経理代行のメリット・デメリット完全解説|導入前に知っておくべき7つの注意点

経理代行のメリット・デメリット完全解説|導入前に知っておくべき7つの注意点

経理更新日:2026-06-05

理代行のメリット・デメリットを公認会計士監修のもと正直に解説。コスト削減や属人化リスク解消といったメリットだけでなく、情報漏洩リスクや移行コストなど見落とされがちなデメリット7つと対策もわかります。

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経理代行の導入を検討しているものの、「本当に自社に合うのか」「どんなリスクがあるのか」と迷っている方に向けて、メリット・デメリットの両面を解説します。

導入のメリットは多い一方、事前に知っておかないと後悔するデメリットも存在します。この記事を読めば、自社にとって経理代行が有効かどうかを判断できるようになります。

経理代行の基本的な仕組みや対応業務の詳細については、関連記事:「経理アウトソーシングとは?記帳代行との違いと向いている会社を解説」をあわせてご覧ください。

経理代行のメリット

メリット① コア業務への集中

経理業務は、記帳・請求書管理・経費精算・月次試算表の作成など、日常的にこなすべきタスクが多岐にわたります。これらを社内で抱えていると、経営判断や事業成長に直結するコア業務への時間が削られます。

経理代行を活用すると、これらのノンコア業務をまるごと外部に移管できます。経営者や管理部門のメンバーが、本来注力すべき仕事に集中できる環境をつくることが、経理代行の根本的な価値です。

メリット② 採用・教育コストの削減

経理人材の採用は、他職種と比べてもハードルが高い傾向があります。簿記の知識や会計ソフトの操作スキルを持つ人材を採用するには、求人コストだけでなく、入社後の教育期間も相応に必要です。

経理代行であれば、こうした採用・教育コストが不要になります。月額の委託費用だけで、即戦力の専門スタッフに業務を担ってもらえる点は、特に採用リソースが限られるスタートアップや中小企業にとって大きなメリットです。

また、自社雇用の場合は昇給・賞与・社会保険料・退職金なども含めたトータルコストで比較する必要があります。費用の詳細な比較については「経理アウトソーシングの費用・相場は?自社雇用との比較と見積もりの注意点を解説」をご参照ください。

メリット③ 属人化・退職リスクの排除

「経理担当者が一人しかいない」「その人しか業務の全容を把握していない」という状態は、中小企業によく見られる構造的なリスクです。担当者が突然退職したり、長期休暇を取ったりすると、経理業務が滞り、月次決算や支払い処理が遅延します。

経理代行、特にチーム体制で対応するサービスでは、担当者個人への依存を排除できます。特定の個人の知識に業務が紐づかないため、退職や急な欠勤によって業務が止まるリスクを大幅に低減できます。

メリット④ 処理精度・スピードの向上

経理の専門知識を持つスタッフが対応するため、記帳ミスや仕訳の誤りが起きにくくなります。また、月次試算表の締めが早くなることで、経営陣が財務状況をリアルタイムで把握しやすくなります。

経営判断のスピードは、数字の鮮度に左右されます。「先月の試算表がまだ届いていない」という状態では、適切なタイミングで意思決定ができません。経理代行によって月次の締めが安定すると、経営の質そのものが上がります。

メリット⑤ 不正リスクの低減(第三者牽制)

経理業務を特定の社員一人が担当していると、牽制機能が働かず、横領や不正処理が発生しやすい環境になります。金額の大小にかかわらず、内部不正は経営上の大きなリスクです。

外部の経理代行会社が入ることで、第三者の目が常に入る構造になります。これにより、意図的な不正はもちろん、無意識のミスや不適切な処理も発見しやすくなります。

メリット⑥ DX・クラウド化の加速

多くの経理代行サービスは、クラウド会計ソフト(freee・弥生・マネーフォワードなど)の活用を前提としています。導入支援を行うサービスも多く、既存の紙ベース・Excel管理からの移行をサポートしてもらえます。

経理のデジタル化は多くの企業にとって課題ですが、社内だけで進めようとすると後回しになりがちです。経理代行の導入が、クラウド会計移行のきっかけになるケースも少なくありません。

経理代行のデメリット・注意点

経理代行には多くのメリットがある一方、事前に把握しておかないと後悔する可能性があるデメリットも存在します。以下では7つの観点から正直にお伝えします。実際に起きた失敗例については「経理アウトソーシングで失敗しないためには?よく起こる失敗例」で詳しく解説しています。

デメリット① 情報漏洩・セキュリティリスク

経理データには、売上・仕入れ・給与・取引先情報など、自社の経営実態がすべて含まれています。これを外部に委託するということは、機密性の高い情報を第三者に共有することを意味します。

委託先のセキュリティ体制が不十分な場合、情報漏洩のリスクが生じます。また、クラウドツールを経由したデータのやり取りが増えるため、共有IDの管理方法、アクセス権限の管理も重要になります。

対策の観点: 契約前に、情報管理体制(ISO 27001取得の有無、NDA締結、アクセス権限の設計など)を必ず確認しましょう。一部のアウトソーシング会社ではVPNやクラウドサービスに適したゼロトラスト型のセキュリティ設計でアクセスをするなどの対策をとっています。

デメリット② 初期移行・引き継ぎコスト

経理代行への切り替えは、導入後すぐにフル稼働するわけではありません。現在の業務フローの棚卸し、会計ソフトの設定、過去データの整理、コミュニケーション体制の構築など、移行期間中に相応の工数がかかります

特に経理業務が属人化しており、業務フローが明文化されていない企業では、引き継ぎのための整理作業に予想以上の時間がかかることがあります。

対策の観点: 導入検討段階で「移行支援があるか」「初期費用はどの程度か」を確認しておくことが重要です。移行期間のスケジュールを委託先と事前に合意しておきましょう。

デメリット③ 社内に経理ノウハウが蓄積されない

経理業務を全面的に外部委託すると、社内に会計・経理の知識が蓄積されにくくなります。将来的に内製化を検討したり、経理担当を採用したりしたい場合に、引き継ぎのベースとなるナレッジが社内にない状態になります。

また、経営者自身が財務数値を深く理解する機会が減るという側面もあります。

対策の観点: 月次レポートのレビューを経営者自身が行う習慣をつけるなど、数字への関与を意識的に維持することが重要です。また、委託先から月次で説明を受ける機会を設けることも有効です。

デメリット④ 業務のブラックボックス化リスク

外部に委託することで、処理プロセスや進捗が見えにくくなる可能性があります。「いつ何がどこまで処理されているか」がわからない状態では、経営判断に必要なタイミングで情報が得られないことがあります。

対策の観点: 進捗をリアルタイムで確認できるツールを使っているか、月次のレポーティング体制が整っているか、を事前に確認してください。クラウド会計を活用するサービスでは、入力状況をリアルタイムで確認できる場合が多いです。

デメリット⑤ イレギュラー対応のスピード感

社内に経理担当者がいる場合と異なり、急な対応が必要な場面でのレスポンスが遅れることがあります。例えば、取引先から突然の支払い条件変更を求められた場合や、月中に発生した特殊な仕訳が必要なケースなどです。

委託先の対応時間・対応範囲・連絡手段によっては、スピードが求められる場面で思うように動いてもらえないことがあります。

対策の観点: 緊急時の連絡体制(担当者への直連絡が可能か、チャットでのやり取りができるかなど)を契約前に確認しましょう。SLAが明文化されているサービスを選ぶと安心です。

デメリット⑥ 解約・乗り換えコスト

経理代行を一定期間利用すると、業務フローや会計データが委託先の環境に依存する部分が生まれます。解約や乗り換えの際には、データの移行・業務の再整理・新たな引き継ぎが必要になり、一定のコストと時間がかかります。

また、最低契約期間が設定されているサービスも多く、短期的な試用が難しい場合があります。

対策の観点: 契約時に解約条件・データのエクスポート方法・移行時のサポート有無を確認しておきましょう。ベンダーロックインが生じにくい設計かどうかも重要な選定基準です。

デメリット⑦ コスト削減にならないケースがある

「アウトソーシング=コスト削減」と思われがちですが、自社の状況によっては必ずしもそうなりません。取引件数が少なく、経理業務の絶対量が小さい場合や、すでにパートタイムの経理担当で十分回っている場合は、委託費用の方が高くなることもあります。

対策の観点: 現状の経理にかかっているトータルコスト(人件費・採用コスト・教育コスト・ミスによる損失など)を正確に計算した上で比較しましょう。費用感の詳細は「経理アウトソーシングの費用・相場は?」で解説しています。

こんな会社は経理代行に向いていない

デメリットを踏まえると、以下のような状況にある会社は、経理代行の効果が出にくい場合があります。

  • 紙での業務が多く、デジタル化がまったく進んでいない会社:クラウドツールを活用する多くのサービスでは、ペーパーレス化が前提となるため、移行負担が大きくなります。
  • イレギュラーな取引が頻繁に発生し、即時対応が必須な会社:スピード感を求める場面が多い場合、社内担当の方が柔軟に動けることがあります。
  • 経理業務の量が非常に少ない(月10件未満の仕訳など)会社:委託費用に見合わないケースがあります。

向いている会社・向いていない会社の詳細については「経理アウトソーシングとは?記帳代行との違いと向いている会社を解説」をご参照ください。

失敗しない経理代行の選び方

ここまで解説してきたデメリットを踏まえると、経理代行を選ぶ際に確認すべきポイントは自然と絞られてきます。

① 対応業務範囲が明確か

月次の記帳だけなのか、試算表作成・支払処理・経費精算まで含むのか、サービスによって対応範囲は大きく異なります。自社が委託したい業務と、サービスの対応範囲がズレていないかを事前に確認しましょう。

② セキュリティ・情報管理体制が整っているか

NDAの締結、ISO認証の有無、データアクセス権限の管理方法など、情報セキュリティへの対応を確認してください。財務データを扱う以上、ここは妥協できない点です。

③ 担当体制が属人化していないか

担当者一人が対応するサービスか、チームで対応するサービスかを確認しましょう。担当者の退職や異動によって業務が引き継ぎになっても、品質が維持される体制かどうかがポイントです。

④ 費用の透明性と契約条件

月額費用の内訳、追加費用が発生する条件、最低契約期間、解約の条件をあらかじめ確認してください。「思ったより費用がかかった」「すぐ解約できなかった」というトラブルは、事前確認で防げます。

サービスの比較については「【2026最新版】経理代行サービスおすすめ比較14選」で詳しく解説しています。

Remoba経理

Remoba経理

会計ソフト導入から経理業務まで一任できる、オンライン型の経理アウトソーシングサービス。実務経験豊富なプロフェッショナルな経理チームがサポートし、業務効率化と経理体制の最適化を実現します。

サービス概要

Remoba経理は、クラウド会計ソフトを使ってプロワーカーに経理をアウトソーシングできるサービスです

売上・支払・経費管理、月次決算、確定申告補助まで、ルーティン業務をまるごと外注でき、クラウドソフト未導入のお客様には選定支援なども行います。

クラウド会計運用経験者など、実務経験豊富なアシスタントがチームとなり、日々オンラインで業務を進行。会計士や税理士が監督するため、導入済みのソフトはもちろん、部署をまたぐクラウドソフトとのSaaS連携も提案可能。運営会社は、IPaaSツール開発もしており、システム連携のノウハウが豊富です。経理を含むバックオフィスのデータを一元化し、業務効率化や経理体制の最適化を実現します。

主なポイント

  • コンサルタント主導で、最適なクラウド会計ソフトの導入・運用をサポート経理業務の外注に精通したコンサルタントが現状をヒアリングし、クラウド会計システムの選定・導入・運用までトータルでサポート。現行のクラウド会計システムを使う方法はもちろん、業務圧迫が課題なら「システム連携で効率化」を、帳簿管理の精度向上には「最適な会計ソフトを選び」など、業務内容や課題に合わせて解決策を提案します。システム設計に必要な要件定義策定や、導入までのWBS作成準備も不要なため、クラウド会計ソフトに不慣れでも安心です。運用を見据えて、業務フローやルールのマニュアル化、従業員説明会で社員教育を実施して、顧客側の社内体制づくりも支援します。
  • 専門家が監督のもと、一任した経理業務をチームで正確に遂行様々な経理プロとアシスタント達が専門チームを構築。実際の作業は、経理部門立ち上げや会計ソフト導入などの実務経験を持つ、優秀なリモートアシスタントが担当。売上やキャッシュフローなどの財務状況は、クラウド会計ソフトからいつでもチェック可能です。安心して月末・年度末の帳簿管理や確定申告の補助を任せられるため、コア業務に注力できます。実務の実行を行う上、経費申請後、内容のチェックから振込データ作成や、売上確認の消込みまで管理体制としてもご依頼いただけます。退職による業務停滞や横領などの不正会計といった、属人化に伴うリスクを防止できます。
  • 部署をまたぐクラウドソフト連携も支援し、経理を含めバックオフィス業務を効率化IPaaSサービスの開発経験をもとに、複数のクラウドソフト連携にも対応。メーカーを問わず、労務、営業支援、人事、給与管理システム連携など、部署をまたぐデータの一元化が可能です。経理を含むバックオフィス業務全体を可視化することで、業務効率化やビジネスにおける迅速な意思決定を支援します。
項目内容

サービス名

Remoba経理

会社名

(株)Enigol

公式サイト

https://remoba.biz/accountant

まとめ

経理代行のメリット・デメリットを整理すると、以下のようになります。

メリット(6つ)

  • コア業務への集中
  • 採用・教育コストの削減
  • 属人化・退職リスクの排除
  • 処理精度・スピードの向上
  • 不正リスクの低減
  • DX・クラウド化の加速

デメリット(7つ)

  • 情報漏洩・セキュリティリスク
  • 初期移行・引き継ぎコスト
  • 社内にノウハウが蓄積されない
  • 業務のブラックボックス化リスク
  • イレギュラー対応のスピード感
  • 解約・乗り換えコスト
  • コスト削減にならないケース

経理代行は、正しく選び・正しく運用すれば、経営の効率化に大きく貢献します。一方で、自社の状況に合わないサービスを選ぶと、期待した効果が得られないケースもあります。

この記事で解説したデメリットと選定ポイントを踏まえた上で、自社にとって最適なサービスを選んでください。

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この記事の監修者

辻田和弘のプロフィール画像

株式会社Enigol

辻田和弘

東京大学経済学部卒業後、丸紅株式会社に入社。経理部にて事業投資案件の会計面での検討・支援を担当するほか、子会社の内部統制構築、IFRS導入プロジェクト、全社連結会計システム導入プロジェクトに従事。公認会計士・税理士として長年にわたり会計・税務専門業務に携わった経験を持つ。現在は株式会社Enigolを創業し、Remoba(リモバ)経理・労務の総合監修を担当。スタートアップから中小企業・大企業まで、経理・労務を含むバックオフィス業務全般の支援を行っている。

資格
公認会計士
税理士

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