状況に応じた情報収集や手配業務を一任可能です。
このような事務作業は極力自分ではやらず、優秀なオンラインでの秘書に任せることが本業に集中するために必要になってきます。
翻訳
英語や中国語、ドイツ語など言語翻訳を任せられることもオンラインでの秘書のメリットです。グローバルな外資企業では、翻訳しながら仕事をすることが一般的です。TOEIC700点超えでも翻訳することに苦手意識を持っており、仕事でミスする場合はオンラインでの秘書に任せることで、コア業務に集中することができるでしょう。
資料やメール、海外のグループ会社向けのプレゼンなど、さまざまな翻訳を依頼することで正確に海外の言語で社内情報を伝えることができます。
経理
経理業務は簿記の知識が必須となるため、他の部署に手伝ってもらいにくいのが現状です。
オンラインでの秘書には、簿記2級・簿記1級を所有している人、そして大企業、中小企業などいろんな企業経験を持つスタッフがおります。そのため、経理を依頼することで作業量削減やミス防止につながります。給与計算・貸借対照表作成・請求書発行などが任せられる経理の作業です。
ただ、コミュニケーション不足で計算方法や記載方法のミスが発生するリスクもあるので、作業前にコミュニケーションを取り認識合わせをしておくことが大切です。
労務
- 給与計算・釈迦保険の手続き
- 入社・出社手続き、
- 人事マスタの管理・変更、
- 回収連絡、
- 勤怠データの集計。
一般事務より専門性が高いため、労務経験があるオンラインでの秘書に依頼することで、より会社を円滑にまわすことができます。
また、福利厚生関係の業務や人事関連規程管理は、かなり専門知識が必要なので『社会保険労務士』などの資格を保有している人に依頼するといいでしょう。社労士に直接依頼するよりオンラインでの秘書に依頼するほうが、コストを抑えることができるため中小企業にもおすすめです。
採用活動や研修のサポート
- エージェント対応
- 候補者との時間調整
- 求人媒体の運用
- 候補者・応募者対応
- KGI・KPIの策定
人事担当者が複数業務を掛け持ちしている場合、オンラインでの秘書を活用して人材不足を補うことが可能です。応募者との面接日程調整・会議室予約・広告掲載などを依頼し、スムーズな採用活動を実現できます。
また、入社手続き・新入社員向けの資料作成・セミナー会場の予約を任せると、人事担当者の作業負担を軽減できます。
採用活動が活発になる時期には、人事担当者にかかる負担が大きくなります。そのようなことを防ぐためにも、オンラインでの秘書を活用していきましょう。
その他事務
発注業務
発注書・見積書・納品書作成をオンラインでの秘書へ依頼し、顧客との商談準備に集中できる環境を整えられます。
また、コピー用紙・バインダー・ホワイトボードなど、社内で使用する消耗品や事務用品の発注を併せて依頼しておくと、オフィス内の利便性を高められます。
最近では、物流会社が検品から発送までオンラインでの秘書に依頼しているケースが多いようです。発注漏れや遅れといったミスを防ぐために、オンラインでの秘書に依頼する際には取引先ごとに締め切り日を設定しておくといいでしょう。
データ入力・編集
オンラインでの秘書では、データ入力や動画編集を任せることも可能です。
顧客情報や取引先企業の情報の入力は、社員にとっては手間なのでオンラインでの秘書に任せることで、コア業務に集中することができます。
また、最近ではPR動画やセミナー用動画など、専門知識が必要な動画編集を依頼することで、会社のアピールポイントになる動画のクオリティーアップに期待できるでしょう。ITスキルが不足している社員が多い企業にとって、データ入力・動画編集を専門知識が豊富なオンラインでの秘書に依頼することで、社員の時間が増えミスも減ることがメリットといえます。
資料作成
資料作成は、WordやExcel、PowerPointなどOfficeソフトのITスキルが必要です。
オンラインでの秘書は『Microsoft Office Specialist』といった資料作成に必要な資格を保有しているケースも多いため、資料作成を安心して依頼することができます。会社の資料作成は、会社によっては営業部が行ったり、会計部が行ったり、さまざまなのでオンラインでの秘書への外部依頼をすることで統一できることがメリットです。
資料を詳細に写真やデータ、グラフを活用して作成してもらうことで、顧客への提案のしやすさにも強く影響してきます。
営業事務
営業事務は、電話対応からアポイント取得、スケジュール調整など営業部で大事な仕事の1つです。
1人営業が電話から対面営業を行うのは大変なので、営業事務などのサポートがいるだけでも助けになるはずです。オンラインでの秘書にはアポイント取得とスケジュール調整を依頼しておくことで、自社の社員は対面で契約を取得するための戦略立てやトークスクリプト作成に時間をあてることができます。
オンラインでの秘書に営業事務を依頼して、数多くの企業の売上げアップに貢献した実績があります。
専門的なスキルを持っている方に依頼する業務です。一般的な事務作業だけでなく、専門的なスキルを依頼できるオンラインでの秘書サービスもあります。
Webサイトの更新・SNS運用
ホームページの更新・ブログ投稿・ホワイトペーパー作成を依頼し、自社商品やサービスを定期的に発信する機会を設けます。優れたライティングスキルを持った方に業務を依頼し、ユーザーとの接点増加や顧客満足度向上を実現可能です。
また、LINE・Twitter・Instagramなど、SNSを活用した新商品や新サービスの告知を任せると、低コストで不特定多数の人々へ情報を拡散できます。
SNSサービスの予約投稿や投稿内容の管理なども依頼できます。
クリエイティブ制作
デザインセンスやプログラミング知識に長けた方を対象に、Webサイト制作・ロゴデザイン・アプリ開発などを依頼します。おしゃれなデザインにWebサイトやロゴマークを仕上げると、多くの方の関心を惹き付けられます。このようなクリエイティブ制作は、WEBに強いIT会社でないと人材がいないことが考えられます。Webサイト制作が豊富なオンラインでの秘書に依頼することで、ワンランク上のWEBサイトが作成できますし、契約数アップにも直結するはずです。
さらに詳しくメリットを見ていきましょう。
オンライン秘書のメリット
オンライン秘書サービスは、最近注目されている新しいサービスで、多くの経営者や個人事業主がその利点を理解し始めています。ここでは、オンライン秘書の8つのメリットを詳しくご紹介します。
1. 業務の幅が広がる
オンライン秘書を利用することで、業務の幅が大きく広がります。例えば、IT分野に強くない企業でも、HPの更新や広告運用、ロゴデザインなどのクリエイティブな仕事をオンライン秘書に任せることができます。これにより、会社の弱点を補強し、健全な経営を実現することができます。
2. 会社のメイン業務に集中できる
会社にはSWOT分析のStrength(強み)の部分とWeakness (弱み)の部分があります。強みをいかした経営をするためには、弱みを補う必要があります。
オンラインでの秘書に電話のアポイントやカスタマーサポートを任せることで、正社員は営業や他のコア業務に集中できます。これにより、営業シミュレーションに時間を割くことができ、社員のスキル向上にも繋がります。
3. 採用コストを削減できる
正社員を雇用する際のボーナスや交通費を支払う必要がないため、オンラインでの秘書を利用することで採用コストを削減できます。これにより、余剰資金を設備投資や優秀な社員の高年収採用に回すことが可能です。
4. 即日に業務を任せられる
オンライン秘書は即日で業務を開始できることが多いです。会社で正社員として採用する場合は、OJT、すなわち会社内でその仕事をするためのスキル研修・訓練を何ヶ月かしてから業務を任せるケースがほとんどです。
一方で、オンラインでの秘書ではその業務に慣れている人を選べば、業務に慣れた人材をすぐに活用できます。
5. 隠れた優秀人材と出会える
オンラインでの秘書サービスを通じて、プロフリーランスとして活躍する優秀な人材と出会うことができます。オンラインという環境を活かして、自らのスキルを最大限に発揮する人材が多数います。オンラインだと地域を限定することなく、日本全国又は海外在住の能力を持つアシスタントがサービスの提供をしています。
6. 社員教育をしなくて良い
オンライン秘書は即戦力となる人材が多いため、社内での人材育成に時間や費用をかける必要がありません。これにより、人材育成にかかるコストを大幅に削減できます。
7. 欠員の心配がない
急な欠員が出ても、オンライン秘書はスムーズに人材補充が行えます。育児休暇や一時的な欠員にも柔軟に対応できるため、業務の進行に支障がありません。
基本的にオンラインでの秘書はチームで活動していますので、こうしたトラブルにも柔軟に対応できるのです。
また、育児休暇などで一時的に欠員が出る場合でも、オンラインでの秘書の導入が効果的でしょう。育児休暇の間だけ、欠員分の社員を雇うというのはなかなか難しいです。
高い専門知識を兼ね備えたオンラインでの秘書であれば、不足分を十分に担ってくれます。
8. スピーディーに採用できる
オンライン秘書は採用プロセスが簡略化されており、早ければ3〜4日で業務を開始できます。これにより、採用から入社までの時間を大幅に短縮できます。
また、時間だけではなく面接などにかかる費用も削減できますので、まさに一石二鳥といえるでしょう。オンラインでの秘書なら、早ければ3〜4日程度で導入が可能です。企業が人を雇う場合、採用から入社まで1ヶ月はかかりますので、この差は非常に魅力的でしょう。
さらに、逆に人を雇う場合においても、専門的な知識を持ったオンラインでの秘書が、採用に関わる業務をサポートしてくれます。優秀な人材を見極めるというのは、なかなか難しいものです。
そんな時こそ、採用のプロであるオンラインでの秘書の意見を参考にしましょう。
オンラインでの秘書と派遣は違う
よく質問にあがるので、オンラインでの秘書と派遣との違いを説明します。
オンラインでの秘書と派遣は全く異なるサービスといえます。派遣社員で契約する場合は紙の契約書や期間によっては保険料や年金代、交通費がかかるでしょう。一方、オンラインでの秘書は保険料や交通費はかからず、ネットで仕事を依頼し完結できるのがメリットです。
派遣は1ヶ月が基本単位ですがオンラインでの秘書は1日や数時間など、会社側が決めてサービスを利用できるため自由度が高いです。
時間も手間も費用もオンラインでの秘書の方が会社側に有利といえます。「人材不足で悩んでいるけれど正社員採用には踏み切りづらい」と考えている経営者は、オンラインでの秘書サービスの利用が最高の選択肢といえるでしょう。